このページについて
カールトン・ルームディバイダーは、エットレ・ソットサスが1981年に設計しメンフィス・ミラノが製造する棚である。傾いた板を正三角形の関係で組み、面ごとに異なる色のラミネートを貼る。背面を持たないため、間仕切りとして立てても両側から使える。
このページでは、寸法と設置に要する条件、収納できるものと傾いた棚板の扱い、正規品の識別、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
エットレ・ソットサスの設計思想や経歴について詳しくはエットレ・ソットサス プロフィールページをご覧ください。
カールトン・ルームディバイダーのデザインストーリーについて詳しくはカールトン・ルームディバイダー紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
カールトン・ルームディバイダーは、メンフィス・ミラノ社によって1981年の発表以来、一貫してイタリアで手作りによる正規生産が継続されている。現行品はアンリミテッド・エディション(限定数なし)として生産され、番号入りのスタンプが台座に押印される。
| 正式名称 | Carlton Room Divider / カールトン・ルームディバイダー(別称:Carlton Bookcase / カールトン・ブックケース) |
|---|---|
| 製造国 | イタリア(ハンドメイド) |
| 生産状況 | 現行生産品。メンフィス・ミラノ社によるアンリミテッド・エディション(番号入りスタンプ付き) |
| サイズ | 幅1,900 × 奥行400 × 高さ1,960mm |
| 重量 | 約130kg |
| 主要素材 | 中密度繊維板(MDF)に、メラミンのラミネートを貼る |
| カラー | 面ごとに異なる色のラミネートを貼る。配色は固定で、変更できない |
| 構造 | 正三角形を基本の単位として板を組む。傾いた板どうしが互いを支える |
| 機能 | 棚板は傾いており、本を立てると背の側へ寄る。台座部に2段の引き出しを備える。背面を持たないため間仕切りとして使える |
| 付属品 | 正規品の証明書。台座には設計者の署名と設計年を記した金属のプレートが付く |
| 特別版 | 2011年 誕生30周年記念版(30点限定、記念ラベル付き) |
| 収蔵 | MoMA 「カールトン」ルームディバイダー(1981年) 収蔵番号 1290.2018/Met 1997.460.1a–d/AIC 1984.1035 |
| 参考価格帯 | 現行正規品:€12,000〜(税込目安 約200万円〜)。正規販売店により価格が異なる。2011年30周年限定版や初期ヴィンテージ品は美術品市場でプレミアム取引 |
類似商品・競合との比較
間仕切りとして使える棚は、背面の有無と棚板の向きで性格が分かれる。両側から使えるかどうかが、置き方を決める。
| 比較項目 | カールトン | インフィニート | モンタナシステム |
|---|---|---|---|
| 背面 | なし | なし(支柱に隙間が残る) | あり(箱の背面) |
| 棚板の向き | 傾いている | 水平 | 水平 |
| 棚の位置 | 固定 | 変えられる | 箱の組み替えによる |
| 設置 | 自立する | 天井と床で突っ張る | 壁付けまたは自立 |
| 色 | 固定(面ごとに異なる) | 木の仕上げから選ぶ | 多数から選べる |
| 重量 | 約130kg | 構成による | 構成による |
選び分けの目安
- 天井の条件に縛られたくない場合
- カールトンは自立するため、天井高の制約を受けない。突っ張る方式では天井高が条件になる。
- 収納量を優先する場合
- 棚板が傾いているため、水平な棚より収まる量が限られる。背面もないため、奥行方向に積めない。
- 棚の高さを変えたい場合
- カールトンの棚板は固定で、位置を変えられない。収めるものの高さが先に決まっている場合、可動棚の方式が該当する。
使用感と設置条件
傾いた棚板
棚板は水平ではなく傾いている。本を立てると背の側へ寄るため、ブックエンドがなくても倒れにくい。いっぽうで、平らな面を必要とするもの——グラス、皿、写真立て——は安定しない。
傾きの向きは棚ごとに異なる。どの棚にどちらへ寄るかは、実物で確かめることになる。
間仕切りとして使う
背面を持たないため、両側から棚に手が届く。部屋の中央に立てて空間を分ける使い方ができる。壁に寄せると、片側の面が使えなくなる。
板のあいだに隙間が残るため、向こう側が透けて見える。閉じきらない仕切りになる。
寸法と搬入
幅1,900×奥行400×高さ1,960mm、重量は約130kg。高さは一般的な住宅の天井高(240cm前後)に対して余裕があるが、設置場所の幅1,900mmを確保する必要がある。
組み立てた状態での搬入は現実的でない。分解して運ぶ場合も、最も長い部材の寸法が経路を通るかを確認する。重量があるため、床の耐荷重も確かめておく。
配色
面ごとに異なる色のラミネートを貼る構成で、配色は固定される。壁の色や他の家具との関係を選べないため、置く場所の側を合わせることになる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
表面のメラミンラミネートは硬く、傷や汚れに強い。塗装と異なり被膜が厚いため、日常の使用で下地が出ることは少ない。
いっぽうで、角や縁は欠けやすい。ラミネートが剥がれると、下地のMDFが露出する。MDFは水分を吸って膨らむため、剥がれた箇所は放置しない。
色の濃い面は、日光を受けると退色する。面ごとに色が異なるため、退色の進み方も一様ではない。
日常の手入れ
- ふだん
- 乾いた柔らかい布で拭く。汚れは薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き、水気を残さない。
- 避けるもの
- 研磨剤はラミネートの光沢を損なう。有機溶剤も表面を傷める。
- 水分
- ラミネートの継ぎ目から水が入ると、下地のMDFが膨らむ。こぼした場合はすぐに拭き取る。
どこで買うか
取扱店の調べ方
メンフィス・ミラノは公式サイトで製品情報を公開している。同社は価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによる。日本国内の正規取扱については、輸入代理店の案内を確認するのが確実である。
手作業による製造のため、納期は取扱店に確認する。
個体の識別
正規品には証明書が付き、台座には設計者の署名と設計年を記した金属のプレートが装着される。中古で選ぶ場合、この表示の有無で判別できる。
実物を確認する
幅1,900mmという寸法と、面ごとに異なる配色は、写真では実際の印象がつかみにくい。展示の有無を取扱店へ確認するとよい。
棚板の傾きの向きも、実物で確かめられると収めるものを決めやすい。
中古の流通
1981年以降の個体が流通している。相場は年式と状態で幅があり、一定していない。
確認箇所は、証明書と金属プレートの有無、ラミネートの角と縁の欠け、剥がれた箇所からのMDFの膨らみ、退色の程度、板どうしの接合部の緩みである。
購入前チェックリスト
- 設置場所の幅(1,900mm)と高さ(1,960mm)
- 床の耐荷重(約130kg)
- 搬入経路(最も長い部材が通るか)
- 棚板が傾いていること(平らな面を要するものは置けない)
- 棚の位置が固定であること
- 配色が固定であること
- 間仕切りとして使う場合、両側に手が届く配置か
- 中古の場合、証明書と金属プレートの有無
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- メンフィス・ミラノは価格を公表しておらず、正規取扱店への問い合わせによります(2026年8月19日確認)。手作業による製造のため、納期もあわせてご確認ください。
- どこで購入できますか?
- メンフィス・ミラノの公式サイトで製品情報を確認できます。日本国内の正規取扱については輸入代理店の案内をご確認ください。
- 正規品かどうかはどう見分けますか?
- 正規品には証明書が付き、台座には設計者の署名と設計年を記した金属のプレートが装着されます。中古で選ぶ場合はこの表示の有無で判別できます。
- 棚板が傾いていて使えますか?
- 本を立てると背の側へ寄るため、ブックエンドがなくても倒れにくくなっています。いっぽうで、グラスや皿、写真立てなど平らな面を必要とするものは安定しません。傾きの向きは棚ごとに異なります。
- 間仕切りとして使えますか?
- 使えます。背面を持たないため両側から棚に手が届き、部屋の中央に立てて空間を分けられます。壁に寄せると片側の面が使えなくなります。板のあいだに隙間が残るため、向こう側が透けて見えます。
- 色は選べますか?
- 選べません。面ごとに異なる色のラミネートを貼る構成で、配色は固定されています。壁の色や他の家具との関係を選べないため、置く場所の側を合わせることになります。
- 設置に必要な寸法を教えてください。
- 幅1,900×奥行400×高さ1,960mm、重量は約130kgです。高さは一般的な住宅の天井高に対して余裕がありますが、幅1,900mmを確保する必要があります。床の耐荷重と、分解して運ぶ場合の搬入経路もご確認ください。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 乾いた柔らかい布で拭きます。汚れは薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き、水気を残さないでください。研磨剤はラミネートの光沢を損ない、有機溶剤も表面を傷めます。ラミネートの継ぎ目から水が入ると下地のMDFが膨らむため、こぼした場合はすぐに拭き取ってください。