丸太や角材を切削機械で薄く削り出した板。繊維方向を直交させて三枚以上重ねて接着すると合板になる。厚さと枚数の組み方が板の強度を決める。
単板
単板とは、丸太や角材を切削機械で薄く削り出した一枚の板のこと。これを繊維方向がほぼ直交するように三枚以上重ねて接着したものが合板にあたる。読みは「たんぱん」。英語の veneer は本来この一枚を指す語で、積層したものが plywood にあたるが、日本語では合板を指して「ベニヤ板」と呼ぶ用法も定着しているため、文脈によって指すものが変わる。
解説
切削には二通りの方式がある。丸太を回転させながら桂剥きの要領で刃を当て、連続した一続きの板として剥き出すロータリーレースと、平らに製材した材へ刃を押し当てて削るスライサーである。合板の日本農林規格はこの二つを名指ししたうえで「その他の切削機械」を含めている。前者は幅の広い板が能率よく得られる代わりに柾目を採ることができず、後者は木目の出方を選べる代わりに幅が原材の寸法で決まる。合板の層になるのは前者、化粧面に貼られるのは後者が多い。
丸太は皮を剥いで所定の長さに切り、針葉樹の場合は蒸煮して軟らかくしてから切削にかける。剥いたばかりの単板は水分を多く含むため、160〜180℃のドライヤーで乾燥させる。そのあと裁断して選別し、節や割れを補修し、幅の狭いものは接ぎ合わせる。この工程は調板と呼ばれ、ここで一枚ごとに表板・裏板・心板のどこへ回すかが決まる。
ロータリーレースで剥いた単板には、刃の当たった面の反対側に細かな割れが並ぶ。切削の際に材が曲げられて生じるもので、裏割れという。見た目の欠点として扱われるため、合板の表板は裏割れの出る面を内層側へ向けて配置される。日本農林規格の接着試験でも、心板の裏割れの向きと荷重の向きが順逆それぞれ半数になるよう試験片を作ると定めており、単板に表と裏の区別があることは規格の水準で織り込まれている。
厚さは用途で決まる。構造用合板とコンクリート型枠用合板では、構成する単板を1.0mm以上5.5mm以下と規定する。表面に貼って木目を見せる単板は化粧単板と呼び、化粧ばり構造用合板では厚さ1mm未満と定める。日本合板工業組合連合会は、同じ樹種で同じ厚さの合板でも、何層に組むか各層をどの厚さにするかによって強度性能が2倍から3倍も違うと説明しており、単板の厚さと枚数の組み方は板の性質を決める設計事項にあたる。
家具の成形合板では1mm前後の薄い単板を用いることが多い。曲げの外側で引き伸ばされる量は板が薄いほど小さくなるため、単板を薄くするほど急な曲率に耐えられる。ブナのように水分を多く含んで反りやすく、無垢材のままでは扱いにくい樹種でも、薄い単板にして向きを交差させれば寸法の落ち着いた部材になる。
突板との違い
突板は単板の一種で、表面に貼って木目を見せる目的のものを指す。日本農林規格のいう化粧単板がこれにあたり、木材質特有の美観を表すことを主たる目的とした単板と定義されている。単板は切削された板すべてを含む総称で、突板はそのうちの用途による区分にあたる。合板の内部に隠れる心板も、裏面に回る裏板も単板だが、突板とは呼ばない。
切削方式との対応も一対一ではない。突板の多くはスライサーで採るが、木目の連続する広い面が要るときはロータリーレースで剥いた単板を化粧面に使うこともある。方式が用途を決めるのではなく、求める木目と幅が方式を決める。
Reference
- 合板の日本農林規格(JAS 0233-1:2024)|農林水産省
- https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-479.pdf
- 合板ができるまで|日本合板工業組合連合会
- https://www.jpma.jp/product/flow.html
- FAQ(よくあるお問い合わせ)|日本合板工業組合連合会
- https://www.jpma.jp/product/faq.html
- 単板の裏割れを利用した高耐候性合板の開発|木材保存 48巻3号(日本木材保存協会)
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jwpa/48/3/48_129/_article/-char/ja/
- つき板について|全国天然木化粧合単板工業協同組合連合会
- http://www.zentenren.or.jp/tukiita/index.html