このページについて

フリーエッジテーブルは、ジョージ・ナカシマが1940年代後半から手がけたテーブルである。丸太から挽いた板の外周を直線に切り揃えず、樹皮を除いた縁の形をそのまま残す。割れの箇所には蝶の形をした契りを埋め、進行を止める。現在もナカシマ・ウッドワーカーズが制作している。

このページでは、受注制作の進み方、板ごとに異なる個体差、寸法と設置の条件、経年変化と手入れ、購入できる場所を扱う。設計の成り立ちについては紹介ページを参照されたい。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

フリーエッジテーブルは完全受注制作であり、使用する板材によってすべての仕様が異なる。以下は、代表的な仕様範囲を示した参考情報である。

正式名称(日本語) ナカシマ フリーエッジテーブル
正式名称(英語) Nakashima Free Edge Table
製造国 アメリカ合衆国(ペンシルベニア州ニューホープ)
主要素材 天板:アメリカン・ブラック・ウォールナット、チェリー、イングリッシュ・ウォールナット、クラロ・ウォールナット、メープル、バタナット、オーク・バール 他
蝶形契り:東インドローズウッド、ウォールナット
脚部:ウォールナット、ヒッコリー 他
サイズ(参考範囲) ダイニングテーブル:W 1,500〜3,000mm以上 × D 900〜1,500mm × H 約730mm
コーヒーテーブル:W 1,000〜1,800mm × D 500〜900mm × H 330〜400mm
※板材の形状により個体差あり
重量 板材の厚み・樹種・サイズにより異なる(大型ダイニングテーブルは100kg超の場合あり)
仕上げ オイルフィニッシュ(ナカシマ工房独自配合)
カラーバリエーション 樹種により異なる。ウォールナットの場合、濃褐色の心材と白い辺材のコントラストが特徴。チェリーは温かみのある赤褐色
参考価格帯 ナカシマ・ウッドワーカーズは価格を公表していない(2026年8月19日確認)。受注制作のため、板材を選定したうえでの見積もりによる。板の樹種・寸法・厚み、脚の形式、契りの本数で価格が変わる。中古の相場は寸法・樹種・制作年代・来歴で幅があり、一定していない
制作方法 完全受注生産。顧客と板材を選定し、一点ずつ手作業で制作。納期は板材の状況やバックオーダーにより変動
付属品・オプション 脚のスタイル選択(トレッスル、コノイド、ペデスタル、ターンドレッグ等)、蝶形契りの樹種選択。チェアセットとのコーディネートも可能

類似商品・競合との比較

一枚板を天板とするテーブルは、板の縁をどう扱うかで分かれる。直線に切り揃えるか、樹皮を除いた形を残すかによって、寸法の決まり方と個体差の出方が変わる。

比較項目 フリーエッジテーブル 縁を直線に切り揃えた一枚板テーブル 集成材・突板の天板
天板の縁 樹皮を除いた形をそのまま残す 直線に切り揃える 直線
寸法の決まり方 板の形に従う。任意の寸法は選べない 板の範囲内で決められる 自由に決められる
個体差 板ごとに輪郭が異なる 木目が異なる 小さい
割れへの対応 蝶形の契りを埋めて進行を止める 割れのある部分を落とす 生じにくい
納期 板材の確保による 板材の確保による 短い

選び分けの目安

寸法が先に決まっている場合
フリーエッジは板の形に従うため、任意の寸法は選べない。設置場所に厳密な制約がある場合、縁を切り揃えた天板か集成材の天板が該当する。
同じものを追加したい場合
板ごとに輪郭が異なるため、後から同じ形のものを揃えることはできない。
割れのある板を受け入れる場合
蝶形の契りは割れの進行を止める部材である。割れを避けるのではなく、留めたうえで残す方法にあたる。

使用感と設置条件

天板の形

縁が不規則なため、端に物を置ける位置が場所によって変わる。最も狭い箇所と最も広い箇所で奥行が数十mm以上異なることがある。人が座る位置を決める際は、この幅の変化を踏まえる。

蝶形の契りは天板の面にわずかな段差を生じる場合がある。紙を置いて字を書く場面では、契りの位置を避けることになる。

寸法と人数

ダイニング用の天板は幅1,500mmから3,000mm以上まで、板によって幅がある。1人あたりの必要な幅を600mm程度とすると、幅1,800mmで片側3人が座れる。ただし縁が不規則なため、実際に使える幅は最も狭い箇所で決まる。

高さは約730mmが標準である。コーヒーテーブルは330〜400mm。

搬入と設置

大型のダイニング用は100kgを超える場合がある。天板と脚が分離する形式であっても、天板単体で相応の重量になる。搬入経路の幅と、床の耐荷重を確認しておく。

脚の形式は複数から選べる。トレッスル(で繋いだ二脚)、コノイド(片持ち)、ペデスタルなどがあり、脚の位置が座る人の膝に当たるかどうかが変わる。

経年変化とメンテナンス

木に起きること

ウォールナットは紫外線を受けると色が明るくなる。多くの木材が濃くなるのに対し、この樹種は逆に進む。直射日光の当たる範囲から先に変化するため、置き場所によって差が出る。

一枚板は幅方向に伸縮する。湿度の変化が大きい環境では、既存の割れが動くことがある。蝶形の契りは割れの進行を止めるが、伸縮そのものは止められない。

仕上げはオイルによる。塗膜をつくらないため、水分が付くと染み込む。輪染みは表面を研磨してオイルを入れ直すことで対処する。

日常の手入れ

ふだん
乾いた柔らかい布で拭く。汚れは固く絞った布で拭き、すぐに乾いた布で水気を取る。
水分
コップの結露や汁は、放置すると染み込む。気づいた時点で拭き取る。
オイル
年に一度程度、専用のオイルを塗り重ねる。工房が配合したものを用いる。
置き場所
直射日光、暖房の風、床暖房を避ける。急な乾燥は割れを招く。

修復

傷や輪染みは、表面を研磨してオイルを入れ直すことで対処できる。塗膜をつくる仕上げでは全面の塗り直しになるが、オイル仕上げは部分的な対処が可能である。

割れが進んだ場合や契りの追加が必要な場合は、工房に相談することになる。

どこで買うか

受注制作の進み方

ナカシマ・ウッドワーカーズは受注制作をとっており、価格を公表していない。板材を選定したうえでの見積もりによる。板の樹種・寸法・厚み、脚の形式、契りの本数で価格が変わる。

板を選ぶ工程が含まれるため、注文の前に候補となる板を確認することになる。納期は板材の確保状況と受注の状況によって変わる。

実物を確認する

縁の形と木目は板ごとに異なり、写真では判断できない。工房の見学が予約制で受け付けられている。

日本国内では香川県高松市の記念館で作品が公開されている。

中古の流通

相場は寸法・樹種・制作年代・来歴によって幅があり、一定していない。ナカシマ本人の在世中に制作されたものと、その後の工房によるものが流通する。

確認箇所は、天板の割れの進行、契りの緩み、天板と脚の接合部、オイル仕上げの状態、来歴を示す資料の有無である。

購入前チェックリスト

  • 設置場所の寸法(板の形に従うため、任意の寸法は選べない)
  • 縁の最も狭い箇所での有効な奥行
  • 脚の形式(脚の位置が座る人の膝に当たらないか)
  • 搬入経路の幅と床の耐荷重(大型は100kg超)
  • 契りの位置(紙を置いて字を書く場面では段差が出る)
  • 置き場所(直射日光・暖房の風・床暖房を避ける)
  • オイル仕上げの手入れを継続できるか
  • 中古の場合、割れの進行と来歴の資料

よくある質問

価格はどのくらいですか?
ナカシマ・ウッドワーカーズは価格を公表しておらず、受注制作のため板材を選定したうえでの見積もりによります(2026年8月19日確認)。板の樹種・寸法・厚み、脚の形式、契りの本数で価格が変わります。中古の相場は寸法・樹種・制作年代・来歴で幅があり、一定していません。
どこで購入できますか?
ペンシルベニア州ニューホープの工房での受注制作によります。板を選ぶ工程が含まれるため、注文の前に候補となる板を確認することになります。
寸法を指定できますか?
天板は板の形に従うため、任意の寸法は選べません。設置場所に厳密な制約がある場合は、縁を切り揃えた天板や集成材の天板が選択肢になります。縁が不規則なため、実際に使える幅は最も狭い箇所で決まります。
蝶形の契りは何のためにありますか?
板の割れの箇所に埋めて、進行を止めるための部材です。割れを避けて板を落とすのではなく、留めたうえで残す方法にあたります。天板の面にわずかな段差を生じる場合があり、紙を置いて字を書く場面では契りの位置を避けることになります。
納期はどのくらいですか?
板材の確保状況と受注の状況によって変わります。工房にご確認ください。
実物を確認できますか?
縁の形と木目は板ごとに異なり、写真では判断できません。工房の見学が予約制で受け付けられています。日本国内では香川県高松市の記念館で作品が公開されています。
手入れはどうすればよいですか?
乾いた柔らかい布で拭きます。オイル仕上げで塗膜をつくらないため、水分が付くと染み込みます。コップの結露や汁は気づいた時点で拭き取ってください。年に一度程度、工房が配合した専用のオイルを塗り重ねます。直射日光、暖房の風、床暖房は急な乾燥により割れを招くため避けてください。
傷が付いた場合はどうなりますか?
傷や輪染みは、表面を研磨してオイルを入れ直すことで対処できます。塗膜をつくる仕上げでは全面の塗り直しになりますが、オイル仕上げは部分的な対処が可能です。割れが進んだ場合や契りの追加が必要な場合は、工房にご相談ください。