概要
カールトン・ルームディバイダーは、1981年にエットレ・ソットサスがデザインした、ポストモダンデザインを代表する作品である。メンフィスの始動と同時に発表された。本棚、間仕切り、引き出しを一体に構成する。
高さ約196cm、幅約190cm。木製の構造体をプラスチックラミネートで覆い、棚板を斜めに配する。
特徴・コンセプト
幾何学的構造と機能性の融合
棚板と仕切りは正三角形を基本単位として配される。水平と垂直で組めば直方体の区画が生じるが、斜材で組めば三角形が成立し、筋交いを加えずに変形が止まる。棚板そのものが構造を担う。
棚板が傾いているため、置かれた書籍は低い側へ寄る。水平な棚では本立てを要するが、傾ければ自重で一方に集まって倒れない。
素材の逆説
素材にはMDFとプラスチックラミネートを用いる。無垢材では木目が面ごとに異なるが、ラミネートなら任意の色と柄を全面に均一に与えられる。斜めの構成では面の向きが多様になるため、木目の方向が問題にならない素材が適する。
面ごとに異なる色が与えられる。単色で覆えば全体が一つの塊として見えるが、色を分ければ個々の板が別の要素として読める。
両面からの見え方
間仕切りとして用いる場合、両面から見られる。棚板が斜めに交差するため、どちら側から見ても異なる構成が現れる。
評価と影響
1981年9月のメンフィス第一回展示で発表された。棚板を斜めに配して構造と収納を兼ねる構成は、水平に積む収納とは荷重の伝わり方が異なる。同じメンフィスのファースト・チェアも、部材ごとに色を分けて要素を判別させる方向をとる。
2011年には30周年の限定エディションが製作された。現在も生産が続いている。
収蔵
以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館、Met=メトロポリタン美術館、AIC=シカゴ美術館)。MoMAの記録では素材はプラスチックラミネートと木とされる。
- MoMA 「カールトン」ルームディバイダー(1981年) 収蔵番号 1290.2018
- Met 「カールトン」ルームディバイダー(1981年) 収蔵番号 1997.460.1a–d
- AIC カールトン ルームディバイダー(1981年) 収蔵番号 1984.1035
エットレ・ソットサスの設計思想や経歴について詳しくはエットレ・ソットサスプロフィールページをご覧ください。
メンフィス・ミラノの歴史や他の製品について詳しくはメンフィス・ミラノブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass) |
|---|---|
| ブランド | メンフィス・ミラノ(Memphis Milano) |
| デザイン年 | 1981年 |
| サイズ | 高さ196cm × 幅190cm × 奥行40cm |
| 材質 | 木材(中密度繊維板)、プラスチックラミネート(メラミン化粧板) |
| 生産国 | イタリア |