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コノイドチェアは、ジョージ・ナカシマが1959年に設計した椅子である。2つの工房が製造する。後ろ脚を持たない片持ちの構造で、橇のような2本の脚が床に接する。背もたれに細い棒が並ぶ。

このページでは、2つの工房と仕様の違い、片持ちの構造と設置、無垢材と手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

コノイドチェアは、ジョージナカシマウッドワーカーズ(米国ペンシルベニア州ニューホープ)と桜製作所(日本・香川県高松市)の二つの正規工房でのみ製作されている。いずれの工房もナカシマ手書きの設計図に忠実に従い、厳選された銘木を用いた受注生産を行っている。リプロダクト品は存在せず、この二工房以外からの製品は流通していない。以下に、桜製作所製の現行正規品を中心とした詳細仕様を示す。

正式名称 コノイドチェア
製造 2つの工房が製造する。米国の工房と日本の工房による
座面 ブラックウォルナットの無垢材。一枚板を彫り込む
背もたれの棒 細い棒が背もたれに並ぶ。樹種は工房によって異なる
背もたれの上端 ブラックウォルナット。緩やかな弧を描く
構造 後ろ脚を持たない片持ちの構造。橇のような2本の脚が床に接する
仕上げ 油による仕上げ。塗膜をつくらない
サイズ 日本の工房による例では幅535 × 奥行570 × 高さ900mm
座面の高さ 440mm
重量 約7.4kg
重ねられるか 重ねられない
価格 いずれの工房も受注生産による。価格は工房と取扱店への問い合わせによる(2026年8月19日確認)。木材の状態と仕様で価格が変わる
納期 受注生産。納期は工房と取扱店に確認する
表示 座面の裏に製作者の署名などが記される
収蔵 シカゴ美術館 コノイド チェア 収蔵番号 1988.204

コノイドチェアの最大の構造的特徴は、そり型の2本脚のみで座面全体を支えるカンティレバー構造にある。建築の片持ち梁の原理を椅子に応用し、座面にかかる荷重を一端で支持してせん断応力を分散させることで、視覚的には重力に逆らうような軽快さを保ちながら堅牢な座り心地を実現している。座面には「座繰り」と呼ばれる手彫りの凹面加工が施され、人体に沿った緩やかな曲面が快適な着座感を生み出す。背もたれを構成する細いスピンドルと緩やかな弧を描く笠木は、コノイドスタジオの窓壁を想起させる優雅な印象を与えている。

各脚は無垢材から一脚ずつ手作業で製作され、木目の流れや節、色合いといった自然の個性がそのまま活かされる。完成した作品には座面裏に製作者の署名と日付、顧客名が記され、その来歴が永続的に記録される。これにより、すべてのコノイドチェアが固有の一脚として生み出されている。

2つの工房と仕様の違い

米国の工房と日本の工房の2つが製造する。いずれも正規の製造にあたる。

背もたれの棒の樹種が工房によって異なる。寸法にも差が生じる場合がある。

そのため、どちらの工房によるかで見え方と手触りが変わる。

いずれも受注生産による。価格と納期は工房と取扱店に確認する。

選び分けの目安

見え方で選ぶ場合
背もたれの棒の樹種が工房によって異なる。
入手を考える場合
いずれも受注生産による。納期を確かめる。
寸法を確かめる場合
工房によって差が生じる場合がある。取扱店に確認する。

片持ちの構造と設置

後ろ脚を持たない。橇のような2本の脚が床に接する片持ちの構造による。

床に接する面積が広い。畳など柔らかい床材でも荷重が分散する。

いっぽうで脚が前後に伸びる。置き場所と机との関係を確かめる。

重ねられない。複数を用いる場合はそれぞれの置き場所が要る。

選び分けの目安

床材を確かめる場合
床に接する面積が広い。荷重が分散する。
置き場所を決める場合
脚が前後に伸びる。机との関係を確かめる。
収納を考える場合
重ねられない。それぞれの置き場所が要る。

無垢材と手入れ

座面はブラックウォルナットの無垢材による。一枚板を彫り込む。

油による仕上げにあたる。塗膜をつくらないため定期的な手入れを要する。

木目と色は個体ごとに異なる。無垢材による。

湿度の変化で伸縮する。急な乾燥は割れを招く。

選び分けの目安

手入れの手間を考える場合
油による仕上げは定期的な手入れを要する。
見え方で選ぶ場合
木目と色は個体ごとに異なる。現物で確かめられるとよい。
置き場所を確かめる場合
湿度の変化で伸縮する。急な乾燥を避ける。

同種の椅子との比較

椅子は脚の構造と背もたれの構成で性格が分かれる。

比較項目 コノイドチェア S 33 チェア スポークバックソファ
橇のような2本(片持ち) 鋼管(片持ち) 木の4本脚
床との接し方 面で接する 前方の曲線部で接する 点で接する
背もたれ 細い棒が並ぶ 厚い革を張る 細い棒が並ぶ
素材 無垢材 鋼管と革 無垢材と張地
座面の高さ 440mm 460mm 400mm

選び分けの目安

床材を確かめる場合
面で接する。点で接する椅子とは条件が異なる。
手入れの手間を考える場合
無垢材と油の仕上げによる。金属の椅子とは扱いが分かれる。
座り方を考える場合
背もたれに細い棒が並ぶ。詰め物を持たない。

使用感と設置条件

座面の形状

一枚板を彫り込む。座る箇所がくぼむ。

詰め物を持たない。座布団を用いることもできる。

背もたれ

細い棒が並ぶ。上端は緩やかな弧を描く。

棒のあいだには埃が溜まる。柔らかい刷毛で払う。

寸法

幅535 × 奥行570 × 高さ900mm。座面の高さは440mm。

脚が前後に伸びるため、奥行の実寸を確かめる。

経年変化とメンテナンス

素材に起きること

ブラックウォルナットは日光で色が変わる。油の仕上げではとくに進む。

湿度の変化で伸縮する。急な乾燥は割れを招く。

床に接する脚の面は擦れる。面で接するため広い範囲に及ぶ。

背もたれの棒は細い。強い力を加えない。

日常の手入れ

座面と枠
乾いた布で拭く。油の仕上げでは定期的な手入れを要する。
棒のあいだ
柔らかい刷毛で埃を払う。溜まりやすい箇所にあたる。
脚の接地面
擦れを定期的に確かめる。面で床に接する。
置き場所
直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。色の変化と割れを招く。

修理と部品

木部の補修と仕上げの塗り直しについては、製造した工房または取扱店に相談する。

受注生産による製品にあたる。対応の可否を確かめる。

どこで買うか

取扱店の調べ方

2つの工房がそれぞれ製造する。いずれも受注生産にあたる。

日本国内では日本の工房を通じた取り扱いを確認するのが確実である。納期と価格をあわせて相談する。

実物を確認する

木目と色は個体ごとに異なる。実物で確かめられるとよい。

彫り込んだ座面と背もたれの棒の感触も現物で分かる。

中古の流通

製造した工房と時期によって仕様が異なる場合がある。年式と工房を確かめる。

確認箇所は、座面の割れと色の変化、背もたれの棒、脚の接地面、座面の裏の表示である。

購入前チェックリスト

  • 2つの工房のいずれによるか(背もたれの棒の樹種が異なる)
  • 受注生産であること(納期を確かめる)
  • 脚が前後に伸びること(置き場所と机との関係)
  • 床に面で接すること
  • 油の仕上げは定期的な手入れを要すること
  • 木目と色が個体ごとに異なること
  • 詰め物を持たないこと
  • 重ねられないこと

よくある質問

価格はどのくらいですか?
いずれの工房も受注生産によります。価格は工房と取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。木材の状態と仕様で価格が変わります。
どこで購入できますか?
2つの工房がそれぞれ製造します。日本国内では日本の工房を通じた取り扱いをご確認ください。納期と価格をあわせてご相談ください。
2つの工房で違いはありますか?
いずれも正規の製造ですが、背もたれの棒の樹種が工房によって異なり、寸法にも差が生じる場合があります。どちらの工房によるかで見え方と手触りが変わります。
どのような構造ですか?
後ろ脚を持たず、橇のような2本の脚が床に接する片持ちの構造です。床に接する面積が広いため、畳など柔らかい床材でも荷重が分散します。
設置に必要な寸法を教えてください。
幅535×奥行570×高さ900mm、座面の高さは440mmです。脚が前後に伸びるため奥行の実寸と机との関係をお確かめください。
座り心地はどうですか?
座面は一枚板を彫り込んだもので座る箇所がくぼみます。詰め物を持たないため、座布団を用いることもできます。背もたれには細い棒が並びます。
収蔵されている美術館はありますか?
シカゴ美術館が収蔵しています(コノイド チェア、収蔵番号1988.204)。
手入れはどうすればよいですか?
座面と枠は乾いた布で拭き、油の仕上げのため定期的な手入れを要します。棒のあいだは柔らかい刷毛で埃を払ってください。直射日光や急な乾燥は色の変化と割れを招きます。