PK54 ダイニングテーブル ― 円と正方形が織りなす彫刻的名作

PK54は、デンマークの家具デザイナー、ポール・ケアホルム(Poul Kjærholm)が1963年に発表したダイニングテーブルである。円形の大理石またはグラナイトの天板と、正方形のサテン仕上げステンレススチールベースという、対照的な幾何学形態と素材の組み合わせにより、空間にモニュメンタルな存在感をもたらす一台として、半世紀以上にわたり高い評価を受け続けている。

多くのデンマーク家具が木材を主役とするなかで、PK54はスチールを構造の中心に据えた点に特色がある。サテン仕上げのステンレススチールによる正方形のベースが、大理石またはグラナイトの円形天板を支え、工業素材と天然石という異質な素材を一台のうちに拮抗させている。

特徴とコンセプト

PK54の造形的核心は、「対比の美学」にある。円形の天板と正方形のベースフレーム、有機的な天然石と工業的なステンレススチール、重厚な石材と繊細な金属構造体――これらの対照的要素が、緊張感と調和を同時に生み出し、テーブルそのものを一個の彫刻作品たらしめている。

天板には、イタリア産カッラーラ大理石やファウスケ大理石、またはグラナイトが用いられる。大理石にはスチールローラーで加工された「ロールド」仕上げと、研磨による「ホーンド」仕上げの二種があり、それぞれ異なる表情をもつ。天然石である以上、一枚一枚が固有の紋様を有し、世界に一つとして同じもののないテーブルとなる。

エクステンションリング ― PK54Aによる拡張機構

PK54の最も独創的な特徴として、オプションのエクステンションリング(PK54A)が挙げられる。無垢のメープル材で構成された6枚の同形パーツが、天板と嵌合し同心円状に拡張する仕組みであり、工具を一切使用せずに円卓の直径を140cmから210cmへと広げることができる。この拡張時、石と木、硬質と柔質という新たな対比が生まれ、テーブルはそのアイデンティティを失うことなく、まったく異なる表情を見せる。通常時は6名、拡張時は最大12名の着席が可能となり、日常の食卓から大人数の会食まで、一台で対応する実用性を備えている。なお、専用のストレージラックが付属し、不使用時のリーフを美しく収納できる点も、細部まで配慮の行き届いた設計であることがうかがえる。

基本情報

正式名称 PK54™ ダイニングテーブル / PK54™ Dining Table
デザイナー Poul Kjærholm(ポール・ケアホルム)/ デンマーク / 1929–1980
デザイン年 1963年
製造ブランド Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)/ デンマーク
天板素材 大理石(ホワイト・ロールド、ホワイト・ホーンド、グレーブラウン・ホーンド、ベージュ・ホーンド、ブラック・ホーンド、ファウスケ・グレーホワイト)またはグラナイト(ダーク)/ 厚さ約30mm
ベース素材 サテンブラッシュ仕上げステンレススチール
エクステンションリング素材 無塗装無垢メープル材(6分割パーツ+ストレージラック)
サイズ(テーブル単体) 直径140cm × 高さ69cm(標準高)/ 高さ72.5cmオプションあり
サイズ(エクステンション装着時) 直径210cm × 高さ70cm
重量 約138kg(大理石天板仕様)
着席人数 通常時:最大6名 / エクステンション装着時:最大12名
製造国 デンマーク
保証 フリッツ・ハンセン公式サイトにて製品登録で最大20年保証
参考価格 約1,823,800円〜(税込目安、仕様により変動)