概要

イームズ オットマン 671 は、チャールズ&レイ・イームズが1956年にイームズ ラウンジチェア 670とあわせて発表したオットマンである。ラウンジチェアと同じ成形合板シェルとレザーのクッションで構成され、脚を伸ばした姿勢を支える。単体でも購入でき、低いスツールとしても使える。

特徴・コンセプト

高さで決まる役割

オットマンの高さは約44cmで、ラウンジチェアの座面高より高い。脚を載せたときに膝がわずかに持ち上がり、腿の裏がクッションに触れる角度になる。座面と同じ高さに合わせると脚が水平に伸びきり、膝の裏に荷重が集まる。この寸法差が、長く脚を預けても疲れにくい姿勢をつくっている。

チェアと共有する部材

シェルとクッションはラウンジチェアの座面と同じ形でつくられており、クッションは入れ替えて使える。同じ型で成形できるため、曲面の見え方が揃い、2つ並べたときに輪郭が連続する。部材を共有することは、生産の面でも組み合わせて置くことを前提とした設計の面でも働いている。

クッションは取り外せる。座面のクッションは裏返して使えるため、片面だけがへたることを避けられる。

4本脚のベース

ベースはアルミニウムの鋳物で、脚は4本である。5本脚で回転するラウンジチェアと異なり、オットマンは向きを変える必要がないため、脚の数を減らし回転機構を持たない。用途の違いが、そのまま台座の構成の違いになっている。

エピソード

チェアとオットマンを組で設計したのは、19世紀の英国のクラブチェアを下敷きにしながら、脚を伸ばした姿勢まで含めて座り方を組み直すためであった。ハーマンミラーは購入にあたって組で揃えることを勧めてきた。両者の関係と型番の由来については イームズ ラウンジチェア 670 & オットマン 671 にまとめている。

外装の木材は、発売から1990年代初頭までブラジリアンローズウッドが用いられていたが、森林資源保護の観点から取り扱いが終了した。現在はウォールナット、チェリー、ホワイトアッシュ、サントスパリサンダーなどから選ぶ。

評価と影響

発表以来、生産が途切れずに続いている。ハーマンミラー(ヨーロッパではヴィトラ)が製造し、成形と張り込みの工程には手作業が残る。脚を載せるための家具でありながら、単体でスツールや補助席として使える寸法にまとまっている点も、長く使われている理由のひとつである。

美術館コレクション

ニューヨーク近代美術館は、ラウンジチェアとオットマンの組を収蔵番号336.1960.a-bで登録している(1960年、製造元からの寄贈)。オットマンは同記録の「.b」にあたり、寸法は高さ40.6cm・幅66cm・奥行53.3cmと記されている。

基本情報

名称 イームズ オットマン 671 / Eames Ottoman (671)
デザイナー チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)
ブランド ハーマンミラー(アメリカ)/ヴィトラ(ヨーロッパ)
発表年 1956年
デザインの成立国 アメリカ
分類 オットマン
主要素材 成形合板、レザー、アルミニウム鋳物
サイズ 幅66cm × 奥行54.6cm × 高さ43.8cm
組み合わせ イームズ ラウンジチェア 670
収蔵 ニューヨーク近代美術館(336.1960.a-b、チェアとの組)

Reference