メーカーまたはその国の総代理店と契約を結び、正規の流通経路で商品を仕入れて販売する店を指す語。法令上の用語ではない。
正規販売店
正規販売店とは、メーカーまたはその国における総代理店と契約を結び、定められた流通経路を通じて商品を仕入れて販売する店を指す語のこと。正規取扱店、正規代理店などとも呼ばれる。
解説
法令に定義のある用語ではなく、契約関係にもとづく呼称である。海外ブランドの家具の場合、メーカーから各国の総代理店へ、総代理店から販売店へという経路が組まれることが多く、この経路上にある店が正規販売店と呼ばれる。したがって、同じブランドを扱っていても契約の有無によって呼称は変わる。
正規の経路を通ることの実務上の意味は、商品そのものよりも購入後の関係にある。メーカー保証が国内で受けられること、補修部品が長期にわたって供給されること、張地やクッションの張り替えを純正の仕様で依頼できること、輸送中の破損や初期不良の窓口が明確であることなどである。数十年単位で使う家具では、購入時の価格差よりこの部分が効いてくることがある。
注意が必要なのは、正規販売店以外の経路がただちに問題を含むわけではない点である。製造元が同じ真正の商品を、総代理店を経ずに輸入して販売する並行輸入という形態がある。また、意匠権の保護期間が満了したデザインを別の製造者がつくるリプロダクトや、権利をもつメーカーが生産を再開する復刻は、そもそも誰がつくったかという軸の話であり、正規・非正規という流通の軸では捉えられない。混同すると判断を誤る。
なお、総代理店が価格の維持を目的として並行輸入品の修理を拒んだり、取扱いに差を設けたりする行為については、公正取引委員会の「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」第3部が考え方を示している。同委員会の相談事例には、輸入総代理店が自社輸入品と並行輸入品とで点検料金に差を設けることの可否を扱ったものもある。正規の経路であることが、他の経路を排除してよい根拠になるわけではない。
Reference
- 流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針(公正取引委員会)
- https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/ryutsutorihiki.html
- 輸入総代理店による自社輸入品と並行輸入品との点検料金の差別化(公正取引委員会 相談事例集)
- https://www.jftc.go.jp/dk/soudanjirei/h20/h19nendomokuji/h19nendo01.html