レアンダーとは ― 子どもの成長に寄り添うデンマーク発デザインファニチャー
Leander(レアンダー)は、1998年にデンマーク・シルケボーで創業したベビー・キッズ家具ブランドです。創業者であり全製品のデザイナーでもあるスティッグ・レアンダー(Stig Leander)が、義妹の双子の誕生をきっかけに考案したハンギングクレードル(揺りかご)からその歴史は始まりました。「家具が子どもに合わせるべきであり、決してその逆であってはならない」という信念のもと、機能性とスカンジナビアンデザインの美しさを高次元で融合させた製品群は、現在40カ国以上で展開され、デンマーク王室にも愛用されるブランドへと成長を遂げています。
レアンダーの製品は、単なるベビー用品の枠を超え、子どもの発達を促しながら親の日常をより豊かにすることを使命としています。FSC認証を取得したビーチウッド(ブナ材)を主素材とし、溶剤を含まないラッカー塗装、欧州安全規格への準拠など、品質と安全性に対する妥協のない姿勢が世界中の家族から厚い信頼を寄せられている所以です。
ブランドの特徴・コンセプト
レアンダーのデザイン哲学は、「フォルムとファンクション(形態と機能)」という北欧デザインの根幹をなす理念に深く根差しています。すべての製品は、子どもの身体的発達と自主性を尊重しつつ、親の育児における負担を軽減するという二つの目的を同時に達成することを目指して設計されています。
「Big Design for Little People」
レアンダーが掲げるスローガン「Big Design for Little People and Their Parents(小さな人々とその両親のための、大きなデザイン)」は、子ども向けの家具であっても一切の妥協を許さないデザインの在り方を端的に示しています。優美な曲線、抑制の効いた色調、そして触れたくなる素材の質感は、子ども部屋だけでなく住空間全体の美意識を高めるものとして、インテリアに敏感な世界中の家庭から高い評価を受けています。
成長に寄り添うコンバーチブル設計
レアンダーの代表的な製品群には、子どもの成長段階に応じて形態を変化させるコンバーチブル(可変式)の思想が一貫して息づいています。ベビーベッドはジュニアベッドへ、ハイチェアは大人用の椅子へと姿を変えることで、一つの製品を世代を超えて使い続けることが可能です。これは単なる経済性の追求にとどまらず、レアンダーが提唱する「責任と持続可能性」というブランドの核心的価値を体現するものでもあります。
サステナビリティへの取り組み
レアンダーは国連グローバル・コンパクトに参加し、持続可能性、倫理、社会的責任の原則を事業活動の根幹に統合することを宣言しています。主要素材であるビーチウッドはFSC認証森林から調達され、塗装には溶剤を含まないラッカーを使用。環境ホルモンなどの有害物質を含まない素材選定を徹底し、欧州安全規格EN71-3およびTÜV SÜD認証を取得しています。さらに、製品を複数世代にわたって継承できる耐久性こそが、最も本質的なサステナビリティであるとレアンダーは考えています。
ブランドヒストリー
レアンダーの物語は、1998年、一人の職人の家族への想いから始まりました。鍛冶職人としての訓練を受け、かねてより椅子や自転車、ベビーカーの開発に携わっていたスティッグ・レアンダーは、双子を授かった義妹のために「一方の赤ちゃんに授乳している間に、もう一方を安心させることのできるゆりかご」の構想を抱きました。
段ボール、接着剤、糸といった身近な素材を使い、手と目で形を探り続けたスティッグは、やがて母親の胎内を想起させるような穏やかな揺れを生み出すハンギングクレードルを完成させます。このクレードルは赤ちゃんの自然な動きに反応してゆるやかに揺れ、その心地よい振動が眠りを誘うという、デザインと機能における革新でした。
完成から一年も経たないうちに、このクレードルはデンマーク国内の有力専門店に並び、たちまち注目を集めます。以降、レアンダーは製品ラインを着実に拡充し、ベビーベッド、ハイチェア、チェスト、ワードローブ、チェンジングテーブルなど、子育てのあらゆる場面を支える家具を世に送り出してきました。
2023年には創業25周年を迎え、記念カラーのMatty™チェンジングマット(モカ)を発表。デンマーク王室のフレデリク皇太子(現国王)とメアリー皇太子妃が双子の王子・王女のためにレアンダーのベッドを選んだことでも知られ、「ロイヤルクオリティ」と称されるその品質は、四半世紀を経てなお世界中の家族に愛され続けています。
主なプロダクトライン
Classic™(クラシック)シリーズ
レアンダーの原点であり、ブランドを象徴するシリーズです。角のない有機的な曲線と彫刻的なフォルムが特徴で、クレードル、コンバーチブルベビーベッド、ハイチェア、チェスト、ワードローブで構成されています。ソリッドビーチウッドの滑らかな曲面は、子どもを優しく包み込む安心感と、インテリアにおける美的な存在感を両立させています。特にハンギングクレードルは、天井または専用スタンドから吊り下げる独創的な構造で、赤ちゃんの動きに呼応する自然な揺れが感覚の発達とバランス感覚の養成を促します。欧州で複数のデザイン賞を受賞したクラシックベビーベッドは、スティッグ自身が絶えず改良を重ね、塗装技術の向上やアクセサリーの充実、通気性を重視したマットレスコンセプトの刷新など、現在も進化を続けています。
Linea™(リネア)シリーズ
都市生活者のためにデザインされたコンテンポラリーラインです。シャープなラインとソリッドオーク材の温もりが調和し、北欧モダンインテリアとの高い親和性を持っています。ベビーベッド、チェスト、チェンジングテーブルで構成され、ベビーベッドはバーを片側取り外すことでジュニアソファベッドとしても使用可能です。クラシックの柔らかな曲線とは対照的な、端正で洗練されたデザインが都会的なライフスタイルに調和します。
Luna™(ルナ)シリーズ
クラシック・ノルディックスタイルに軽やかな「浮遊感」を加えた比較的新しいシリーズです。独立したフレーム構造の脚部が家具を宙に浮いているかのように見せ、空間に開放感をもたらします。ソリッドオーク材とラッカー仕上げのビーチ材を組み合わせ、ベビーベッド、チェスト、ワードローブのラインナップを展開。チェストにはソフトクローズ機構を採用し、幼い子どもの指の安全に配慮しています。レザーハンドルは交換可能で、色や素材を変えることで個性的なカスタマイズも楽しめます。
Wally™(ウォリー)壁掛けチェンジングテーブル
しずくの形からインスピレーションを得た壁掛け式チェンジングテーブルは、機能美の極致ともいえる製品です。使用しないときは壁面に畳んで収納でき、限られた空間を最大限に活用できるミニマルなデザインが現代の住空間に適しています。表面素材には肌の感触を模した認証済みPURフォームを使用し、室温に馴染む温かさが赤ちゃんに安心感を与えます。撥水性に優れた継ぎ目のない構造は衛生面でも優れており、ドイツデザインアワード2021を受賞するなど国際的にも高い評価を獲得しています。
ハイチェア(Classic™ / Louie™)
レアンダーのハイチェアは、ブランドの設計思想を最も凝縮した製品の一つです。クラシックハイチェアは、ヨーロッパビーチ材の滑らかな曲線で構成され、着座時にわずかに前後にしなる独自の構造が特徴です。このしなやかな弾力性は、子どもの動きを吸収し、まるで親の膝の上にいるかのような安心感をもたらすとともに、身体感覚の発達を促すとされています。座面、足置き板、背もたれの高さは細かいピッチで12段階に調整可能。耐荷重125kgの堅牢な設計により、生後6カ月の乳児から成人まで、文字通り一生涯使い続けることのできる椅子です。重量は約5.1kgと軽量ながら、ハの字に広がる脚部が優れた安定性を実現しています。日本では星野リゾートでの採用実績も話題となりました。
2024年に登場したLouie™(ルーイー)ハイチェアは、クラシックの設計思想を継承しつつ、現代の家族のニーズに合わせて進化した新シリーズです。新生児用シートのオプションにより、誕生直後からダイニングテーブルの傍に赤ちゃんの居場所を設けることが可能になりました。
Matty™(マティ)チェンジングマット
高い側面で赤ちゃんの転落を防止し、撥水性のあるPURフォーム素材により衛生的に使用できるチェンジングマットです。継ぎ目のない構造で細菌の温床となる隙間がなく、軟化剤を含まない安全な素材を使用しています。柔らかく抑えたトーンのカラーバリエーションが、モダンな育児空間を彩ります。2023年の25周年を記念して、モカカラーが新たに加わりました。
デザイナー ― スティッグ・レアンダー(Stig Leander)
スティッグ・レアンダーは、レアンダーの創業者にして、全製品のデザインを一手に担うデザイナーです。鍛冶職人としての訓練を受けた異色の経歴の持ち主であり、その匠の技と素材への深い理解が、レアンダーの製品に唯一無二の品質をもたらしています。
スティッグの創作手法は極めて独特です。コンピュータも画用紙も使わず、段ボール、接着剤、木材を手に取り、自らの手と目で家具の形を探り出していきます。その姿はデザイナーというよりも彫刻家やアーティストに近く、素材の可能性と制約を身体感覚で捉える卓越した能力の持ち主です。
スティッグのデザインは常に「必要性」から出発します。実際に家具を使う子どもや親の立場に立ち、その人が何を必要としているか、家具がどのようにその必要性に応えうるかを徹底的に考え抜きます。職人気質の探究心と、子どもの世界を見つめる温かな眼差し。この二つが交わるところに、レアンダーのデザインは生まれています。
基本情報
| ブランド名 | Leander(レアンダー) |
|---|---|
| 創業年 | 1998年 |
| 創業者 / デザイナー | スティッグ・レアンダー(Stig Leander / Stig Leander Nielsen) |
| 本社所在地 | デンマーク・シルケボー(Silkeborg, Denmark) |
| 事業内容 | ベビー・キッズ家具、テキスタイル、アクセサリーの企画・製造・販売 |
| 主なプロダクトライン | Classic™ / Linea™ / Luna™ / Wally™ / Matty™ / Louie™ |
| 主な素材 | ヨーロッパビーチ(ブナ)、オーク材、PURフォーム、オーガニックコットン、レザー |
| 生産拠点 | ヨーロッパ各地の長期パートナー工場 |
| 展開国数 | 40カ国以上 |
| 安全認証 | 欧州安全規格EN14988、EN71-3準拠 / TÜV SÜD認証 |
| 主な受賞歴 | ドイツデザインアワード2021(Wally™)ほか、欧州各国のデザイン賞多数 |
| 日本公式サイト | https://www.leander-japan.com/ |
| 公式サイト(グローバル) | https://leander.com/ |