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ペンギン・ドンキーは、エゴン・リスが1939年に設計した書棚である。4本の脚と、両側に振り分けた2つの収納で構成される。文庫本の寸法に合わせて区画がつくられている。現在はアイソコン・プラスが製造している。

このページでは、3つの版の違い、正規品の仕様と選べる仕上げ、収納できるものと設置の条件、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

ペンギン・ドンキーはIsokon Plus社がロンドン東部(ハックニー)の工房で職人の手により一台一台を受注生産する現行品である。オリジナルのMark 1に加え、1963年のMark 2(アーネスト・レース設計)、2003年のDonkey 3(安積伸&安積朋子設計)の3バージョンが展開されている。

正式名称 Penguin Donkey(ペンギン・ドンキー)。バリエーション:Mark 1(オリジナル)、Mark 2、Donkey 3
製造国 イギリス・ロンドン
生産状況 現行生産。受注生産で、納期は8〜10週間(メーカー公表値)
分類 マガジンラック / ブックシェルフ / サイドストレージ / サイドテーブル
素材 バーチの成形合板。薄い層を重ねて曲面をつくる。仕上げはナチュラルのほか、黒の着色などが選べる
サイズ(Mark 1) 幅600 × 奥行420 × 高さ430mm(販売店により592×415×434mmと表記される場合がある)
構造(Mark 1) 4本の脚と、両側に振り分けた2つの収納。中央には新聞や雑誌が入る。文庫本は最大約80冊が収まる。上面は曲面で、物を置く面になる
構造(Mark 2) 1963年、アーネスト・レースによる再設計。輪郭が直線的になり、収納量が増える。限定色の展開がある
構造(Donkey 3) 2003年、レムを手がけたAZUMIによる。バーチ合板の本体に、淡い灰色に塗装した脚と内部の棚板を組み合わせる。両端に手をかける切り欠きがある
付属品 販売元によっては、上面の曲面に合わせた合板のトレイが付属する
収蔵 MoMA ペンギン・ドンキー ブックケース(1939年) 収蔵番号 179.2021/V&A ペンギン・ドンキーの設計図(1939年5月22日) 収蔵番号 CIRC.240-1975
参考価格帯 正規取扱店の公表価格は Mark 1 が£670、Mark 2 が£595、Donkey 3 が£605(2026年8月19日確認)。メーカーは価格表を公開しており、正規取扱店で確認できる。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。受注生産のため返品を受け付けない場合がある

3つのバージョンの比較

ペンギン・ドンキーにリプロダクト品は存在しない。Isokon Plusがロンドンの工房で職人の手により製造する正規品のみが流通している。同じ「ドンキー」の系譜に連なる3バージョンの比較を整理する。

比較項目 Mark 1(エゴン・リス 1939) Mark 2(アーネスト・レース 1963) Donkey 3(安積伸&朋子 2003)
デザイン思想 バウハウス的有機曲線。成形合板の可塑性を最大限に活用。荷馬のパニエの形象 フェスティバル・オブ・ブリテン世代の合理性。オリジナルの精神を継承しつつ現代的生産技術に適応 21世紀の日本的ミニマリズム。ソフトな曲線とスリークなラインの均衡。リスとレースへの敬意
形状の特徴 流麗な有機的曲線。4本の細い脚。曲線状天板 やや角張ったモダンなライン。サイドテーブルとしての機能性を強化 合板シェル構造。カットアウェイ・ハンドル。ペールグレーの脚と内部棚板
収納力 文庫本約80冊+新聞・雑誌 文庫本約90冊+新聞・雑誌 書籍・雑誌・小物。ディスプレイ収納としての汎用性が高い
仕上げ ナチュラルバーチ ナチュラルバーチ。ペンギンショップ限定カラーあり ナチュラルバーチ+ペールグレー(脚・内部棚板)
参考価格 約£670 約£595 約£605
推奨する方 オリジナルの有機曲線美を体験したい方。デザイン史としてのMark 1に価値を置く方 1960年代英国デザインへの共感。実用的な収納力を重視する方 現代的なインテリアとの調和を求める方。日本人デザイナーの感性に共鳴する方

使用感と設置条件

収まるもの

両側の収納は文庫本の寸法に合わせてつくられている。最大約80冊が入る。文庫より大きい判型の本は収まらない。中央の空間には新聞や雑誌が立てて入る。

本は背を上にして寝かせる向きで収める。背を横に向けて立てる一般的な書棚とは並べ方が異なるため、背表紙を読むには本体を覗き込むことになる。

上面は曲面で、物を置く面になる。高さ430mmはソファの座面や肘掛けに近く、脇に置いて使える寸法である。

設置に要する寸法

幅600×奥行420×高さ430mm。両側から本を取り出すため、片側を壁に寄せると一方が使えなくなる。中央に置くか、両側に手が入る余裕を確保する。

脚が4本で、床との接点は4箇所に限られる。柔らかい床材では脚の跡が残ることがある。

3つの版の選び分け

Mark 1は曲面で構成され、収納量は約80冊。Mark 2は輪郭が直線的になり、収納量が増える。Donkey 3は本体に淡い灰色の脚と棚板を組み合わせ、両端に手をかける切り欠きを持つ。

いずれも同じメーカーが現在も製造している。収納量を優先するならMark 2、持ち運ぶ機会があるならDonkey 3が該当する。

経年変化とメンテナンス

合板に起きること

合板単板を接着剤で重ねた材で、湿度の変化で層の間に力がかかる。乾燥が続くと端部から層が開くことがある。曲面で構成される部位ほど、内部に残る応力が大きい。

ナチュラルの仕上げは紫外線で色が濃くなる。直射日光の当たる面から先に進むため、置き場所によって色の差が出る。

日常の手入れ

ふだん
乾いた柔らかい布で拭く。水拭きは合板の端部から水分が入るため避ける。
置き場所
直射日光と、暖房の風が直接当たる場所を避ける。急な乾燥は層の剥離を招く。床暖房の上も同じ理由で適さない。
荷重
両側の収納に本を詰めた状態が想定の範囲である。上面に重い物を長期間載せると、曲面が撓む。

どこで買うか

取扱店の調べ方

アイソコンは製品の価格表を公開しており、正規取扱店で確認できる。正規取扱店の公表価格は、Mark 1が£670、Mark 2が£595、Donkey 3が£605である(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なる。

受注生産のため、納期は8〜10週間を要する。受注生産品として返品を受け付けない場合があるため、購入前に条件を確認する。

版と仕上げの選択

注文の際に決めるのは、版(Mark 1/Mark 2/Donkey 3)と仕上げである。Mark 2には限定色の展開があり、扱う販売元が限られる。

当時の製造品

1939年の発売直後に第二次世界大戦が始まり、合板の供給が途絶えたため、当時の製造数は約100点にとどまる。流通量は極めて限られ、相場は状態と来歴で幅がある。

確認箇所は、合板の端部で層が開いていないか、曲面に割れがないか、脚の接合部に緩みがないかである。

購入前チェックリスト

  • 版の選択(Mark 1/Mark 2/Donkey 3)
  • 収める本の判型(文庫本の寸法に合わせてつくられている)
  • 本を寝かせる向きで収めること(背表紙を読むには覗き込む)
  • 両側から取り出すため、片側を壁に寄せられないこと
  • 設置場所の寸法(幅600×奥行420mm+両側に手が入る余裕)
  • 納期(受注生産で8〜10週間)
  • 返品の可否(受注生産品として受け付けない場合がある)
  • 直射日光と暖房の風を避けられる位置か

よくある質問

価格はどのくらいですか?
正規取扱店の公表価格は、Mark 1が£670、Mark 2が£595、Donkey 3が£605です(2026年8月19日確認)。アイソコンは製品の価格表を公開しており、正規取扱店で確認できます。日本国内の価格は輸入代理店と取扱店により異なります。
どこで購入できますか?
アイソコンの正規取扱店を通じて購入します。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。Mark 2の限定色は扱う販売元が限られます。
納期はどのくらいですか?
受注生産のため8〜10週間を要します。受注生産品として返品を受け付けない場合がありますので、購入前に条件をご確認ください。
どんな本が収まりますか?
両側の収納は文庫本の寸法に合わせてつくられており、最大約80冊が入ります。文庫より大きい判型の本は収まりません。中央の空間には新聞や雑誌が立てて入ります。
本はどのように並べますか?
背を上にして寝かせる向きで収めます。背を横に向けて立てる一般的な書棚とは並べ方が異なるため、背表紙を読むには本体を覗き込むことになります。
壁際に置けますか?
両側から本を取り出す構造のため、片側を壁に寄せると一方が使えなくなります。中央に置くか、両側に手が入る余裕を確保してください。寸法は幅600×奥行420×高さ430mmです。
3つの版はどう違いますか?
Mark 1は曲面で構成され、収納量は約80冊です。Mark 2は1963年にアーネスト・レースが再設計したもので、輪郭が直線的になり収納量が増えます。Donkey 3は2003年にAZUMIが手がけたもので、本体に淡い灰色の脚と棚板を組み合わせ、両端に手をかける切り欠きがあります。いずれも同じメーカーが現在も製造しています。
手入れはどうすればよいですか?
乾いた柔らかい布で拭きます。水拭きは合板の端部から水分が入るため避けてください。直射日光、暖房の風が直接当たる場所、床暖房の上は、急な乾燥により層の剥離を招くため適しません。上面に重い物を長期間載せると曲面が撓みます。