このページについて

Sチェアは、トム・ディクソンが1987年に設計した椅子である。金属の骨組みがS字の曲線を描き、そこへ湿地の草や籐、革、布を張る。カッペリーニが1991年から製造している。トム・ディクソン自身のブランドが2016年に発表したリデザイン版もある。

このページでは、2つの仕様の違い、張り材の選択肢、手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

Sチェアには、カッペリーニが製造する仕様と、トム・ディクソンのブランドによるリデザイン版の2系統がある。

カッペリーニ版

正式名称 S-Chair
骨組み 金属(ダークカラーの塗装仕上げ)
張り材 湿地の草(marsh straw、コード603。発表時からの仕様)、着色した籐(コード602)、斑点模様の革、またはカッペリーニのコレクションの革・布による固定カバー
価格 公式サイトに価格の掲載はなく、問い合わせ制(2026年10月時点)

リデザイン版(トム・ディクソン、2016年)

骨組みはスチールで、ステアリングホイールの形をした鋳鉄のベースに載る。座面は硬さの異なるフォームを一体にし、ウールなどの布で張る。製品資料に載る寸法は幅50 × 奥行63 × 高さ96.7cm、座面高47cm、重量7.5kgである。編んだ草や籐の仕様はない。

類似商品・競合との比較

曲線で身体を受ける椅子は、その曲線を何でつくるかで分かれる。

比較項目 Sチェア(カッペリーニ版) パントンチェア CH24 ウィッシュボーンチェア
曲線のつくり方 金属の骨組みに素材を張る 樹脂を一体成形する 木を曲げる
身体を受ける素材 草/籐/革/布から選ぶ 樹脂そのもの ペーパーコード
傷んだときの対応 張り直し 張り替える部分がない 座面の編み直し

使用感と設置条件

S字の曲線が背中から座面、床までひと続きになり、下端は細く絞られる。床に接する範囲が狭いため、柔らかい床材では跡が残りやすい。

カッペリーニ版の草や籐の仕様には詰め物がなく、編み目の凹凸がそのまま身体に当たる。リデザイン版はフォームを布で張った仕様で、座り心地と手入れの方法が異なる。

経年変化とメンテナンス

素材ごとに起きること

草は乾燥すると脆くなって切れることがあり、日光で色が変わる。籐も乾燥で脆くなり、荷重で編み目が緩む。革は乾燥するとひび割れる。

日常の手入れ

草・籐
掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸い、編み目の埃は柔らかい刷毛で払う。水拭きはしない。
革・布
乾いた布で埃を払う。布は掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸う。
置き場所
直射日光と暖房の風が当たる場所を避ける。草と籐の乾燥を早める。

修理

張り材が傷んだ場合は張り直しになる。曲線に沿って編む作業のため、取扱店を通じて相談する。

どこで買うか

注文の流れ

カッペリーニ版は公式サイトに価格の掲載がなく、製品ページの問い合わせから取扱店を通じて見積もりを取る(2026年10月時点)。注文時に決めるのは張り材である。リデザイン版はトム・ディクソンの取扱店で扱う。

中古の流通

確認する箇所は、草や籐の切れと緩み、革のひび割れ、骨組みの曲がり、下端の塗装の擦れである。張り直しができるかは、素材と傷みの程度による。

購入前チェックリスト

  • 仕様(カッペリーニ版/トム・ディクソンのリデザイン版)
  • 張り材(草/籐/革/布)
  • 床材(接地面が狭く、柔らかい床では跡が残りやすい)
  • 直射日光と暖房の風を避けられる置き場所か
  • 中古の場合、草や籐の切れと緩み

よくある質問

価格はどのくらいですか?
カッペリーニは公式サイトに価格を掲載しておらず、問い合わせ制です(2026年10月時点)。張り材によって価格が変わります。
どこで購入できますか?
カッペリーニ版は公式サイトの製品ページから問い合わせ、取扱店を通じて注文します。リデザイン版はトム・ディクソンの取扱店で扱っています。
2つの仕様はどう違いますか?
カッペリーニ版は金属の骨組みに草、籐、革、布のいずれかを張ります。トム・ディクソンが2016年に発表したリデザイン版は、フォームを布で張り、鋳鉄のベースに載せています。座り心地と手入れの方法が異なります。
張り材はどれを選べばよいですか?
カッペリーニ版では、発表時からの湿地の草、着色した籐、斑点模様の革、コレクションの革や布から選べます。草と籐は乾燥すると脆くなるため、置き場所の湿度と日当たりも考えてください。
寸法と重さはどのくらいですか?
リデザイン版の製品資料では、幅50 × 奥行63 × 高さ96.7cm、座面高47cm、重量7.5kgです。カッペリーニ版の寸法と重量は取扱店でご確認ください。
床に跡が残りませんか?
下端が細く絞られていて床に接する範囲が狭いため、柔らかい床材では跡が残りやすくなります。
手入れはどうすればよいですか?
草と籐は掃除機のブラシ付きノズルで埃を吸い、編み目の埃は柔らかい刷毛で払います。水拭きはしないでください。直射日光と暖房の風は草と籐の乾燥を早めるため避けてください。