意匠権の保護期間が満了したデザインを、原作の権利者やその許諾を受けた製造者以外が製造・販売する製品を指す語。
リプロダクト
リプロダクトとは、意匠権の保護期間が満了したデザインについて、原作の権利者やその許諾を受けた製造者以外が製造・販売する製品を指す語のこと。ジェネリック家具、デザイナーズ・リプロダクトなどとも呼ばれる。
解説
この語は法令上の用語ではなく、日本の家具流通のなかで用いられてきた呼称である。英語の reproduction は美術品の複製一般を指す語であり、日本語で使われる際の範囲とは一致しない。表示にこの語があるかどうかは製品の性格を推し量る手がかりになるが、区分として定義されているわけではない。
製造そのものは、意匠権の存続期間が満了していれば意匠法上の問題とならない。20世紀半ばに発表された家具の多くは、出願から数十年を経て意匠権が消滅している。ただし、ブランド名や製品名は商標として登録され、更新を重ねるかぎり存続するため、原作の名称や型番を用いて販売することはできない。リプロダクト製品が「〇〇風」「ジェネリック」といった表現で流通するのはこのためである。
製品としての差は、外形の似ている度合いよりも、設計情報をどこから得ているかに現れる。原型の図面や型、素材の指定が引き継がれないため、内部構造、フレームの材質と肉厚、クッション材の密度、木材のグレード、塗装の工程は、製造者があらためて決めることになる。座り心地や耐久性、経年変化の現れ方に差が出るのはこの部分である。誰がつくるのかという契約関係の軸は復刻、どの経路で流通するのかという軸は正規販売店と並行輸入で扱う。
なお、個々の商品が適法かどうかは、対象となるデザインの出願日、各国の権利状況、商標の使用態様などによって変わる。本項は制度と用語の説明にとどめる。
Reference
- 意匠権の存続期間はどのくらいですか。(工業所有権情報・研修館)
- https://faq.inpit.go.jp/FAQ/2024/01/000198.html
- 意匠登録の概要(特許庁)
- https://www.jpo.go.jp/system/design/gaiyo/seidogaiyo/torokugaiyo/index.html
- Q9. デッドコピー商品への対策(特許庁)
- https://www.jpo.go.jp/support/ipr/qanda/q09.html