ヤシ科のつる性植物とその茎を加工した素材。日本語では籐という。軽く、しなやかで、編みや曲げに向く。
ラタン
ラタンとは、ヤシ科のつる性植物の総称、およびその茎を加工した素材のこと。日本語では籐(とう)という。竹や藤とは別の植物である。
解説
東南アジアを中心とした熱帯・亜熱帯の森林に自生し、日本には自生していない。産出量ではインドネシアが最大とされる。他の樹木に絡みつきながら日光を求めて伸びる性質があり、長いものでは100メートルを超える。300ほどの種のうち、産業の資材として使われるのは30種ほどで、太さも硬さも繊維の粗さも種によって異なる。
家具の材料としては、加工の段階で呼び分けられる。表皮のついたままの丸い材が丸籐で、硬く丈夫なためフレームなどの構造材に使われる。この丸籐を裂いて皮と芯に分けたものが割籐で、柔軟に曲がるため巻きや編みに用いられる。表皮側を一定の幅と厚みに挽いたものが皮籐、芯の部分が芯籐である。表皮が半透明の光沢をもつセガのような種は上質な材として扱われる。ハンス・J・ウェグナーのPP501 ザ・チェアが座面に用いるのは皮籐を手で編んだ面であり、ナナ&ヨルゲン・ディッツェルのハンギングエッグチェアでは編んだラタンそのものが吊り下がる殻の構造を兼ねている。同じ素材が、張り面にも構造材にもなる。
素材としての性格は、軽さとしなやかさにある。中空に近い構造をもつため同じ体積の木材より軽く、編み上げた面には弾力が生まれる。編み目を通して空気が抜けるため、長く座っても熱がこもりにくい。加えて、樹木が用材になるまで数十年を要するのに対し、ラタンは5年から10年で使える太さに育つ。
弱点は水分と乾燥の両方にある。湿度によって伸縮するため、1点ずつ手作業で編まれる製品には寸法の誤差が生じる。極端な乾燥が続くと繊維が割れ、直射日光を浴び続ければ退色する。塗装にはラッカー塗装が使われることが多く、塗膜が薄いぶん素材の質感が残る。編み目に埃が溜まりやすい点はペーパーコードと共通し、乾いた状態を保つことが手入れの基本になる。
Reference
- 籐家具とは|ラタンについて(籐家具のカザマ)
- http://kazamaco.co.jp/rattan/
- 籐(ラタン)とは(古島籐家具店)
- http://rattan-furushima.com/product.html