概要

CH25は、ハンス・J・ウェグナーが1950年に発表したラウンジチェアである。座面と背もたれにペーパーコードを手編みで張り、オーク材のフレームと組み合わせる。ウェグナーがカール・ハンセン&サンとの協働を始めた最初期の一脚で、発表以来生産が続いている。

特徴・コンセプト

ペーパーコードで座と背を覆う

ペーパーコードは、第二次世界大戦中に海草(シーグラス)の代替として用いられるようになった素材である。ウェグナーはこれを座面だけでなく背もたれにも用い、椅子の大部分を編み込みで覆った。2本のコードを同時に使う編み方により、結び目が表に出ず、背もたれの両面に同じ模様が現れる。背面から見ても仕上がりが整うため、部屋の中央に置ける。

編んだ面は荷重に応じてたわみ、詰め物を用いずに身体を受け止める。硬い板を張れば得られない沈み込みが、素材そのものから生まれている。

前脚が二つの役割を持つ

前脚は独特の断面を持ち、体重の大部分を支えると同時に、アームレストの支柱を兼ねる。座面は前脚から吊り下げられるような構造をとり、編み込みが途切れずに座面全体を包む。後脚は座面のフレームから連続して伸び、レールと面一に仕上げられる。部材の役割を重ねることで、接合部の数を減らしている。

低い座面

座面高は350mmで、ダイニングチェアより低い。背もたれの傾斜とあわせて、身体を預ける姿勢に向く。幅広のアームレストは、低い座面から立ち上がる際の支えにもなる。幅710mm、奥行730mmという寸法は、ラウンジチェアとしては小ぶりである。

エピソード

1949年、当時まだ広く知られていなかったウェグナーに声をかけたのは、創業者カール・ハンセンの息子ホルガー・ハンセンであった。協働を始めた最初の時期に、ウェグナーはCH22、CH23、CH24(Yチェア)、CH25を含む一連の椅子を設計している。この時期に生まれた椅子群が、カール・ハンセン&サンの方向を決めることになった。

ペーパーコードを椅子の主要素材に用いるという判断は、当時まだ家具用素材としての評価が定まっていなかったため議論を呼んだ。伸びにくく耐久性に優れるという性質は、その後の生産の継続によって裏づけられている。

評価と影響

ペーパーコードを家具に採り入れた早い例として知られる。同じ素材はニールス・O・モラー モデル75など、デンマークの他の椅子にも広く用いられるようになった。フレームはオーク材とウォールナット材から選べ、仕上げはソープ、オイル、ホワイトオイル、ラッカーなどが用意される。ペーパーコードはナチュラルとブラックがある。

基本情報

名称 CH25 ラウンジチェア / CH25 Lounge Chair
デザイナー ハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)
ブランド カール・ハンセン&サン(Carl Hansen & Søn)
発表年 1950年
デザインの成立国 デンマーク
分類 ラウンジチェア
主要素材 フレーム:オーク材またはウォールナット材/座面・背もたれ:ペーパーコード(ナチュラルまたはブラック)
サイズ 幅71cm × 奥行73cm × 高さ73cm、座面高35cm
仕上げ オーク:ソープ/オイル/ホワイトオイル/ラッカー/ブラック塗装、ウォールナット:オイル/ラッカー
編み方 2本のコードを同時に用い、結び目が表に出ない

Reference