ブランド情報

創業・本社
1931年 イギリス・ロンドン
創業者
Jack Pritchard、Wells Coates
生産
イギリス・ロンドン(自社工房・ウォルサムストウ)
事業内容
成形合板を用いた家具の製造および販売
公式サイト
www.isokon.furniture

本社・所有・生産・日本での取扱いなどは 2026年10月21日に確認

Isokon(アイソコン)

Isokonは、1931年にJack PritchardとカナダのWells Coatesがロンドンで設立した企業を起点とする家具ブランドである。近代的な集合住宅とその備品を一体で計画する事業として始まった。1930年代にWalter GropiusとMarcel Breuerが関わり、成形合板を用いた家具が作られた。1939年に生産が途絶えたのち、1982年にWindmill Furnitureが引き継ぎ、1997年にIsokon Plusと改称した。

事業と製造の実体

Isokonの製品は現在、ロンドン東部ウォルサムストウの工房で製作される。全品目が手作業を含む工程で作られ、材はバーチの合板が中心となる。

製造技術の中核にあるのは合板の成形である。薄い単板を重ねて接着し、型に沿わせて硬化させることで、単一の部材で曲面と構造を兼ねさせる。アイソコン ロングチェアは、座と背が連続する一枚の面を、両側の枠が支える構成を採る。金属の骨組みを用いず、合板の弾性で身体を受ける方式にあたる。

創業者のJack Pritchardは、エストニアの合板メーカーA. M. Lutherの子会社Venestaに勤めていた。

沿革

集合住宅と家具

1931年、Jack Pritchardと建築家Wells Coatesがロンドンで会社を設立した。名称はIsometric Unit Constructionに由来する。近代的な集合住宅とその備品を計画する事業で、最初の仕事がハムステッドのLawn Road Flats(現Isokon Building)だった。この建物に用いる家具を用意する必要から、家具の製造部門が設けられている。

1935年、バウハウスの創設者Walter Gropiusが設計の統括に就いた。Gropiusがハーバード大学へ移るにあたり、後任としてMarcel Breuerを推している。Breuerは1935年秋からLawn Road Flatsに居住し、1935年から1937年にかけて合板の家具を設計した。László Moholy-Nagyは印刷物と記号を担当している。1939年にはEgon Rissが書棚Penguin Donkeyを設計した。

同じ1939年、第二次世界大戦の勃発によってエストニアからの合板の供給が止まり、生産は停止した。

再開と継承

1963年、PritchardはIsokonを再開し、Ernest RaceにPenguin Donkeyと酒器の収納の設計変更を依頼した。1968年にはJohn Alan Designsにアイソコン ロングチェアなどの製造を許諾している。

1982年、Windmill FurnitureのChris McCourtがIsokonを引き継ぎ、1930年代の設計を順次再生産した。1996年にEdward Barber & Jay Osgerbyとの協働が始まり、1997年にIsokon Plusの名称となった。2019年7月、同じロンドンの家具ブランドVery Good & Properが同社を取得し、工房はウォルサムストウへ移った。

デザイナーとの協働

Isokonの製品は、1930年代の設計の再生産と、現行の設計者との新作の開発という二つの経路から生まれる。

1930年代の設計者はMarcel Breuer、Egon Riss、Walter Gropius、Gerald Summersらで、1960年代にはErnest Raceが加わった。1996年以降はEdward Barber & Jay Osgerbyをはじめとする設計者との協働が続いている。

主な製品群

Marcel Breuerの設計では、1935年から1936年にかけて作られたアイソコン ロングチェアがある。1932年にBreuerが設計したアルミニウム製の寝椅子を合板に置き換えたものである。1936年ごろのネストテーブル(アイソコン)も同じ系統に属する。

Egon Rissが1939年に設計したペンギン・ドンキーは、文庫判の書籍を収める寸法で作られた書棚で、薄い合板を曲げて左右に湾曲した面を作る構成にあたる。

Reference