LC1 バスキュラントチェアが長く愛される理由
LC1 バスキュラントチェア(1 Fauteuil à Dossier Basculant)は、近代建築の巨匠ル・コルビュジエ(Le Corbusier, 1887-1965)とその従兄弟ピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret, 1896-1967)、デザイナー兼写真家シャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand, 1903-1999)の3名によって1928年にデザインされた、モダンデザイン史における不朽のマスターピースである。フランス語で「跳ね上げ式背もたれを持つ椅子」を意味する正式名称が示すとおり、左右の軸を中心に背もたれが使用者の姿勢に応じて自然に傾斜する革新的な可動機構を備えたラウンジチェアであり、スリングチェアの別名でも広く親しまれている。1929年のパリ・サロン・ドトーヌにおいてLC2、LC3、LC4、LC6とともに「住宅の内部設備」として発表されて以来、世界中の美術館のパーマネントコレクションに収蔵される近代デザインの規範的作品として、約1世紀にわたり製造され続けている。現在はイタリアの高級家具メーカー、カッシーナが1965年から唯一のライセンスメーカーとして製造を担い、各製品にはデザイナーの署名と固有の識別番号が刻印され、真正性が保証されている。
本ページでは、LC1バスキュラントチェアの購入を検討されている方に向けて、正規品の仕様・バージョン・素材選択肢・価格帯、正規品とリプロダクトの違い、類似の名作チェアとの比較、使用感とコーディネート提案、経年変化とメンテナンス、正規販売店の情報、よくある質問まで、購入判断に必要な情報を包括的にお伝えする。
ル・コルビュジエの建築哲学や経歴について詳しくはル・コルビュジエ プロフィールページをご覧ください。
シャルロット・ペリアンの経歴と作品について詳しくはシャルロット・ペリアン プロフィールページをご覧ください。
LC1 バスキュラントチェアのデザインストーリーについて詳しくはLC1 バスキュラントチェア紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
LC1バスキュラントチェアは、ル・コルビュジエが考案した人体寸法と黄金比に基づく比例体系「モジュロール」に準拠して設計されている。「住宅は住むための機械である」という建築哲学を家具のスケールに翻訳した本作は、装飾を徹底的に排除し、水平・垂直・直角・回転という建築的要素を幾何学的な基本形態へと還元している。座面と背もたれの裏側に配されたスチールスプリングが適度な弾力性を生み出し、金属フレームのみで構成された外観からは想像しがたい快適な座り心地を実現する。座面高400mmという低めの設定は、リラックスした姿勢で会話を促進するために精密に計算されたものである。2022年9月のカッシーナiマエストリコレクション50周年を機に、デザイナーの相続人および財団との合意により、従来の「LC1」から本来のフランス語名称「1 Fauteuil à Dossier Basculant」へと回帰している。
| 正式名称 | 1 Fauteuil à Dossier Basculant(フォートゥイユ ドシエ バスキュラン)/ 通称:LC1、スリングチェア、バスキュラントチェア |
|---|---|
| デザイナー | ル・コルビュジエ(Le Corbusier, 1887-1965, スイス出身・フランスで活動)、ピエール・ジャンヌレ(Pierre Jeanneret, 1896-1967, スイス)、シャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand, 1903-1999, フランス) |
| デザイン年 | 1928年(ヴィラ・チャーチ版)/ 1929年(サロン・ドトーヌ発表) |
| 発表 | 1929年 パリ・サロン・ドトーヌ「住宅の内部設備」展 |
| 現行製造 | カッシーナ(Cassina, イタリア・メダ / 1965年〜)※唯一のライセンスメーカー |
| コレクション | iMaestri Collection(イ・マエストリ コレクション) |
| 分類 | ラウンジチェア / アームチェア |
| フレーム | スチールパイプ / 三価クロムメッキ(CR3)仕上げ または マットブラック塗装 |
| 座面・背もたれ | 天然皮革(レザー)または 仔牛毛皮(ハラコ/ポニースキン) |
| アームレスト | 厚革(サドルハイド)掛け構造 ※レザー張りの場合は同色レザー、毛皮張りの場合は黒レザー |
| サイズ | 幅600mm × 奥行650mm × 高さ640mm / 座面高400mm / アーム高580mm |
| 重量 | 約7〜10kg |
| 可動機構 | 背もたれが左右を軸にして回転し、使用者の姿勢に応じて角度が変化。座面・背もたれ裏面にスチールスプリング内蔵 |
| レザーカラー | 黒 / ナチュラル / トープ / アイボリー / グレー / タバコ / ブライアーウッド / マットブラウン / 赤茶 / チャイナレッド / コニャック / ブルー 他多数 |
| 毛皮(ハラコ) | 黒白茶スポット柄 / 黒 / その他天然柄 |
| バージョン | 1929年モデル(標準)/ 1928年ヴィラ・チャーチ版(ポリウレタンパッド入り)/ 1930年UAM版(エクリュファブリック+ナチュラルレザートリム)/ アウトドア版 |
| 日本参考価格 | ¥671,000〜(税込目安、カッシーナ・イクスシー公式)※仕様により変動、ポニースキン仕様は¥780,000前後 |
| 欧州参考価格 | €3,032〜(素材・仕様により変動) |
| 認証 | 各製品にデザイナーの署名と固有の識別番号を刻印(iMaestri認証) |
| グライド | ビーズグライド |
| 美術館収蔵 | MoMA(ニューヨーク近代美術館)パーマネントコレクション 他世界各国主要美術館 |
4つのバージョン
カッシーナは、LC1の歴史的展開を反映した4つのバージョンを現行製品として展開している。1929年モデル(標準版)はサロン・ドトーヌで発表されたオリジナル形態で、レザーまたはハラコの座面・背もたれにサドルハイドのアームレストという構成が最もよく知られた姿である。1928年ヴィラ・チャーチ版は、パリ郊外ヴィル・ダヴレーのヴィラ・チャーチのためにデザインされた最初期モデルの復刻で、クライアントの快適性要望に応えてポリウレタンパッディングを施した座面・背もたれが特徴。アームレストは前方が広く後方に細くなる形状で、ブルーサテンまたはレザー張りが選択可能。2012年に復刻された。1930年UAM版は、近代芸術家連盟(Union des Artistes Modernes)の初の展覧会に出品されたバージョンの復刻で、エクリュ(生成り色)ファブリックにナチュラルレザーのトリミングという軽やかな構成が特徴。2011年に復刻された。アウトドア版は2019年に発表された現代的拡張で、特殊テクスチャード塗装のフレーム(5色展開)にサンブレラ・スリング素材の座面・背もたれを組み合わせ、屋外使用に対応する。
正規品とリプロダクトの違い
LC1バスキュラントチェアは、そのアイコニックなデザインゆえに多数のリプロダクト(ジェネリック/レプリカ)が製造されている。日本国内ではイタリアBRF社製(IDC大塚家具セレクト)をはじめ、数万円台のリプロダクトが流通しており、正規品(¥671,000〜)との価格差は大きい。
製造品質と認証の違い
カッシーナ正規品は、ル・コルビュジエのオリジナル設計図に基づき、伝統的職人技と最新技術を融合した製造プロセスで生産される。すべての動物皮革は職人の手により検品・欠点マーキングが行われた後、専用スキャンソフトウェアによる精密裁断が施される。各製品はバーコードによる個別管理のもと、全製造工程にわたる厳格な品質管理が行われ、iMaestri認証としてデザイナーの署名と固有の識別番号がフレームに刻印される。三価クロムメッキ(CR3)は環境負荷の低い最新のクロムメッキ技術であり、従来の六価クロムに比べ人体への安全性が高い。リプロダクトはこれらの認証・品質管理体制を持たず、クロムメッキの品質、スチールパイプの肉厚・精度、皮革のグレード、スプリングの弾力性、可動機構の耐久性に本質的な差異が生じる。
座り心地と長期的価値の違い
LC1の座り心地の核心は、可動式背もたれと内蔵スチールスプリングの精密な調和にある。カッシーナ正規品では、背もたれの回転軸の位置・摩擦係数とスプリングの弾力性が原設計どおりに厳密に調整されており、使用者の姿勢変化に自然に追従する滑らかな動きと適度な支持力が実現されている。レザーの経年変化も、カッシーナが厳選した上質な天然皮革ならではの美しいエイジングとなる。カッシーナのiMaestri認証を持つ正規品はヴィンテージ市場においても高い資産価値を維持しており、1970〜80年代のカッシーナ製LC1は国際中古市場で$2,000〜$5,000以上で取引されている。
| 比較項目 | 正規品(カッシーナ) | リプロダクト一般 |
|---|---|---|
| 設計根拠 | ル・コルビュジエ原設計図に準拠(相続人・財団監修) | 外観の模倣(原設計図へのアクセスなし) |
| フレーム | 三価クロムメッキ(CR3)またはマットブラック塗装、精密溶接 | 一般クロムメッキ、精度にばらつき |
| 皮革 | 職人検品+専用スキャン精密裁断の上質天然皮革 | 一般グレード皮革または合成皮革 |
| 可動機構 | 原設計どおりの回転軸・スプリング調整(滑らかな追従性) | 動きの精度・耐久性にばらつき |
| 認証 | iMaestri認証(デザイナー署名+固有識別番号刻印) | なし |
| バージョン選択 | 1929年 / ヴィラ・チャーチ / UAM / アウトドアの4バージョン | 1929年モデルの模倣のみが大半 |
| 日本参考価格 | ¥671,000〜(税込目安) | 約¥30,000〜¥100,000 |
| 資産価値 | ヴィンテージ市場で$2,000〜$5,000以上の取引実績 | ほぼなし |
類似商品・競合との比較
LC1は1920年代末に誕生したモダニズム・ラウンジチェアの先駆的作品であり、同時代および後続のアイコニックなラウンジチェアとの比較が購入検討において有益である。
バルセロナチェア(ミース・ファン・デル・ローエ / 1929年 / Knoll)
LC1と同年に発表されたモダニズムの双璧である。バルセロナ万博のドイツ館のためにデザインされたバルセロナチェアは、X字型のクロムスチール脚と革張りクッションによる堂々たるプレゼンスが特徴で、「Less is More(より少ないことはより多いこと)」というミースの哲学を体現する。LC1が可動機構と構造の簡潔性によるコンパクトな知性美を追求するのに対し、バルセロナチェアはより大きく、より豪華で、空間の中心に据えるモニュメント性を持つ。LC1はリラックスした会話を促す軽快なラウンジチェア、バルセロナチェアは空間に権威と格調を与えるステートメントピースという性格の違いがある。日本参考価格は約¥700,000〜(税込目安、Knoll正規品)。
ワシリーチェア(マルセル・ブロイヤー / 1925年 / Knoll)
バウハウスの代表作であるワシリーチェアは、LC1より3年先行してスチールパイプフレームと革張りの組み合わせを実現した作品である。連続するスチールチューブで構成された幾何学的フレームに、革のストラップで座面・背もたれ・アームレストを張った構成はLC1と共通するアプローチを持つ。しかしワシリーチェアは背もたれが固定式であるのに対し、LC1は可動式背もたれによるダイナミックな座り心地を提供する。ワシリーチェアのほうがやや直線的でバウハウス的な厳格さを持ち、LC1はコルビュジエの建築的思考による有機的な快適性を追求している。日本参考価格は約¥400,000〜(税込目安、Knoll正規品)。
LC4 シェーズロング(ル・コルビュジエ、ジャンヌレ、ペリアン / 1928年 / Cassina)
同じ3人のデザイナーによるLCコレクションの中でLC1との比較が最も直接的なのがLC4シェーズロングである。LC1が「会話のための椅子」として設計されたコンパクトなアームチェアであるのに対し、LC4は「休息のための寝椅子」として全身を預けるリクライニング姿勢を追求する。空間の占有面積はLC4のほうが大幅に大きく、設置には十分なスペースが必要。リビングにLCコレクションを導入する場合、LC1はLC2ソファと組み合わせた会話セットとして、LC4は読書や瞑想のための独立したリラクゼーションスペースとして、異なる役割を担う。日本参考価格は¥800,000〜(税込目安、カッシーナ・イクスシー公式)。
| 比較項目 | LC1 バスキュラントチェア | バルセロナチェア | ワシリーチェア |
|---|---|---|---|
| デザイン年 | 1928年 | 1929年 | 1925年 |
| デザイナー | コルビュジエ、ジャンヌレ、ペリアン | ミース・ファン・デル・ローエ | マルセル・ブロイヤー |
| 背もたれ | 可動式(回転軸+スプリング) | 固定式(クッション) | 固定式(革ストラップ) |
| 座面高 | 400mm | 430mm | 420mm |
| 性格 | コンパクト・知的・会話促進 | 堂々・権威的・ステートメント | 幾何学的・バウハウス的厳格さ |
| 現行メーカー | カッシーナ | ノル(Knoll) | ノル(Knoll) |
| 日本参考価格 | ¥671,000〜 | ¥700,000〜 | ¥400,000〜 |
使用感と暮らしへの取り入れ方
座り心地の特徴
LC1の座り心地の最大の特徴は、可動式背もたれがもたらすダイナミックな快適性にある。着座すると背もたれが使用者の体重移動に自然に応じて傾斜し、リクライニング機能のような心地よさを、複雑な機構なしに実現する。座面も背もたれに向かって緩やかな傾斜がついており、座った瞬間に体が自然にリラックスした姿勢へと導かれる。座面・背もたれ裏面のスチールスプリングが適度な弾力性を生み出し、金属フレームとレザーだけのシンプルな構成でありながら、予想以上の快適性が得られる。座面高400mmはダイニングチェアよりも低いラウンジ高で、脚を伸ばしたリラックスした姿勢を促す。会話を促進するための設計というコルビュジエの意図は、この座面高に明確に反映されている。コンパクトなサイズ(W600×D650mm)でありながら、アームレストの厚革が腕を柔らかく受け止め、体全体が包み込まれるような安心感を提供する。
空間における存在感
LC1は幅600mm×奥行650mmというコンパクトなフットプリントでありながら、スチールパイプフレームの幾何学的な線の構成が空間に強い知的存在感をもたらす。クロームメッキフレームは光を反射し、周囲の空間に溶け込みながらも視覚的なアクセントとなる。マットブラックフレームを選択すれば、よりシックで落ち着いた印象となり、モノトーンのインテリアとの親和性が高まる。ハラコ(ポニースキン)仕様は、工業的なスチールフレームとワイルドな天然毛皮の対比が劇的な視覚効果を生み、一脚で空間の主役となる。レザー仕様は素材の対比がより穏やかで、洗練された調和をもたらす。角度によって表情が変わるフレームの線の構成は、彫刻的な鑑賞価値を持ち、「使わないときも美しい」椅子である。
生活スタイル別の提案
LC1はその本来の設計意図である「会話のための椅子」として、リビングのソファに対面する位置に1〜2脚を配置するのが最も正統的な使い方である。LC2ソファやLC3ソファとの組み合わせはLCコレクションとしての統一感を最大化し、コルビュジエの空間哲学を体現する。LC6テーブルやLC10-Pコーヒーテーブルとの組み合わせも理想的である。書斎の読書チェアとしても優れており、可動式背もたれが読書姿勢の変化に柔軟に対応する。ホテルのロビーやラウンジ、デザイン事務所の応接スペース、高級マンションのエントランスホールなど、コンパクトでありながら格調の高さが求められる商業空間にも最適である。アウトドア版を選べば、テラスやバルコニー、ホテルのプールサイドへの展開が可能となる。一人暮らしの限られたスペースでも、そのコンパクトさゆえにリビングのアクセントチェアとして十分に機能する。
経年変化とメンテナンス
素材ごとの経年変化
LC1の経年変化は、主にレザー(またはハラコ)とクロームメッキフレームの2つの素材で異なる様相を見せる。カッシーナが厳選した上質な天然皮革は、使用とともに表面に柔らかな光沢と深みのある色調変化が生じ、いわゆる「革のエイジング」として愛好家に高く評価される。特に黒レザーは時間とともにしっとりとした艶を帯び、コニャックやナチュラルなどの明るいカラーは飴色に近づく美しいパティナが形成される。ハラコ(ポニースキン)は毛足の方向による光沢変化が徐々に均一化し、使い込むほどに全体的な風合いが増す。クロームメッキフレームは基本的に耐久性が高く、通常の室内使用では光沢の大きな変化は生じにくいが、経年により微細な酸化が進み、わずかに温かみのあるトーンに変化する場合がある。
メンテナンス方法
- レザー(天然皮革)の手入れ
- 柔らかい乾いた布で定期的に乾拭きし、表面のほこりを除去する。汚れが付着した場合は中性のレザークリーナーを使用し、必ず目立たない部分で試してから全体に適用する。半年〜1年に一度、良質なレザーコンディショナーで保湿することで、革の柔軟性と光沢を維持できる。直射日光による退色を防ぐため、窓際への常設は遮光を推奨。水分や油分の付着はシミの原因となるため、すぐに拭き取る。
- ハラコ(毛皮)の手入れ
- 毛並みに沿った方向で柔らかいブラシを使用し、定期的にブラッシングする。液体クリーナーの使用は毛質を損なう恐れがあるため避け、乾式のケアを基本とする。著しい汚れが生じた場合は専門のレザー・毛皮クリーニング業者に相談を推奨。
- クロームメッキフレームの手入れ
- 柔らかい乾いた布または微湿の布で拭く。研磨剤、酸性・アルカリ性の洗剤は使用しない。指紋跡が気になる場合はガラスクリーナーを少量使用して拭き取る。マットブラック塗装仕上げの場合も同様に柔らかい布で乾拭きが基本。
- 可動機構の管理
- 背もたれの回転軸は通常メンテナンスフリーであるが、動きが硬くなった場合やきしみ音が生じた場合は、カッシーナ正規ディーラーを通じた専門メンテナンスを推奨。スチールスプリングの弾力性は長期使用でも大きな変化は生じにくいが、異常を感じた場合は正規サービスに相談する。
どこで買うか:正規販売店と購入方法
日本国内正規販売
日本市場におけるカッシーナ正規品の販売は、カッシーナ・イクスシー(Cassina ixc.)が統括している。公式オンラインストア(cassina-ixc.jp)では受注輸入品として全バージョン・全仕様の注文が可能であり、1929年モデルの基本価格は¥671,000〜(税込目安)である。直営店としてカッシーナ・イクスシー青山本店(東京・南青山)、名古屋店、大阪店、福岡店が展開されており、実物の確認と試座が可能。LC1は受注輸入品のため在庫品は限られるが、直営店の展示品で座り心地やフレームの質感を体験できる。全カッシーナ直営店にはプロフェッショナルなスタッフが常駐し、素材・仕上げ・バージョンの選択について専門的なコンサルティングを受けられる。
欧州・米国正規販売
欧州ではsmow(smow.com)がカッシーナ正規ディーラーとして€3,032〜で取り扱い、約9週間の納期で対応。Pamono(pamono.com)、1stDibs等のハイエンドプラットフォームでも新品・中古が取り扱われている。カッシーナ公式サイト(cassina.com)ではグローバル版の製品情報と正規ディーラーネットワークの検索が可能。deplain.com等の欧州正規ディーラーでも全バージョンが購入可能である。
中古・ヴィンテージ市場
カッシーナ製LC1の中古品は、国内外のヴィンテージ家具市場で活発に取引されている。日本国内ではYahoo!オークションでの落札平均は約¥116,000〜¥154,000(カッシーナ正規品中古)であり、新品価格の約2〜3割程度で入手可能な場合がある。リスタイル(restyle-net.com)やBANUL等の国内ヴィンテージ家具専門ショップでも取り扱われる。国際市場ではPamonoで$2,295〜$5,129、1stDibsでは年代・コンディションにより幅広い価格帯で取引されている。1950年代のトーネ製(カッシーナ以前のライセンスメーカー、米国ではSTENDIG社が輸入)のオリジナルは博物館級の希少品として極めて高い評価を受ける。中古購入時は、フレームの「Cassina」刻印と識別番号の有無を必ず確認し、リプロダクトとの混同に注意する。
購入時チェックリスト
- 正規品であることの確認(iMaestri認証:デザイナー署名+固有識別番号のフレーム刻印)
- バージョン選定(1929年標準 / 1928年ヴィラ・チャーチ / 1930年UAM / アウトドア)
- フレーム仕上げの選定(三価クロムメッキ / マットブラック塗装)
- 座面・背もたれ素材の選定(レザー:多色展開 / ハラコ:天然毛皮 / ファブリック:UAM版のみ)
- レザーカラーの選定(天然素材のため実物の色・質感はカタログ写真と異なる場合あり)
- 設置スペースの確認(W600×D650mm+背もたれ可動域を考慮)
- テーブルとの高さ相性確認(SH400mm → ローテーブル高350〜450mm推奨)
- 受注輸入品の納期確認(約8〜12週間が目安)
- カッシーナ直営店での実物確認・試座(可動式背もたれの体験、レザーの質感確認)
- 保証内容の確認(カッシーナ・イクスシー正規品保証)
配送・設置に関する注意事項
LC1は完成品出荷のため組み立て不要。重量約7〜10kgと比較的軽量であり、通常の配送で対応可能。カッシーナ・イクスシー直営店からの購入の場合は、配送・設置サービスが利用可能。受注輸入品のため、注文確定後のキャンセル・仕様変更は原則として不可。レザーおよびハラコは天然素材であるため、色・質感にはロットによる個体差が生じる点を了承の上で発注する。グライドはビーズグライドが標準装備されるが、設置するフロアの素材に応じて適切な保護措置を講じることを推奨する。
コーディネート事例
コルビュジエ・モダニズム統一スタイル
LC1の設計意図を最も忠実に再現するスタイルである。クロームメッキのLC1を2脚、LC2またはLC3ソファに対面配置し、中央にLC10-Pコーヒーテーブルを据える。壁面にはル・コルビュジエのリトグラフまたはピュリスムの絵画を配し、床面には白または灰色の大判タイルまたはコンクリート仕上げを選択する。照明はシャルロット・ペリアンのウォールランプや、ジノ・サルファッティのフロスランプなど、同時代のモダニズムデザインで統一する。白い壁、クロームの輝き、黒いレザーという3色の構成が、コルビュジエの建築空間を彷彿とさせるピュアなモダニズム空間を創出する。
ミッドセンチュリー・コンテンポラリーミックス
LC1のアイコニックな存在感を現代的なインテリアに融合させるスタイルである。マットブラックフレームのLC1をウォールナット無垢材のコーヒーテーブルやサイドテーブルと組み合わせ、ソファにはカッシーナのマラルンガやフレックスフォームのグラウンドピースなど現代的なイタリアンデザインを選択する。ラグにはエスニックなキリムやベニワレンを敷き、アートにはアレクサンダー・カルダーやリチャード・セラのモノグラフを飾ることで、歴史的名作と現代的感性が対話する重層的な空間となる。ハラコ仕様のLC1を選べば、ワイルドなテクスチャーが現代アートとの視覚的対話を生み、より個性的な空間が実現する。
ミニマル・ギャラリースタイル
LC1を彫刻的オブジェとして空間の中心に配置するスタイルである。白壁の広い空間にクロームメッキのLC1を1脚だけ配し、隣にイサム・ノグチのアカリランプまたはフロスのICライトを置く。床面は磨き上げたコンクリートまたは白い大理石。窓にはミニマルなシアーカーテンのみ。LC1の幾何学的なフレームラインがギャラリーの展示作品のように際立ち、「座る彫刻」としてのLC1の本質が最も純粋に表現される。この配置は、LC1がMoMAのパーマネントコレクションとして収蔵されている文化的価値を日常空間で体験するものである。
よくある質問
- 正規品の価格はどのくらいですか?
- カッシーナ・イクスシー公式の日本国内正規品は¥671,000〜(税込目安)です。フレーム仕上げ(クロームメッキ / マットブラック)、座面素材(レザー / ハラコ)、レザーカラーにより変動し、ハラコ(ポニースキン)仕様は¥780,000前後となります。ヴィラ・チャーチ版やUAM版も同等の価格帯です。欧州では€3,032〜で販売されています。
- どこで購入できますか?
- 日本ではカッシーナ・イクスシー公式オンラインストア(cassina-ixc.jp)および直営店(青山本店、名古屋店、大阪店、福岡店)で購入可能です。受注輸入品のため、在庫品は限られます。欧州ではsmow、deplain、Connox等のカッシーナ正規ディーラーで取り扱われています。
- 実物を確認できますか?
- カッシーナ・イクスシー青山本店をはじめとする直営店で展示品の確認と試座が可能です。可動式背もたれの独特な座り心地はカタログでは体験できないため、購入前の実物確認が強く推奨されます。レザーやハラコの質感、クロームメッキの光沢も実物で確認することが望ましいです。
- リプロダクトで十分ですか?
- カッシーナ正規品はル・コルビュジエの原設計図に基づく唯一のライセンス製品であり、iMaestri認証(デザイナー署名+固有識別番号の刻印)が付与されます。可動式背もたれの精密な調整、三価クロムメッキ(CR3)の品質、職人検品・精密裁断された上質天然皮革など、リプロダクトでは再現困難な要素が多くあります。カッシーナ製の中古品がヴィンテージ市場で高値を維持している事実は、正規品の長期的資産価値を示しています。
- 納期はどのくらいですか?
- 受注輸入品のため、約8〜12週間が標準的な納期です。人気仕様は直営店に展示品がある場合もありますが、基本的にはイタリア・メダの工場での製造後の輸入となります。注文確定後のキャンセルや仕様変更は原則不可のため、事前に十分な検討を推奨します。
- メンテナンスは難しいですか?
- 日常メンテナンスは柔らかい布での乾拭きが基本で簡単です。レザーは半年〜1年に一度のコンディショナー処理、ハラコはブラッシングが推奨されます。可動式背もたれの機構は基本的にメンテナンスフリーです。クロームメッキフレームは高い耐久性を持ちますが、研磨剤の使用は避けてください。
- 4つのバージョンの違いは?
- 1929年モデル(標準)はレザーまたはハラコの座面で最もよく知られた形態。ヴィラ・チャーチ版はポリウレタンパッド入りの快適性重視モデルでブルーサテンまたはレザー張り。UAM版はエクリュファブリックにナチュラルレザートリムの軽やかな構成。アウトドア版はテクスチャード塗装フレームにサンブレラ素材で屋外対応。いずれも原設計の比率とフレーム構造は共通です。
- 他に検討すべきLCコレクション作品は?
- ソファにはLC2(プチモデル)やLC3(グランモデル)がLC1との組み合わせに最適です。完全なリクライニングを求めるならLC4シェーズロングが選択肢に入ります。テーブルにはLC6ダイニングテーブルやLC10-Pコーヒーテーブルが統一感のあるコーディネートを実現します。各製品の詳細は当サイトのチェアカテゴリページをご覧ください。