紙を撚り合わせて紐状にした素材。椅子の座面や背もたれを編むために用いる。20世紀に安価な座面材として広まり、戦後のデンマーク家具に定着した。

ペーパーコード

ペーパーコードとは、紙を撚り合わせて紐状にした素材のこと。椅子の座面や背もたれを編む材料として用いる。デンマーク製のものはダニッシュコードとも呼ばれる。

解説

繊維の長いパルプから漉いた紙を細く裁って撚り、それを数本さらに撚り合わせて一本の紐にする。家具用として流通するものは表面に薄くワックスをかけてあり、汚れが染み込みにくい。紙という原料から受ける印象に反して引張に強く、編み上げた座面は成人の体重を支える。太さは3mm前後が標準的である。

デンマークの椅子で座を編む手仕事そのものは古く、18世紀には撚った藁が、19世紀にはラタンが用いられていた。紙紐が加わったのは20世紀に入ってからで、革や張り地に比べて安く済む材料としてまず広まる。第二次世界大戦とその後の材料不足のなかで、手に入りやすい素材を探した設計者たちがこれを選び、デンマークの近代家具と結びついた素材として定着した。工業的に製造される紙紐は品質が均一で長さの制約も少なく、産地や収穫年で太さや強度がばらつく天然の草とは、その点で性格が異なる。

編み方は大きく二つに分かれる。封筒編みは、座枠に対して斜めに折り返しながら編む方法で、座面の中央がゆるやかに窪む。体を受け止める面ができるため、沈み込むような座り心地になる。ハンス・J・ウェグナーが1949年にCH24 ウィッシュボーンチェアを設計したとき、既にあったこの技法を紙紐に応用した。一脚あたり120メートルを超える紐を使い、編み上げには熟練した職人でも1時間ほどかかる。もう一方の平編みは縦横に交互に編む方法で、表面に細かい凹凸ができ、肌に触れる面積が小さいぶん通気に優れる。

使い込むと色が濃く落ち着いていき、編み目も体になじんでいく。座面が傷んだ場合は張り替えではなく編み直しになるため、フレームを残したまま座面だけを更新できる。手入れはほとんど不要だが、拭くのであれば中性洗剤を含ませて固く絞った布を用い、頻繁には行わない。拭きすぎは紐を傷める。赤ワインや果汁のように色の濃い液体をこぼすと変色が残り、水に濡れたまま放置すると紐が緩む。乾いた状態を保つことが手入れの基本になる。

Reference

Weaving|Craftsmanship(Carl Hansen & Søn)
https://www.carlhansen.com/en/en/inspiration/craftsmanship/weaving
Paper cord|Materials(Carl Hansen & Søn)
https://www.carlhansen.com/en/en/materials/weaving/paper-cord
Behind an icon: CH24(Carl Hansen & Søn)
https://www.carlhansen.com/en/en/designers/hans-j-wegner/behind-an-icon-ch24
Paper cord|Maintenance & Care(Carl Hansen & Søn)
https://www.carlhansen.com/en/maintenance/paper-cord
ペーパーコードの椅子張り(家具制作鯛工房)
https://www.tai-workshop.com/seat/s-05.html

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