1980年代
ラミー・サファリ LAMY Safari
1980
1980年発表のドイツ製万年筆。三角形グリップによる理想的な筆記姿勢の実現と、ABS樹脂の堅牢なボディが特徴。バウハウスの機能美に沿った設計で、世界で最も売れている万年筆として、デザインと実用性を両立させている。
タヴォロ・コン・ルオテ(車輪付きテーブル) Tavolo con Ruote
1980
ガエ・アウレンティが工場の台車から着想を得て1980年にデザイン。厚さ15mmのガラス天板と工業用キャスターのみで構成されるミニマルな一台。MoMAおよびポンピドゥー・センター国立近代美術館のコレクションに収蔵されている。
FSライン FS-Line
1980
1980年に発表されたオフィス用の椅子。細かな設定操作を求める当時の方式に対し、姿勢が変われば機構とシェルの両方が追従する構成をとった。名称は設計を担当したクラウス・フランクとヴェルナー・ザウアーの姓の頭文字による。
カールトン・ルームディバイダー Carlton Room Divider
1981
1981年にエットレ・ソットサスがデザインした、メンフィス・グループの象徴的作品。鮮やかな色彩と幾何学的構造が融合した本棚兼ルームディバイダーで、ポストモダンデザインのアイコンとして、ニューヨーク近代美術館やメトロポリタン美術館に収蔵されています。
ビバリー Beverly
1981
1981年にエットレ・ソットサスがデザインしたサイドボード。メンフィス・ミラノの象徴的作品であり、天然瘤杢とラミネートの対比、遊戯的な赤い電球が特徴。過去と現在のデザイン様式を視覚的に並置した「比喩的タイムマシン」。
カサブランカ Casablanca
1981
1981年、エットレ・ソットサスがメンフィス第一回コレクションで発表したサイドボード。トーテム状のシルエットと鮮烈な赤い棚板、スプニャートパターンが織りなす視覚的インパクトは、ポストモダンデザインを象徴する作品として、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館やブルックリン美術館に収蔵されている。
タヒチ ランプ Tahiti Lamp
1981
各部が異なる色と素材で塗り分けられ、全体の統一より部分ごとの対比が優先される。反射板もシェードもなく、照明の目的が照度の確保から、室内に置く物としての存在へ移されている。名称のタヒチは南太平洋の島の名に由来する。
TAWARAYA Tawaraya
1981
梅田正徳が1981年にメンフィスの第1回展で発表した家具。四畳半にあたる280cm角の台に畳を敷き、四隅の支柱にロープを渡してボクシングリングの枠をつくる。日本の住居で部屋の広さを決めてきた畳の寸法をそのまま家具の外形に移し、座る場、語らう場、眠る場を一つの床の上で入れ替える。名称は、ソットサスが京都の旅館から採った。
オセアニック ランプ Oceanic Lamp
1981
ピンクの板から白と黒の縞のパイプが3本斜めに立ち、最も長い1本の先で黄色い箱が下に光を落とす。ミケーレ・デ・ルッキが1981年、メンフィスの最初のコレクションのために設計したテーブルランプである。支柱の傾きを台の長さで受け、明かりの落ちる位置を台の前へずらす構成をとる。
モンタナシステム Montana System
1982
1982年にピーター・J・ラッセンがデザインした革新的なモジュール式収納システム。43色の詩的な色彩パレットと無限の組み合わせが可能で、EUエコラベル認証を取得した環境配慮型のデンマーク製家具です。
アランダ・テーブル Alanda Table
1982
パオロ・ピーヴァによる1982年の代表作。反転したピラミッド構造のジオデシック・フレームが特徴的なローテーブル。建築的要素をミニチュア化した1980年代ポストモダンデザインを代表する一台として、今なお新鮮な存在感を放つ。
ファースト・チェア First Chair
1983
幾何学的な円盤と球体を組み合わせた彫刻的な造形。ターコイズブルーの調節可能な背もたれと黒い球体のアームレストが特徴的な、メンフィスグループを代表する1983年の作品。大量生産された唯一のメンフィス・オリジナルデザイン。
ボダム シャンボール フレンチプレス Bodum Chambord French Press
1983
フランスのシャトー・ド・シャンボールに由来する名をもつフレンチプレス。1958年のメリオールを原型とするデザインで、金属フレームとホウケイ酸ガラスからなり、ペーパーフィルターを使わずにコーヒーを抽出する。
ティー&コーヒー ピアッツァ Tea & Coffee Piazza
1983
アルド・ロッシが1983年にアレッシィのために手がけた銀製ティー&コーヒーセット。ガラスのヴィトリーヌに収められた器物群は、イタリアの広場に立つ建築群を想起させ、都市の記憶と日用品を重ね合わせたポストモダンの代表作である。
コステスチェア Costes Chair
1984
1984年にフィリップ・スタルクがパリのカフェ・コステスのためにデザインした三本脚のチェア。湾曲したマホガニー合板シェルとブラックスチールの脚部が特徴で、ポストモダンデザインを代表する作品として知られる。
ラ・コニカ La Conica
1984
アルド・ロッシがアレッシィのために設計した直火式エスプレッソメーカー。二段の円筒に円錐の蓋を載せ、頂部に球を置く構成は、卓上に立つ塔として読める。銀のティーセットの企画から始まり、1984年の生産開始以来、ステンレスと銅による量産品として作られ続けている。
ヤ・ヤ・ホー Ya Ya Ho
1984
インゴ・マウラーとそのチームが1984年に発表した低電圧の照明システム。部屋に平行に張った2本の金属ワイヤーに12ボルトの電流を流し、その線上に光源を掛ける。ワイヤーが給電と支持を兼ねるため、光源の位置と数は使い手が決められる。ニューヨーク近代美術館が収蔵している。
9093 ケトル 9093 Kettle
1985
1985年発表のポストモダニズムの象徴的ケトル。マイケル・グレイブスがデザインした鳥の笛付きケトルは、Alessiの歴史上最も成功した製品として200万個以上を販売。機能と美学と遊び心を融合させた20世紀デザインのアイコン。
トニエッタ Tonietta
1985
エンツォ・マーリによる1985年の代表作チェア。アルミニウム合金の軽量フレームに革張りの座面を組み合わせた本質的なデザインで、1987年コンパッソ・ドーロ賞を受賞。椅子の原型を現代技術で再解釈した一脚。
シンキング・マンズ・チェア Thinking Man's Chair
1986
ジャスパー・モリソンが1980年代半ばに設計した肘掛け椅子。座面と背もたれは幅の狭い帯を間隔をあけて並べ、板や張り地で覆わない。身体を受ける部分は平たい帯、荷重を伝える枠は管という使い分けをとるため、どの部材が何を担うかが外から読み取れる。着想は修理のため座布団を外した古い椅子にある。
ハウ・ハイ・ザ・ムーン How High the Moon
1986
倉俣史朗が1986年に設計した肘掛け椅子。クラブチェアの輪郭をそのまま残しながら、座・背・肘掛けをエキスパンドメタルの面だけで構成し、内部に骨組みを持たない。網目の向こうが透け、めっきの反射で見え方が変わる。倉俣自身が「無重力願望の椅子」と呼んだ一脚である。
ノモス テーブル Nomos Table
1986
1981年、フォスターの事務所が新しいスタジオで使う机を既製品に見つけられず、自分たちで設計したことから始まったテーブルである。中央のパイプと左右の支持腕、斜めに張り出す4本の脚が天板を受け、骨格を共通にしたまま1人用の机から大型の会議卓までを賄う。テクノが1986年に製品化し、現在も生産している。
ヴィクトリアン・レイリング・チェア Victorian Railings Chair
1986
トム・ディクソンが1986年に制作した肘掛け椅子。19世紀の装飾鉄柵を背に、マンホールの蓋を座面に用いる。図面からではなく、集まった廃材の形と寸法から椅子の姿が決まっている。
シティ Sity
1986
人はソファの上で座るだけでなく、横になり、眠り、食事をする。その観察から、座面が部屋へ張り出す「半島」や単独で置く「島」を含む20を超える要素を用意し、組み合わせを使い手に委ねたソファシステム。
フェルトリ・チェア Feltri Chair
1987
イタリアの前衛デザイナー、ガエターノ・ペッシェが1987年に発表した革新的なラウンジチェア。フェルトを構造材として使用し、王座を現代的に解釈した包容力のあるデザイン。カッシーナ社の特許技術により製造される、ポストモダンの代表作。
ET66 電卓 ET66 Calculator
1987
ディーター・ラムスとディートリッヒ・ルブスが1987年に手がけた電卓。凸型の丸いボタンと黄色のイコールキーが特徴で、後のAppleのiOS電卓アプリのデザインと類似していることでも知られる。
AB1 アラームクロック AB1 Alarm Clock
1987
1987年発表のBraun AB1は、ディーター・ラムスの「より少なく、しかしより良く」という理念を反映した目覚まし時計。簡潔な四角いフォルムに必要な機能をまとめ、AppleのiOS時計アプリの文字盤デザインにも引用された、ミニマルデザインを代表する一作です。
トロメオ デスクランプ Tolomeo Desk Lamp
1987
1987年誕生のアルテミデを代表するタスクランプ。ミケーレ・デ・ルッキとジャンカルロ・ファッシーナによる革新的バランスアーム機構と洗練されたアルミニウムデザインが特徴。コンパッソ・ドーロ賞受賞の現代デザインアイコン。
S チェア S Chair
1987
トム・ディクソンが1987年にデザインしたS字型の彫刻的なラウンジチェア。スチールフレームにラッシュを編み込んだオリジナル版から、レザー、ウール、リサイクルナイロンまで、多様な素材で再解釈され続ける現代デザインの代表作。MoMA、V&A永久コレクション収蔵。
ナニ・マルキナ ラグ Nani Marquina Rugs
1987
1987年バルセロナ創業。インド・パキスタン・ネパールの手織り技法と現代デザインを結びつけたラグブランド。ブルレック兄弟やハイメ・アジョンなど外部デザイナーとの協働を軸に、床材を空間の色と質感を規定する面として設計する。
ゴーストチェア Ghost Chair
1987
12mm厚の一枚ガラスから生まれた「存在しない椅子」。1987年、チニ・ボエリがフィアム社と共に挑んだ不可能への挑戦は、MoMA永久収蔵、コンパッソ・ドーロ受賞という栄誉に輝くイタリアン・デザインのアイコンとなった。
トロメオ メガ Tolomeo Mega
1987
1987年にデ・ルッキとファッシーナがデザインしたトロメオの大型モデル。パーチメントやファブリックの大型シェードが柔らかな拡散光を生み出し、タスクとアンビエントの二つの光を一台で実現するアルテミデの名作照明。
トロメオ ミクロ Tolomeo Micro
1987
アームをばねとテンションケーブルで釣り合わせる機構により、片手で位置を変え、離した位置でそのまま保持できる。台座付きのほか、クランプ式、天板に差し込むインセットピボット式が用意される。関節と調整ノブは研磨したダイキャストアルミニウム。
プロジェッティ Progetti
1987
1987年に発表された肘掛け椅子。肘は古い杖の握り手を写した形で、密度が高く摩耗に強い南米産のパウフェロでつくられる。ブナの無垢材で組んだ枠に、密度を変えたポリウレタンフォームと繊維の詰め物を合わせ、布や革の張り地はカバーごと取り外せる。
ライト・ライト・チェア Light Light Chair
1987
航空機やレース用の複合材を、住まいの椅子に使えるか。アルベルト・メダとアリアスが1987年に始めた研究から生まれたのが、重量およそ1キログラムのライト・ライト・チェアである。細く削り込んだ脚と薄い座面は、繊維の向きを力の流れに合わせることで成り立っている。50脚を作った時点で生産は止まり、住宅ではなく美術館に収まった。
タラクサカム88 Taraxacum 88
1988
1988年、アキッレ・カスティリオーニがフロス社のために設計したペンダントライト。アルミニウムの正三角形20枚で正二十面体を組み、60灯のクリア電球を球面に並べる。原型となる1960年版はMoMA収蔵。
ラ・クーポラ La Cupola Espresso Maker
1988
1988年発表。プリツカー賞建築家アルド・ロッシがアレッシィのために手がけた直火式エスプレッソメーカー。イタリアの聖堂ドームを想起させる優美な造形で、建築と日用品デザインの統合を追求した一品。累計販売100万台超。
キビ キャンドルホルダー Kivi Votive
1988
造形上の操作は最小限で、円筒に近い塊と上面の窪みだけ。残るのはガラスの厚みと色になる。イッタラは素地そのものに色を溶かし込むため、光を透過したときに濁らない。一つでも成立するが、色を変えて並べたときに効果が際立つ。
ロックヒード・ラウンジ Lockheed Lounge
1988
マーク・ニューソンが1988年に完成させた寝椅子。ガラス繊維で強化した樹脂の芯に、細かく分けたアルミニウムの板をリベットで留める。1枚の板で覆う構想は成立せず、小さな金属片を叩いて形をつくる方法がとられた。1点あたり最大6か月を要し、シドニーの工房で15点のみが製作されている。
エンブリオチェア Embryo Chair
1988
マーク・ニューソンが1988年に設計した椅子。シドニーのパワーハウス・ミュージアムの企画展のために作られた。座面と背もたれをひと続きの塊にまとめ、ウェットスーツに用いるネオプレンで覆うことで、曲面に縫い目を残さずに仕上げている。設計者が、自身の様式がはじめて明確になった作品として挙げている。
ミス・ブランチ Miss Blanche
1988
倉俣史朗が1988年に発表したアームチェア。透明なアクリル樹脂の板の内部に造花の薔薇を封じている。生花は樹脂の中で焼けてしまうため造花に替えられ、封じられているものが初めから作り物であるという構図が生まれた。ピンセットで花を保持しながら樹脂を硬化させる手作業を要し、製作数は計74点にとどまる。
ジョイ 712 回転ブックケース Joy 712 Rotating Bookcase
1989
カスティリオーニが1989年にザノッタのために設計した回転式ブックケース。逆L字の棚板が支柱の関節を軸に独立して回り、本棚にも間仕切りにもなる。5段と7段の2種類がある。