このページについて
エヴァ・チェアは、ブルーノ・マットソンが1930年代に設計した椅子である。座面と背もたれに帯を織ったものか革を用いる。製造元が2社あり、寸法が異なる。
このページでは、製造元による寸法の違い、座面の素材の選択、帯の張り替え、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。
ブルーノ・マットソンの設計思想や経歴について詳しくはブルーノ・マットソン プロフィールページをご覧ください。
エヴァ・チェアのデザインストーリーについて詳しくはエヴァ・チェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
エヴァ・チェアは、マットソンの父カール・マットソンが営む家具メーカー Firma Karl Mathsson社から発表された。その後DUX社も製造・販売を手がけるようになり、現在はBruno Mathsson International社およびDUX社が製造を担っている。スウェーデン・ヴァルナモの工房では、曲げ積層技術と手作業のウェビング編みによる製造が続けられている。日本では天童木工がマットソンと協働し、日本の住環境に適応したMシリーズを1976年より製造している。
| 正式名称 | エヴァ・チェア |
|---|---|
| 製造ブランド | 2社が製造する。スウェーデンの製造元と、日本の製造元による |
| フレーム素材 | 曲げて積層したブナ材 |
| 座面・背もたれ | 手で織った帯、または革から選ぶ |
| サイズ(スウェーデンの製造元) | 幅約490 × 奥行約720 × 高さ約800mm。座面の高さ約370〜430mm |
| サイズ(日本の製造元) | 幅約620 × 奥行約750 × 高さ約680mm、座面の高さ約370mm。仕様によって異なる |
| 重量 | 約6〜8kg。仕様によって異なる |
| 価格 | 両社とも公式サイトで製品情報を公開している(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は取扱店により異なる |
| 中古の流通 | 中古の個体も流通する。価格は状態、年代、仕様によって幅がある。一定していない |
| 収蔵 | MoMA エヴァ チェア(T101 モデル41、1934年) 収蔵番号 227.1944 |
製造元による寸法の違い
2社が製造する。寸法が異なる。
| 比較項目 | スウェーデンの製造元 | 日本の製造元 |
|---|---|---|
| 幅 | 約490mm | 約620mm |
| 奥行 | 約720mm | 約750mm |
| 高さ | 約800mm | 約680mm |
| 座面の高さ | 約370〜430mm | 約370mm |
幅に130mm、高さに120mmの差がある。設置場所と座り心地の両方に関わる。
日本国内では後者のほうが入手しやすい。取扱店に確認する。
選び分けの目安
- 置き場所から決める場合
- 幅に130mmの差がある。設置場所を確かめる。
- 入手のしやすさを考える場合
- 日本国内では後者のほうが入手しやすい。
- 座り心地で選ぶ場合
- 高さと座面の高さが異なる。実物で確かめられるとよい。
座面の素材の選択
手で織った帯と革から選ぶ。座面と背もたれが連続する構成にあたる。
帯は使用によって伸びる。座った際の沈み方が変わる。
革は使用によって色と質感が変わる。乾燥すると硬くなる。
いずれも張り替えの際は業者による作業になる。対応の可否を確かめる。
選び分けの目安
- 座り心地で選ぶ場合
- 帯は沈む。革とは異なる。実物で確かめられるとよい。
- 経年での変化を考える場合
- 帯は伸び、革は色と質感が変わる。
- 長く使う前提の場合
- 張り替えは業者による作業になる。対応の可否を確かめる。
帯の張り替え
帯は使用によって伸びる。座面が沈む度合いが変わる。
張り替えは業者による作業にあたる。手で織った帯を用いるため、同じ素材が入手できるかも確かめる。
枠は曲げて積層した木による。帯を張り替える際も枠は残る。
中古の個体では、張り替えられているかを確認する。当初の帯とは風合いが異なる場合がある。
選び分けの目安
- 長く使う前提の場合
- 帯は伸びる。張り替えの対応を確かめる。
- 中古を検討する場合
- 張り替えられているかを確認する。風合いが異なる場合がある。
- 素材を確かめる場合
- 手で織った帯による。同じ素材が入手できるかを確かめる。
同種の椅子との比較
椅子は座面の素材と張り替えの条件で性格が分かれる。
| 比較項目 | エヴァ | ニールス・O・モラー モデル75 | パシャ ラウンジチェア |
|---|---|---|---|
| 座面 | 織った帯または革 | 紙紐または張地 | 張地 |
| 座面の高さ | 約370〜430mm | 440mm | 370mm |
| 枠 | 曲げて積層した木 | 無垢材 | 曲げた合板と台 |
| 張り替え | 業者による作業 | 編み直しまたは交換 | 業者による作業 |
| 製造元 | 2社(寸法が異なる) | 1社 | 1社 |
選び分けの目安
- 寸法を確かめる場合
- 製造元によって異なる。1社のみの製品とは条件が異なる。
- 座り心地で選ぶ場合
- 帯が沈む。紙紐やフォームとは異なる。
- 張り替えを想定する場合
- 業者による作業になる。素材の入手も確かめる。
使用感と設置条件
枠の形状
曲げて積層した木による。座面と背もたれが連続する曲線を描く。
奥行が700mmを超える。背もたれが後ろに傾くためである。設置場所を確かめる。
重量
約6〜8kg。片手で持ち上げられる範囲にあたる。
置き場所を変えられる。仕様によって重量が異なる。
床との関係
脚は木のため、床に接する箇所も木による。床材によっては傷が付く。
椅子は繰り返し動かすため、保護材の要否を確かめる。
経年変化とメンテナンス
素材ごとに起きること
ブナ材の枠は日光で色が変わる。積層した層の境目が見える場合がある。
帯は使用によって伸びる。日光で色褪せる。
革は使用によって色と質感が変わる。乾燥すると硬くなる。
枠は湿度の変化で伸縮する。急な乾燥は割れを招く。
日常の手入れ
- 帯の座面
- 埃を払う。水分を残さない。強く擦らない。
- 革の座面
- 乾いた柔らかい布で拭く。水分をすぐに拭き取る。
- 枠
- 乾いた布で拭く。床に接する箇所の状態も確かめる。
- 置き場所
- 直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。帯の色褪せと木部の割れが進む。
修理と部品
帯と革の張り替えについては、取扱店を通じて相談する。業者による作業になる。
枠の補修もあわせて確認する。
どこで買うか
取扱店の調べ方
両社とも公式サイトで製品情報を公開している。日本国内では日本の製造元による仕様のほうが入手しやすい。取扱店に確認する。
寸法が製造元によって異なる。購入前に確かめる。
実物を確認する
帯の沈み方は、実際に座って確かめられるとよい。
製造元による寸法の違いも現物で分かる。
中古の流通
相場は状態、年代、仕様によって幅がある。一定していない。
確認箇所は、帯の伸びと色褪せ、革の乾燥、枠の割れと接合部、張り替えられているかである。
購入前チェックリスト
- 製造元によって寸法が異なること(幅に130mmの差)
- 置き場所(奥行が700mmを超える)
- 座面の素材(織った帯/革)
- 帯は使用によって伸びること
- 張り替えが業者による作業になること
- 座面の高さと組み合わせる用途
- 木の脚が床に接すること
- 中古の場合、張り替えられているか
よくある質問
- 価格はどのくらいですか?
- 両社とも公式サイトで製品情報を公開しています(2026年8月19日確認)。日本国内の価格は取扱店により異なります。製造元と仕様で価格が変わります。
- どこで購入できますか?
- 2社が製造しており、日本国内では日本の製造元による仕様のほうが入手しやすくなります。取扱店にご確認ください。
- 製造元によって違いはありますか?
- 寸法が異なります。スウェーデンの製造元は幅約490×奥行約720×高さ約800mm、日本の製造元は幅約620×奥行約750×高さ約680mmで、幅に130mm、高さに120mmの差があります。
- 座面の素材は選べますか?
- 手で織った帯と革から選べます。帯は使用によって伸びて座った際の沈み方が変わり、革は使用によって色と質感が変わります。
- 帯は張り替えられますか?
- 業者による作業になります。手で織った帯を用いるため、同じ素材が入手できるかもお確かめください。枠は曲げて積層した木で、帯を張り替える際も残ります。
- 設置に必要な寸法を教えてください。
- 製造元によって異なりますが、いずれも奥行が700mmを超えます。背もたれが後ろに傾くためです。設置場所をお確かめください。
- 収蔵されている美術館はありますか?
- ニューヨーク近代美術館が収蔵しています(エヴァ チェア T101 モデル41、1934年、収蔵番号227.1944)。
- 手入れはどうすればよいですか?
- 帯の座面は埃を払い、水分を残さず強く擦らないでください。革の座面は乾いた柔らかい布で拭き、水分をすぐに拭き取ってください。直射日光は帯の色褪せを進めます。