概要
ジョイは、アキッレ・カスティリオーニが1989年にザノッタのために設計した回転式のブックケースである。垂直に立つスチールの支柱に、逆L字に折れた棚板が段違いに取り付けられ、各段が独立して360度回る。壁際にも部屋の隅にも、部屋の中央にも置ける自立型で、ザノッタの型番は712。
特徴とコンセプト
棚が独立して回る
支柱はスチール管をつないだもので、各段の付け根に関節が仕込まれている。棚板はこの関節を軸に自由に回る。すべてを同じ向きに揃えれば壁付けの本棚になり、互い違いに開けば螺旋階段のような立体になる。
棚板を固定すれば設置の向きが決まるが、回れば同じ一台を壁付けにも間仕切りにも使える。棚の張り出す方向を変えることで、通路の側に開いたり閉じたりできる。
段数の数え方
5段と7段の2種類がある。ただしこの数は棚面の数であって、逆L字の部材の数ではない。5段は逆L字の部材4つと基部1つ、7段は逆L字の部材6つと基部1つで構成される。基部は低い台状の部材で、上の関節を支える役割も担う。
棚面の間隔はいずれも29cm。5段は幅84cm、奥行30cm、高さ132cm。7段は幅96cm、奥行30cm、高さ190cm。奥行は共通で、幅の差は棚板の張り出し量に対応する。
素材と仕上げ
支柱と棚板はMDF(中密度繊維板)で、内部の角にスチールの補強材を仕込んで剛性を確保している。表面は傷に強いエンボス塗装で、タルク、ヘンプ、アマランス、エスプレッソ、ブラックから選べる。
関節部の塗装スチールは、ヘンプ、アマランス、エスプレッソ、ブラックの本体には黒、タルクの本体にはタルクが組み合わされる。本体と関節の色が独立して選べるわけではない。
評価と影響
1989年の発表以来、ザノッタの定番として生産が続いている。部品数を抑えたまま、関節を加えるだけで複数の役割を担わせている。
単位を反復して構成する収納では、ポッロ モダンが正方形の割付を用いる。ジョイは段ごとに向きを変えられる点で、割付を固定しない構成にあたる。同じカスティリオーニによるフリスビーも、一つの操作から複数の効果を得る扱いを共有する。
4館の公開データでは、ジョイの収蔵は確認できていない。
アキッレ・カスティリオーニの設計思想や経歴について詳しくはアキッレ・カスティリオーニプロフィールページをご覧ください。
ザノッタの歴史や他の製品について詳しくはザノッタブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ジョイ(Joy) |
|---|---|
| 型番 | 712 |
| デザイナー | アキッレ・カスティリオーニ |
| デザイン年 | 1989年 |
| ブランド | ザノッタ |
| デザイン発祥地 | イタリア |
| 素材 | MDF(内部にスチールの補強材)、塗装スチールの関節 |
| 仕上げ | 傷に強いエンボス塗装 |
| カラー | タルク、ヘンプ、アマランス、エスプレッソ、ブラック |
| 構成 | 5段(逆L字4+基部1)/7段(逆L字6+基部1) |
| サイズ(5段) | 幅84cm × 奥行30cm × 高さ132cm |
| サイズ(7段) | 幅96cm × 奥行30cm × 高さ190cm |
| 棚面の間隔 | 29cm |