フリスビー ― 宙に浮かぶ光の円盤
1978年、アッキーレ・カスティリオーニが照明ブランドFLOS(フロス)のためにデザインしたペンダントライト「フリスビー(Frisbi)」。公園で親しまれる円盤状の遊具フリスビーにちなんで名づけられ、三本の極細ケーブルで吊られたアクリル製ディフューザーが空中に浮かんでいるかのように見えるのが特徴である。直接光・反射光・拡散光の三種類の光を一つの器具で生み出し、ダイニングテーブルを中心とした空間の照明として世界各地で使われ続けている。
特徴とコンセプト
フリスビーの特徴は、オパール仕上げのアクリル(PMMA)製ディフューザープレートが三本の極細スチールケーブルで本体から吊り下げられ、空中に静止しているように見える点にある。ケーブルは細く目立たないため、円盤が単独で宙に留まっているような印象を与える。
光の設計にも特色がある。ドーム型のメタルリフレクターから放たれた光は、中央の開口部を通って真下を直接照らすと同時に、ディフューザープレートに反射して間接光となり、さらにプレートを透過した拡散光が周囲へ広がる。一つの器具から性質の異なる三種類の光が同時に生まれるため、食卓の手元を照らしながら、部屋全体にやわらかな明るさをもたらす。
素材と構造
リフレクターは、ニッケルメッキを施したスチール板をプレス成型し、内面を光沢ホワイトで塗装して光の反射効率を高めている。仕上げはブラックとポリッシュドニッケルの二種類が用意され、空間に合わせて選択できる。天井取付部のローゼットはABS樹脂のブラック塗装仕上げである。
コレクションと評価
フリスビーは、発表以来FLOSの照明コレクションの中でも人気の高い製品の一つとして生産が続けられている。ニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションにも収蔵されており(収蔵番号356.1985)、20世紀後半のイタリアを代表する照明デザインの一つとして知られている。
基本情報
| 商品名 | フリスビー / Frisbi |
|---|---|
| デザイナー | アッキーレ・カスティリオーニ / Achille Castiglioni(1918–2002 / イタリア) |
| ブランド | FLOS(フロス) |
| デザイン年 | 1978年 |
| 分類 | ペンダントライト |
| サイズ | 直径60cm × 高さ73cm |
| 重量 | 約2.7kg |
| 素材 | スチール(ニッケルメッキ)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ABS樹脂 |
| 光源 | E26/E27 口金 ×1(最大100W相当)、調光対応 |
| カラーバリエーション | ポリッシュドニッケル(シルバー)、ブラック |
| 製造国 | イタリア |