ポリウレタン樹脂を主成分とする塗料による塗装。主剤と硬化剤の反応で塗膜をつくるため、硬化後は溶剤で溶けない。

ウレタン塗装

ウレタン塗装とは、ポリウレタン樹脂を主成分とする塗料による塗装のこと。主剤と硬化剤を混ぜ、化学反応によって塗膜を形成する。

解説

塗料としてのポリウレタンは、第二次世界大戦中にドイツのバイエル社が航空機用に開発したものが起点にあたる。戦後、日本の木工家具産業の発展とともに広く用いられるようになり、現在では日本塗料工業会に所属する木工塗料メーカーの出荷量のうち、シンナーを除く全製品の半分以上をウレタン塗料が占める。木製品用には1液型の湿気硬化性と油変性、そして2液型の三種類があるが、家具で単にウレタンといえば2液型を指す。主剤のポリオールと硬化剤のポリイソシアネートが重合してウレタン樹脂となり、塗膜になる。

硬化は化学反応によって進むため、いったん固まった塗膜は溶剤では溶けない。この性質が、扱いやすさと修理のしにくさという両面をもたらしている。

扱いやすさの側では、水分や汚れ、薬品に強い。濡れたコップを置いても輪染みになりにくく、こぼしたものは拭き取れる。塗膜が木材の表面を覆うため、湿度による反りやひび割れも起こりにくい。食卓のように日常的に汚れる場所で使う家具に向いている。塗膜そのものが経年で色を変えることも少ない。

修理のしにくさは、その裏返しである。傷や凹みが生じても、ラッカー塗装のように新しい塗料で既存の塗膜と一体化させることができない。部分的な補修は境目が残りやすく、実際には表面全体を研磨して塗り直すことになる。塗膜自体も摩擦によって少しずつ薄くなっていく。

仕上がりの印象にも差が出る。塗膜が厚く木の導管を埋めるため、手で触れたときの感触は木というより樹脂に近くなる。艶の程度は調整でき、光沢を抑えたものは見た目では判別しにくいが、触ればおおむね見分けがつく。無垢材の質感を優先するか、日常の扱いやすさを優先するかという選択が、この二つの塗装のあいだにはある。

ラッカー塗装との違い

比較項目 ウレタン塗装 ラッカー塗装
硬化の仕組み 主剤と硬化剤の化学反応 溶剤の揮発のみ
硬化後の再溶解 溶剤では溶けない 同じ溶剤で再び溶ける
塗膜の硬さ 鉛筆硬度で2H程度 鉛筆硬度でHB程度
部分補修 境目が残りやすく、面ごと塗り直す 既存の塗膜と一体化し、部分的に直せる
手触り 導管が埋まり、樹脂に近い 薄く、木の凹凸が残る

なお、家具の標準的な塗装工程では乾燥に3日から6日ほどを要し、鏡面に磨き上げる仕上げでは3週間から4週間かかる。仕上げの選択は、価格と納期にも関わっている。

Reference

ウレタン塗料の基礎知識とウレタン塗装品の取り扱い方法(モノ・モノ/長澤良一)
https://monomono.jp/?p=7891
木製品塗料の概略性能(和信化学工業)
https://www.washin-chemical.co.jp/corporate/chemistry/coatingguide/cguide_05performance.html

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