ブナ科ブナ属の落葉広葉樹とその木材。組織が均質で曲げ加工に適し、曲木の椅子に広く用いられる。

ブナ

ブナとは、ブナ科ブナ属の落葉広葉樹とその木材のこと。英語では beech、ドイツ語では Buche と呼ぶ。

解説

組織が細かく均質な散孔材で、木目の主張が弱い。この均質さが曲げ加工に向く理由になる。木材を蒸して曲げるとき、内側は縮み外側は伸びるが、材の中に硬い部分と軟らかい部分が混在していると、その境目で割れが生じる。ブナは繊維の詰まり方が場所によって大きく変わらないため、力が一様に分散し、無理なく曲がる。曲木の椅子にブナが選ばれてきたのは、この性質による。

硬さと粘りを併せ持ち、繰り返しの衝撃にも耐える。椅子の脚や、ソファの内部フレームのように、常に力がかかりながら表からは見えない部位に多く用いられる。チェスターの枠材が乾燥させたブナであるのも、ばねの引きに耐えながら形を保つ役割を担うためである。

いっぽうで、耐朽性は低い。湿気の多い環境では腐りやすく、虫害も受けやすいため、屋外や水回りの用途には向かない。乾燥の過程で狂いやすい材でもあり、製材後の管理が仕上がりを左右する。

ヨーロッパでは家具材として長く使われてきた。イングランドのハイ・ウィカム一帯は近隣のブナ林を背景に椅子製造の集積地となり、ercolもこの地域の技術を基盤としている。産地の樹種がそのまま産業の性格を決めた例といえる。

色は淡い赤みを帯びた白系で、蒸煮の処理を施すと全体が桜色に近い色調へ変わる。塗装の乗りがよく、着色によって表情を大きく変えられるため、ラッカー塗装ウレタン塗装と組み合わせて用いられることが多い。

Reference

ブナ|日本の木材(日本木材総合情報センター)
https://www.jawic.or.jp/syurui/01.php
Beech|Materials(Carl Hansen & Søn)
https://www.carlhansen.com/en/materials/wood/beech
About ercol|Heritage
https://www.ercol.com/pages/our-story

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