CH337 ダイニングテーブルが長く愛される理由

1962年にハンス J. ウェグナーがデザインし、以来60年以上にわたりカール・ハンセン&サンにより生産が続けられているCH337ダイニングテーブル。楕円形の無垢材天板と優美なテーパードレッグが織りなすその造形は、デンマークモダンを代表する一台として、世界中のデザイン愛好家から支持を集めている。

ウェグナーの設計意図は明快であった。限られた空間にも自然に収まりながら、来客時には伸長板を加えることで最大8人の会食に対応する——日常と祝祭、双方の食卓に応えうる合理的な美しさの追求である。

本ページでは、CH337の購入を検討されている方に向けて、正規品の仕様・サイズ・素材の詳細、類似テーブルとの比較、使用感と暮らしへの取り入れ方、経年変化とメンテナンス、正規販売店情報、コーディネート事例、そしてよくある質問まで、購入判断に必要な情報を網羅的にお伝えする。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

CH337の正規品はすべてデンマークのカール・ハンセン&サン社の工房で製造される。FSC認証を受けた持続可能な森林から調達された無垢材を使用し、熟練の職人の手で一台ずつ仕上げられている。

正式名称 CH337 ダイニングテーブル / CH337 Dining Table
デザイナー Hans J. Wegner(ハンス J. ウェグナー) / デンマーク / 1914–2007
デザイン年 1962年
製造ブランド Carl Hansen & Søn(カール・ハンセン&サン)
製造国 デンマーク
主要素材 オーク材、ウォールナット材、マホガニー材、ビーチ材(すべてFSC™認証材)
仕上げの選択肢 オイル仕上げ、ホワイトオイル仕上げ、ソープ仕上げ、ラッカー仕上げ、スモークドオイル仕上げ
サイズ(標準時) W1400×D1150×H720mm
サイズ(伸長板1枚) W2000×D1150×H720mm
サイズ(伸長板2枚) W2600×D1150×H720mm
天板厚み 25mm
幕板までの高さ 635mm
脚間距離 740×700mm
伸長板サイズ W600×D1150mm(別売り・最大2枚装着可)
着座人数 4人(標準)/ 6人(+1枚)/ 8人(+2枚)
カラーバリエーション 樹種と仕上げの組み合わせにより多数(オーク×オイル、オーク×ホワイトオイル、マホガニー×オイル、ウォールナット×オイル 等)
参考価格帯(税込目安) 本体 約¥464,200〜¥845,900(素材・仕上げにより異なる)/ 伸長板 約¥125,400/枚〜
付属品 メンテナンスのご案内・商品取扱説明書(伸長板・追加脚は別売り)
組み立て 天板部と脚部の組み立てが必要
保証 最長5年間(構造体5年 / 機構部・可動部2年 / 外装・仕上げ1年)

類似商品・競合との比較

CH337と同価格帯・同カテゴリの伸長式ダイニングテーブルとの比較を通じて、それぞれの特徴と選び方の指針を示す。

比較対象

Carl Hansen & Søn CH006(ハンス J. ウェグナー / 1982年)
同じウェグナーによる三本脚の円形伸長式テーブル。直径1380mmの円形天板を半円に開いて伸長する独創的な機構を持つ。円形テーブルならではの民主的な座席配置が特徴で、少人数での親密な食事に向く。楕円形で直線的な空間構成に適するCH337とは対照的な選択肢となる。
Fritz Hansen アナログテーブル(ハイメ・アジョン / 2014年)
スペイン出身のデザイナー、ハイメ・アジョンがフリッツ・ハンセンのためにデザインした有機的なフォルムのダイニングテーブル。積層合板の天板と無垢材の脚を組み合わせた現代的な構成で、遊び心のある柔らかな造形が特徴。伸長機能は持たないが、彫刻的な美しさと空間の主役となる存在感を求める方に適する。
PP Møbler PP70/126(ハンス J. ウェグナー / 1975年)
ウェグナーがPPモブラーのためにデザインした伸長式テーブル。蝶番式の天板を折りたたむユニークな伸長機構と、無垢材の美しい木目が特徴。CH337と同じく北欧モダンの正統派でありながら、より職人的・工房的な佇まいを持つ。希少性が高く、入手に時間を要する場合がある。

選び方の指針

日常4人から最大8人までの柔軟な運用を求め、北欧モダンの端正な佇まいを好む方にはCH337が最適である。円形テーブルの民主的な空間づくりを重視する方はCH006を、現代的で彫刻的な存在感を求める方はアナログテーブルを、より工房的な希少性に価値を見出す方はPP70を検討されたい。

比較項目 CH337(カール・ハンセン&サン) CH006(カール・ハンセン&サン) アナログテーブル(フリッツ・ハンセン)
デザイナー ハンス J. ウェグナー ハンス J. ウェグナー ハイメ・アジョン
天板形状 楕円形 円形 有機的な不定形
伸長機能 あり(最大2枚) あり(中央折りたたみ式) なし
素材 無垢材(オーク/ウォールナット/マホガニー等) 無垢材(ビーチ/オーク等) 積層合板天板+無垢材脚
標準時サイズ W1400×D1150mm φ1380mm W1850×D1050mm
デザインの方向性 端正・正統派北欧モダン 民主的・親密な円卓 現代的・彫刻的
参考価格帯 約46万〜85万円 約45万〜70万円 約50万〜80万円

使用感と暮らしへの取り入れ方

テーブルとしての使用感

CH337の天板は幅1400mm×奥行1150mmと、4人掛けとしてゆとりのあるサイズを確保している。楕円形の天板は角がないため、座る位置の自由度が高く、コーナーを気にせずチェアを配置できるという利点がある。幕板までの高さは635mmで、一般的なダイニングチェアとの相性は良好である。

天板高さ720mmは日本の住環境においても標準的なダイニング高であり、食事や書き物、ノートパソコンの使用など多用途に適する。ただし、無垢材の天板はウレタン塗装のテーブルと異なり、水気のあるコップや食べこぼしがシミの原因となる場合がある。この点について神経質な方は、ランチョンマットやコースターの併用を心がけるか、汚れに強いラッカー仕上げを選択するとよいだろう。

伸長機構の操作は、天板中央を左右に引き分けて伸長板を載せるシンプルな方式で、大人二人で無理なく行える。伸長板を1枚加えるとW2000mmとなり6人掛けに、2枚加えるとW2600mmで8人掛けに対応する。

空間別のコーディネート提案

リビング・ダイニング一体型の空間
標準サイズW1400mmは、リビングとダイニングが一体となった空間でも圧迫感なく収まる。楕円形のフォルムが空間に柔らかさをもたらし、動線を妨げにくい。ウェグナーのCH24(Yチェア)やCH20エルボーチェアとの組み合わせはブランドの統一感が生まれる。
独立したダイニングルーム
十分な広さのある独立したダイニングでは、伸長板を常時装着した状態で使用することも選択肢となる。W2000mm以上のサイズは、花器やキャンドルスタンドを中央に配しても余裕のある食卓を実現する。
書斎・ワークスペース
奥行1150mmの広い天板は、書類やモニターを並べるワークデスクとしても優れた機能を発揮する。天板の美しい木目は、仕事空間に温かみと上質感を与える。

生活スタイル別の提案

二人暮らし・カップル
標準サイズで日常はゆったりと使い、友人を招く際に伸長板を加えるスタイルが理想的。コンパクトな住居にも対応しやすい。
小さなお子様のいるファミリー
角のない楕円形天板は、小さなお子様の安全面でも利点がある。成長に合わせて伸長板を追加し、テーブルサイズを段階的に拡張できる。ただし、無垢材の汚れ・シミへの対策としてランチョンマットの使用を推奨する。
来客の多い家庭
伸長板を2枚使用すればW2600mmとなり、8人までの会食に対応。日常はコンパクトに、おもてなし時は広々と、一台で二つの表情を持てることがCH337の大きな魅力である。

経年変化とメンテナンス

素材ごとの経年変化

オーク材
使い込むほどに蜂蜜色から深みのある飴色へと変化し、木目のコントラストがより豊かな表情を見せるようになる。北欧家具の定番素材として長い歴史を持ち、堅牢で日常使いに最も適した選択肢である。
ウォールナット材
深い濃褐色が年月とともにやや明るく穏やかな色調へ変化し、独特の気品を帯びる。重厚感のある空間づくりに適する。
マホガニー材
赤みを帯びた独特の色調が、光と時間の経過とともにさらに深い赤褐色へと育っていく。クラシックな空間に格別の風格をもたらす。

日常メンテナンスの方法

オイル仕上げ・ソープ仕上げの場合
日常は乾いた柔らかい布で乾拭きし、汚れが気になる場合は固く絞った布で水拭きした後、すぐに乾拭きする。水分を長時間放置しないことが重要である。定期的なメンテナンスとして、オイル仕上げの場合は年に1〜2回、専用の家具用オイルを薄く塗布して仕上げ直す。ソープ仕上げの場合は、専用のソープフレークを溶かした液で定期的に洗浄する。
ラッカー仕上げの場合
塗膜があるため水拭きが可能で、日常のメンテナンスは最も容易である。ただし木の自然な手触りは得られない。
シミ・汚れの対処
軽度の汚れはラッカーシンナー等で除去を試み、それでも取れない場合は400番手のサンドペーパーで軽く研磨する。その後、該当する仕上げ(オイルまたはソープ)で部分的に仕上げ直す。部分処理では周囲との色差が生じる場合があるため、気になる場合は天板全体を軽く研磨し仕上げ直すことが推奨される。

パーツ交換・修理

カール・ハンセン&サンは正規品に対して最長5年間の保証を提供している(構造体5年、機構部・可動部2年、外装・仕上げ1年)。修理対応はカール・ハンセン&サンジャパンの判断によるものとなり、部品によっては輸入に4〜5ヶ月を要する場合がある。日常的な仕上げ直し(オイル塗布・ソープ洗浄・軽微な研磨)は使い手自身で行うことが推奨されており、カール・ハンセン&サンは環境保全の観点から自然仕上げでの長期使用を推奨している。

どこで買うか:正規販売店と購入方法

国内正規販売ルート

カール・ハンセン&サン公式オンラインストア
carlhansen.com の日本語サイトから直接購入が可能。全バリエーションを閲覧でき、送料・保証条件も明確に記載されている。
正規販売店(実店舗)
ザ・コンランショップ、CONNECT、グリニッチ(greeniche)、アクタス、大塚家具など、国内各地の正規ディーラーで取り扱いがある。実物を確認し、素材や仕上げのサンプルを手に取って比較したい場合は実店舗の訪問を推奨する。
カール・ハンセン&サンジャパン ショールーム
東京都渋谷区千駄ヶ谷にカール・ハンセン&サンジャパンのオフィスがあり、製品についての問い合わせに対応している。

中古・ヴィンテージ市場

CH337は現行生産品であるため、新品の正規ルートでの購入が基本となる。中古市場への流通は少ないが、転居や買い替えに伴い中古品が出回ることがある。中古品を検討する場合は、天板の状態(シミ・傷・反り)、脚部の接合状態、伸長機構の動作確認を念入りに行い、正規品であることの確認(シリアルナンバー、ブランド刻印等)を徹底されたい。

購入時チェックリスト

  • 正規品であることの確認(ブランド刻印、シリアルナンバー、保証書の有無)
  • 素材と仕上げの選択(オーク/ウォールナット/マホガニー × オイル/ソープ/ラッカー等)
  • 伸長板の要否と枚数の決定(別売り・後から追加購入不可の場合あり)
  • 設置場所の実測(標準時W1400×D1150mm+チェア引き代として各方向600mm以上を確保)
  • 搬入経路の確認(天板サイズW1400×D1150mm、エレベーター・玄関・廊下の幅を確認)
  • 納期の確認(受注生産品のため、発注から3〜5ヶ月程度を要する場合がある)
  • 配送・設置方法の確認(組み立てが必要、大型家具のため配送業者との調整を事前に行う)
  • 保証内容の確認(構造体5年、機構部2年、外装1年)

配送・設置に関する注意事項

CH337は天板部と脚部が分離した状態で梱包されるため、到着後に組み立てが必要となる。大型の無垢材テーブルであるため、配送時に搬入経路(エレベーター、階段、玄関、廊下等)の寸法を事前に確認することが重要である。特にマンションの場合は、共用部分の養生や搬入時間帯の制限がある場合があるため、管理組合への事前確認を推奨する。海外からの輸送品であるため、梱包材に微細な傷や擦れが生じている場合があるが、これは輸送上の特性であり製品の品質には影響しない。

コーディネート事例

北欧モダンスタイル

CH337の最も王道的なコーディネートは、同じカール・ハンセン&サンの椅子群との組み合わせである。CH24(Yチェア)は最も定番の組み合わせとして知られ、ウェグナー自身が目指したであろう統一感のある食卓を実現する。CH20エルボーチェアやCH88Tチェアを混在させるミックススタイルも、いずれも同じデザイン言語に基づくため違和感なく調和する。床材はオーク系のフローリング、照明はルイスポールセンのPH5などが相性に優れる。

ジャパンディスタイル(北欧×和)

CH337の簡潔な造形は、日本の住空間とも高い親和性を示す。畳の小上がりに隣接するダイニングに配し、和紙の照明やイサム・ノグチのAKARIシリーズと組み合わせることで、北欧と日本の美意識が融合した空間が生まれる。ウォールナット材のCH337は、日本の木造建築の温かみある色調とも好相性である。

コンテンポラリーミックススタイル

オーク材のCH337をベースに、異なるブランド・時代の椅子を合わせるミックスコーディネートも洗練された空間を生む。フリッツ・ハンセンのセブンチェア(アルネ・ヤコブセン)やグランプリチェア、あるいはヴィトラのスタンダードチェア(ジャン・プルーヴェ)など、デザイン史上の名作チェアをあえて異なるテイストで組み合わせることで、個性的で奥行きのあるダイニングシーンが展開できる。

広さ別の配置ガイド

8畳程度のダイニング
標準サイズ(W1400mm)で配置し、チェア引き代を含め約W2600×D2350mmのスペースを確保する。伸長板は来客時のみ使用する運用が現実的である。
10〜12畳のリビングダイニング
標準サイズでゆとりある配置が可能。壁面から離してアイランド的に配置すると、楕円形天板の美しいシルエットが際立つ。
14畳以上の独立ダイニング
伸長板を常時装着したW2000mm以上での使用も可能。チェアを6〜8脚配置し、正式なダイニングルームとしての格式ある空間を構成できる。

よくある質問

CH337の正規品の価格はどのくらいですか?
素材と仕上げの組み合わせにより異なりますが、参考価格(税込目安)はオーク材ホワイトオイル仕上げで約¥464,200、オーク材オイル仕上げで約¥522,500、マホガニー材オイル仕上げで約¥643,500、ウォールナット材オイル仕上げで約¥845,900です。伸長板は1枚あたり約¥125,400〜(素材・仕上げにより異なる)で別売りとなります。価格は改定される場合がありますので、最新の情報は正規販売店またはカール・ハンセン&サン公式サイトでご確認ください。
どこで購入できますか?
カール・ハンセン&サン公式オンラインストア(carlhansen.com)のほか、ザ・コンランショップ、CONNECT、グリニッチ、アクタスなどの国内正規販売店で購入可能です。正規販売店であれば、メーカー保証(最長5年間)が適用されます。
実物を確認できる場所はありますか?
上記の正規販売店の実店舗にて展示品を確認できます。ただし、店舗ごとに展示状況は異なりますので、訪問前に在庫・展示の有無をお問い合わせされることを推奨します。素材や仕上げのサンプルを直接比較したい場合は、取扱品目の多い大型店舗の訪問が効果的です。
注文してからどのくらいで届きますか?
CH337は受注生産品のため、素材や仕上げの組み合わせによっては発注からお届けまで3〜5ヶ月程度を要する場合があります。メーカー在庫がある場合は2〜3週間程度で出荷可能なケースもあります。詳細な納期は注文時に正規販売店にご確認ください。
オイル仕上げとソープ仕上げ、どちらを選ぶべきですか?
一般的には、合わせる椅子の仕上げに揃えるケースが多く見られます。オイル仕上げは木の質感を活かしつつ適度な保護効果があり、経年で深い色合いに育ちます。ソープ仕上げはより明るくナチュラルな色味を保ち、北欧の伝統的な仕上げとして人気です。いずれもシミや汚れは生じ得ますが、ご自身で研磨・再仕上げが可能です。水分に対して極度に神経質な方には、塗膜のあるラッカー仕上げが適しています。
伸長板は後から追加購入できますか?
伸長板(CH337I)は別売りで最大2枚まで装着可能です。ただし、販売店によっては後からの追加購入に対応できない場合がありますので、将来的に伸長板を使う可能性がある方は、テーブル本体と同時に購入されることを推奨します。なお、同ロットの木材から製作されるのは1枚のみとなるため、2枚目は木目に若干の差異が生じる場合があります。MDFの伸長板(グレーまたはブラック)も選択肢として用意されています。
日常のメンテナンスはどのように行えばよいですか?
日常は柔らかい乾いた布での乾拭きを基本とし、汚れがある場合は固く絞った布で軽く水拭きした後、すぐに乾拭きしてください。オイル仕上げの場合は年に1〜2回、専用の家具用オイルを薄く塗布します。シミが付いた場合は、ラッカーシンナーでの拭き取りや400番手のサンドペーパーでの軽い研磨で除去し、仕上げ直すことが可能です。
他に検討すべき名作ダイニングテーブルはありますか?
ウェグナーによる同シリーズのCH338(W2000mm・中型)やCH339(W2400mm・大型)は、より広い空間や大人数での使用に適しています。同じカール・ハンセン&サンの円形伸長式テーブルCH006も人気の高い選択肢です。他ブランドでは、フリッツ・ハンセンのアナログテーブル(ハイメ・アジョン)やスーパー楕円テーブル(ピート・ハイン&ブルーノ・マットソン)、PPモブラーのPP70(ウェグナー)なども、デザイナーズダイニングテーブルの名作として広く知られています。詳しくは各商品の購入ガイドもあわせてご参照ください。