カバノキ科カバノキ属の広葉樹とその木材。組織が細かく均質な散孔材で、曲げ加工と成形合板に向く。カバザクラの名で流通することがある。

バーチ

バーチとは、カバノキ科カバノキ属の落葉広葉樹とその木材のこと。日本ではカバ、カンバと呼ばれ、家具材となるのはシラカンバ、ダケカンバ、ウダイカンバ、北米のイエローバーチなどである。

解説

木材としての性格は、組織が細かく均質な散孔材である点に尽きる。年輪の境目がはっきりせず、木目の主張が弱い。この均質さが加工の自由度を生む。繊維の詰まり方が場所によって大きく変わらないため、削っても曲げても材の一部だけが先に破綻することが少ない。フィンランドの家具が成形合板と曲げ加工の主材にこの樹種を据えてきたのは、その性質による。

テーブル80Aの脚に用いられるL-レッグは、無垢のバーチ材の端部に繊維方向の切り込みを入れ、その溝へ薄板を挿し込んで接着し、直角に曲げる。切り込みで分かれた層がそれぞれに滑ることで、曲げの外側で生じる伸びが分散する。木を扇状に割ってから曲げるというこの手順が成り立つのは、割れが特定の弱い層へ集中しない材だからである。

色は白から淡い黄褐色で、心材はやや赤みを帯びる。辺材と心材の境目の明瞭さは樹種によって変わり、北海道立総合研究機構林産試験場によれば、ウダイカンバのうち心材の割合が高く赤みの強いものはマカバ、辺材の幅が広く心材が淡いものはメジロカバと呼び分けられる。材質が似ているため、三種を区別せず樺としてまとめて流通することも多い。

呼称には注意が要る。木材の世界ではカバザクラ、あるいは単にサクラと呼んで流通することがあるが、バラ科のサクラとは別の科にあたる。同試験場は、ウダイカンバの心材がサクラ材に似ているため、北海道外ではカバザクラの名で流通する場合があると記している。カタログに「サクラ材」とだけ書かれている場合、それがどちらを指すかは表記からは判断できない。

いっぽうで耐朽性は高くない。湿気の多い環境では傷みやすく、屋外や水回りの用途には向かない。

Reference

シラカンバ・ダケカンバ・ウダイカンバ|林産試験場(北海道立総合研究機構)
https://www.hro.or.jp/forest/research/fpri/koho/default/doumoku-index/kanba.html
製材|木質建材の種類と特徴(日本木材総合情報センター)
https://www.jawic.or.jp/syurui/01.php

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