概要

ウルス・ポレール アームチェアは、ジャン・ロワイエールが1947年に手がけたアームチェアである。名称はフランス語で「北極熊」を意味する。構造材を表に出さず、丸みのある面だけで輪郭が決まる。1947年から1967年にかけて製作された。

特徴・コンセプト

構造を覆い隠す

脚も肘掛けの支柱も外に現れない。厚く重ねた詰め物と張り地が構造を包み込むため、椅子の輪郭は一続きの曲面になる。骨組みを見せる構成では部材の太さが形を決めるが、覆ってしまえば形は詰め物の付け方で決まる。

背もたれから肘掛けへ切れ目なくつながる曲線は、この構成によって成り立っている。

張りに手間がかかる

フレームにはオーク材やウォールナット材が用いられ、曲げた木で曲線をつくる。その上にフォームを重ね、モヘアやウールベルベットの張り地で覆う。曲面が多いため、平面を張る場合と違って布が余りやすく、仕立てには手作業を要する。

エピソード

1947年、ロワイエールは母親のパリのアパルトマン(フォーブール・サントノレ通り234番地)の改装に際して、まずソファを制作した。その後、同じ構成のアームチェアが加わっている。

評価と影響

正規の再生産が行われておらず、流通するのは製作当時の個体に限られる。1947年から1967年にかけて、3点セット、ソファ、アームチェアのペアがそれぞれ約150ずつ製作されたとされる。

構造を覆って面だけで輪郭を決める方向は、同時期のフランスではジン・テーブルにも見られる。ジンがフォームとストレッチ素材で面をつくるのに対し、こちらは厚い詰め物と毛足のある張り地による。

このアームチェアの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。

基本情報

名称 ウルス・ポレール アームチェア / Ours Polaire Armchair
デザイナー ジャン・ロワイエール(Jean Royère)
発表年 1947年
製作期間 1947年〜1967年
デザインの成立国 フランス
分類 アームチェア
構造 構造材を表に出さず、詰め物と張り地で輪郭を決める
主要素材 フレーム:オーク材またはウォールナット材/張り地:モヘア、ウールベルベット/詰め物:フォーム
サイズ 幅約98cm × 奥行約94cm × 高さ約74cm、座面高約42cm(手仕事のため個体差がある)
生産状況 正規の再生産なし

Reference