PK54 ダイニングテーブルが長く愛される理由

1963年の発表以来、60年以上にわたり生産が継続されているPK54™ダイニングテーブルは、ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm)が「対比の美学」を円卓の形式に展開した名作である。円形の天然石天板と正方形のステンレススチールベース、有機的な石の紋様と精緻な金属加工、さらにはオプションの無垢メープル材エクステンションリングによる石と木の対話――これらが、一台のテーブルのなかに造形的な緊張と調和を生み出している。

本ページでは、PK54の正規品における仕様・素材・サイズ等の基本情報から、類似商品との比較、暮らしへの取り入れ方、経年変化とメンテナンス、正規販売店情報、そして購入時に確認すべきポイントまで、購入判断に必要な情報を網羅的にお伝えする。

正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材

正式名称 PK54™ ダイニングテーブル / PK54™ Dining Table
デザイナー Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)/ デンマーク / 1929–1980
デザイン年 1963年
製造ブランド・製造国 Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)/ デンマーク
天板素材 大理石(ホワイト・ロールド〈マット仕上げ〉、ホワイト・ホーンド〈光沢仕上げ〉、グレーブラウン・ホーンド、ベージュ・ホーンド、ブラック・ホーンド、ファウスケ・グレーホワイト)またはグラナイト(ダーク)/ 厚さ約30mm
ベース素材 サテンブラッシュ仕上げステンレススチール(正方形フレーム構造)
エクステンションリング(PK54A™・別売) 無塗装・無垢ソリッドメープル材 / 6分割パーツ+専用ストレージラック付属
サイズ(テーブル単体) 直径140cm × 高さ69cm(標準)/ 高さ72.5cm(オプション)
サイズ(エクステンション装着時) 直径210cm × 高さ70cm
重量 約138kg(大理石天板仕様)
着席人数 通常時:最大6名 / エクステンション装着時:最大12名
カラーバリエーション 天板7種(大理石6種+グラナイト1種)/ ベースは共通サテンブラッシュ仕上げ
参考価格帯(税込目安) テーブル本体:約1,823,800円〜(仕様により変動)/ エクステンションリング(PK54A):約1,845,800円
付属品 テーブル本体にはフェルトパッド等含む / PK54Aにはストレージラック付属
保証 フリッツ・ハンセン公式サイト(fritzhansen.com/my-fh)にて製品登録で最大20年の限定保証

類似商品・競合との比較

PK54と同価格帯・同カテゴリのデザイナーズダイニングテーブルは限られるが、天然石天板を持つ円形テーブルという観点から、以下の名作が比較対象として挙げられる。

エーロ・サーリネン チューリップテーブル(Knoll)

1956年発表。一本脚の白い台座と大理石天板による有機的なフォルムが特徴で、「テーブル下の脚の乱雑さ」を排除するという明確なコンセプトを持つ。PK54が幾何学的対比による造形美を追求するのに対し、チューリップテーブルは流動的な一体感を志向する。直径120cmの大理石天板仕様で参考価格約80〜100万円前後と、PK54より手の届きやすい価格帯にある。空間における脚元のすっきりさを優先する方にはチューリップテーブルが適している。

ポール・ケアホルム PK58(Fritz Hansen)

ケアホルムが設計し、フリッツ・ハンセンが製品化している円形ダイニングテーブル。PK54と同じくステンレスベースを備えるが、天板には木材(オーク、ウォールナットなど)が用いられる。石の重厚さよりも木の温もりを求める方、あるいはPKコレクションの統一感を保ちつつ、より軽やかな印象を望む方に適した選択肢である。

フリッツ・ハンセン スーパー楕円テーブル(ピート・ハイン/ブルーノ・マットソン)

「スーパー楕円」という数学的曲線を天板形状に採用した独創的なテーブル。矩形と楕円の中間的フォルムにより、角の圧迫感がなく、全員が均等に会話できるダイニング体験を提供する。スパンレッグのスチール脚は軽快な印象。円形にこだわらない場合の有力な代替案となる。

比較表

比較項目 PK54(Fritz Hansen) チューリップテーブル(Knoll) PK58(Fritz Hansen)
デザイナー ポール・ケアホルム エーロ・サーリネン ポール・ケアホルム
デザイン年 1963年 1956年 1963年
天板素材 大理石 / グラナイト 大理石 / ラミネート オーク / ウォールナット等
ベース素材 ステンレススチール(正方形) アルミダイキャスト(一本脚) ステンレススチール
形状 円形(直径140cm) 円形(直径91〜152cm) 円形
拡張機能 メープル材リング(直径210cm) なし なし
参考価格帯 約180万円〜 約80〜100万円前後 約100〜150万円前後
こんな方に 素材の対比と彫刻的存在感を求める方 有機的な美しさと足元の開放感を求める方 木の温もりとPKコレクションの統一感を求める方

使用感と暮らしへの取り入れ方

使用感の解説

直径140cmの円形天板は、4名での日常使いには余裕があり、6名でも十分に食事を楽しめる寸法である。円形ゆえに上座・下座の区別がなく、着席者全員が自然に視線を交わせるため、会話の弾むダイニング体験が得られる。ベースの正方形フレームは対角線方向に開放部を設けた構造で、チェアの出し入れに支障をきたしにくい設計となっている。

天板の大理石は、グラスやカトラリーを置いた際のひんやりとした感触が独特の上質感を与える。ただし、天然石特有の繊細さがあるため、酸性の飲料や調味料がこぼれた際は速やかに拭き取る必要がある。日常使いにおいては、テーブルクロスやランチョンマットとの併用も一つの選択肢である。

エクステンションリング装着時の直径210cmは、8〜12名が着席可能な堂々たるサイズとなる。来客の多い家庭やホームパーティを楽しむ方にとって、工具不要で変形できる機能性は大きな魅力である。

重量が約138kgに達するため、設置後の頻繁な移動は想定されていない。設置場所は購入前に慎重に検討されたい。

空間別のコーディネート提案

ダイニングルームにおいては、PK54を空間の中心に据えることで、テーブルそのものが彫刻的な主役となる。同じケアホルムのPK9チェアやPK8チェアとの組み合わせは、大理石・レザー・スチールの三素材が共鳴する格調高い空間を生み出す。

リビング・ダイニング一体型の空間では、PK54の存在感がゾーニングの役割も果たす。天板の石材が空間に落ち着きと重心をもたらし、周囲のソファやラウンジチェアとの間に自然な境界が生まれる。

オフィスや会議室での使用も一考に値する。円卓は参加者間の上下関係を排除し、対等な議論を促す形状として知られる。PK54の格調ある佇まいは、エグゼクティブルームや応接間にふさわしい品格を備えている。

生活スタイル別の提案

夫婦二人暮らしの場合、直径140cmの天板は日常的にゆとりある食卓を提供しつつ、来客時にはエクステンションリングで対応できるため、将来的な暮らしの変化にも柔軟に応える。ファミリーでの使用においては、天然石天板の重量が安定感をもたらす一方、小さなお子様がいる場合は天板の角がないことが安心材料となるが、石材表面のケアには留意が必要である。

経年変化とメンテナンス

大理石天板の経年変化

大理石は使用とともに微細な変化を重ね、独自の味わいを増していく素材である。ホワイト大理石は時間の経過とともに若干の飴色を帯び、使い込むほどに深みのある表情へと変化する。ブラックやグレーブラウンの大理石は、光の当たり方により微妙な色調の変化が楽しめる。日々の使用による小さな傷や痕跡もまた、天然素材ならではの個性として捉えることができる。

日常メンテナンス

大理石天板
柔らかい布で水拭きした後、乾拭きする。酸性の液体(ワイン、柑橘果汁、酢等)がこぼれた場合は速やかに拭き取ること。研磨剤入りの洗剤は使用しない。年に1〜2回、大理石用の専用シーラーやワックスで保護処理を施すことが望ましい。
ステンレススチールベース
柔らかい布で乾拭きし、指紋や汚れを除去する。頑固な汚れにはステンレス専用クリーナーを使用。研磨方向に沿って拭くことで、サテン仕上げの美しさを保つ。
メープル材エクステンションリング
無塗装の無垢材であるため、乾いた布での拭き取りが基本。水分は速やかに拭き取ること。長期使用による色変化はメープル特有の飴色への変化であり、天然木の美しい経年変化として楽しめる。

専門メンテナンスと修理

大理石天板の深い傷や染みについては、石材専門業者による研磨・再仕上げが可能である。費用は状態により数万円〜十数万円が目安。フリッツ・ハンセンの正規品は、パーツの個別注文や修理対応が正規販売店を通じて可能であり、長期にわたり使用し続けるための体制が整っている。最大20年の限定保証(製品登録時)により、製造上の欠陥に対する安心も確保されている。

どこで買うか:正規販売店と購入方法

国内正規販売店・正規ディーラー

フリッツ・ハンセンの製品は、国内各地の正規販売店およびインテリアショップにて購入が可能である。主要な取扱店として、CONNECT、アトラクト(attract)、IL DESIGN(イル デザイン)、北欧家具.com、コンフォートQ(Comfort Q)などが挙げられる。いずれもフリッツ・ハンセンの正規ディーラーとして、正規品の販売と適切なアフターサポートを提供している。

公式オンラインストア

フリッツ・ハンセンの日本語公式サイト(fritzhansen.com/ja)では製品情報の閲覧が可能であるが、日本国内向けのオンライン直販は限定的な対応となっている。購入にあたっては、公式サイトの「正規販売店検索」機能を活用し、最寄りの取扱店に問い合わせることが推奨される。

実物を確認できるショールーム

PK54は高額かつ重量のある製品であるため、可能な限り実物を確認したうえでの購入が望ましい。東京デザインセンター(五反田)内のIL DESIGNにはPK54の展示がある旨が確認されている。そのほか、各正規販売店に展示状況を事前に問い合わせることを推奨する。天然石天板は一枚一枚紋様が異なるため、実物確認の意義は一層大きい。

中古・ヴィンテージ市場

PK54は初期生産分(エイヴィン・コルド・クリステンセン製)および1982年以降のフリッツ・ハンセン製がヴィンテージ市場に出回ることがある。海外のオークションハウスやPamono、1stDibsといったプラットフォーム、国内ではヤフオク等で取引が見られる。ヴィンテージ品の場合、ベースの刻印や製造年シールの確認が重要である。ただし、約138kgの重量を考慮した輸送コストは相当額に上る点に留意されたい。

購入時チェックリスト

  • 正規品であることの確認(フリッツ・ハンセンの刻印、シリアルナンバー、ギャランティーカード等)
  • 天板の素材・仕上げの選択(大理石7種+グラナイト1種から)
  • 高さオプションの確認(標準69cm / オプション72.5cm ― 使用するチェアとの相性を考慮)
  • エクステンションリング(PK54A)の要否(別売品・約1,845,800円)
  • 設置場所の実測(直径140cm+チェアの引き代として周囲に80〜100cm程度の余裕)
  • 搬入経路の確認(約138kgの重量に対応できる搬入路・エレベーター・階段幅の確認)
  • 床面の耐荷重と養生(大理石天板の集中荷重への対策)
  • 納期の確認(受注生産品の場合4〜6週間以上を要する場合あり)
  • 配送・設置サービスの有無と費用(専門業者による搬入設置を推奨)
  • 保証条件の確認と製品登録(fritzhansen.com/my-fh にて最大20年保証)

配送・設置に関する注意事項

PK54は重量約138kgに達するため、一般的な宅配便での配送は対応不可であり、専門の家具配送業者による搬入・設置サービスの利用が必須となる。特にマンション等の集合住宅では、エレベーターの積載制限やドア幅の確認が不可欠である。搬入経路に階段のみの場合は、追加費用が発生することが一般的である。設置時には、床面への傷防止のためフェルトパッドや保護マットの使用を推奨する。

コーディネート事例

モダンミニマリズム ― ケアホルムの世界観で統一する

PK54にPK9チェアまたはPK8チェアを合わせ、大理石・スチール・レザーの三素材で空間を構成する。壁面はホワイトまたはライトグレーとし、照明はポール・ヘニングセンのPHシリーズやルイスポールセンのランプで間接的に光を添える。天板の石の存在感を活かすため、テーブル上の装飾は最小限に抑え、一輪挿しや小ぶりのキャンドルホルダーを配する程度にとどめたい。

北欧ナチュラル ― 温もりとの調和

PK54のホワイト大理石天板にハンス・J・ウェグナーのCH24(Yチェア)を合わせることで、スチールと石の端正さに無垢材の温かみを加えた折衷的なダイニングが完成する。床材はオーク系のフローリング、ラグはウール素材のライトグレーやナチュラルカラーが相性よく、エクステンションリングのメープル材とも共鳴する。

ラグジュアリーモダン ― 格調ある空間演出

ブラック大理石またはグラナイト天板のPK54を選び、フリッツ・ハンセンのオクスフォードチェア(アルネ・ヤコブセン)やPK9チェアのブラックレザー仕様と組み合わせる。ダークトーンの石とスチールの光沢が、洗練されたエグゼクティブ空間を演出する。ペンダントライトにはルイスポールセンのPH5やPHアーティチョークを選ぶことで、北欧デザインの系譜のなかで品格あるダイニングシーンを構築できる。

広さ別の配置ガイド

PK54(直径140cm)を配置する場合、テーブル周囲にチェアの引き代と動線を確保するために、最低でも直径340cm(約9.1㎡)の円形スペースが必要となる。約12〜14畳以上のダイニングスペースがあれば、テーブルの存在感を十分に活かした配置が可能である。エクステンションリング装着時(直径210cm)には、直径410cm(約13.2㎡)以上のスペースが望ましい。天井高については、PK54のテーブル高69cmは一般的な居住空間であれば問題ないが、低めのペンダントライトを使用する際は、天板上70cm程度の位置に光源が来るよう設計すると、食卓を美しく照らすことができる。

よくある質問

PK54の正規品の価格はどのくらいですか?
フリッツ・ハンセン正規品のPK54テーブル本体は、天板の素材・仕上げにより異なりますが、参考価格として約1,823,800円〜(税込目安)です。エクステンションリング(PK54A)は別売で約1,845,800円(税込目安)となります。価格は為替レートや仕様変更により変動する場合がありますので、最新の正確な価格は正規販売店にお問い合わせください。
どこで購入できますか?
国内のフリッツ・ハンセン正規販売店にて購入可能です。主な取扱店として、CONNECT、アトラクト、IL DESIGN、コンフォートQなどがあります。フリッツ・ハンセン公式サイトの「正規販売店検索」機能から、最寄りの販売店を検索できます。
実物を確認できる場所はありますか?
東京デザインセンター(五反田)内のIL DESIGNにPK54の展示が確認されています。そのほか、フリッツ・ハンセンの主要正規販売店でも展示を行っている場合があります。天板は天然石で一枚一枚紋様が異なるため、実物の確認をお勧めいたします。展示状況は事前に各店舗へお問い合わせください。
納期はどのくらいかかりますか?
在庫品の場合は1〜3週間程度、受注生産品の場合は4〜6週間以上を要する場合があります。天板の素材やカラーの選択によって納期が異なりますので、詳細は購入先の正規販売店にご確認ください。
メンテナンスはどのようにすればよいですか?
大理石天板は柔らかい布での水拭き後、乾拭きが基本です。酸性の液体(ワイン、酢、柑橘系の果汁等)がこぼれた場合は速やかに拭き取ってください。ステンレスベースは乾いた布で拭くだけで十分です。年に1〜2回、大理石用シーラーで保護処理を施すとより美しい状態を長く保てます。
テーブル高は合わせるチェアに影響しますか?
PK54には標準高69cmとオプション高72.5cmの2種があります。一般的なダイニングチェア(座面高42〜46cm)との組み合わせにはいずれも対応しますが、アームチェアを使用する場合はアーム部分がテーブル天板の下に収まるか確認が必要です。高さ72.5cmオプションは、より幅広いアームチェアに対応するために用意されています。
エクステンションリングは必須ですか?
テーブル本体のみでも6名まで着席可能であり、エクステンションリングは必須ではありません。ただし、来客の多い方や大人数での食事を楽しみたい方には、PK54Aの導入をお勧めいたします。後からの追加購入も可能ですので、当初はテーブル本体のみを購入し、必要に応じて追加することも一つの方法です。
他に検討すべきデザイナーズテーブルはありますか?
ケアホルムのPK58ダイニングテーブルは木天板の円形テーブルとして、また同じフリッツ・ハンセンのスーパー楕円テーブルやエッグテーブルも独自の魅力を持つ選択肢です。異なるブランドでは、Knollのサーリネン・チューリップテーブルやB&B Italiaのテーブルなども同価格帯で検討に値します。各テーブルの購入ガイドも併せてご覧ください。