鉄にクロムを加えた合金鋼。表面にできる不動態皮膜によって錆びにくい。JISでは記号SUSで表される。

ステンレス鋼

ステンレス鋼とは、鉄を主成分としてクロムを加えた合金鋼のこと。表面に生じる緻密な皮膜によって腐食が進みにくい。日本産業規格では「Steel Use Stainless」に由来する記号SUSで表される。

解説

錆びにくさの根拠は、クロムがつくる不動態皮膜にある。クロムが空気中の酸素と結びついて表面に極めて薄い緻密な膜を張り、内部への酸素や水分の侵入を遮る。傷がついてこの膜が破れても、酸素があれば再び形成される。膜が内側を守るという仕組みはアルミニウムと共通するが、こちらは加えたクロムがその役割を担っている。

金属組織によっていくつかの系統に分かれる。家具でよく使われるのは、クロムを約18パーセント、ニッケルを約8パーセント含むSUS304である。オーステナイト系に属し、18-8ステンレスとも呼ばれる。耐食性、加工性、溶接性のいずれも良好で、磁気を帯びない。もう一方の代表がニッケルを含まないSUS430で、フェライト系に属し、価格が抑えられる反面、耐食性はSUS304に劣る。こちらは鉄と同じように磁性をもつ。

見え方を決めるのは表面の仕上げである。同じSUS304でも、鏡面に磨いたものと、一方向に細かい筋を入れたヘアライン、細かい粒子を吹き付けて艶を落としたサテンとでは、光の反射がまったく異なる。ポール・ケアホルムのPK54 ダイニングテーブルがサテンブラッシュ仕上げのベースを用いているように、家具では映り込みを抑えた仕上げが選ばれることが多い。

磁石が付くかどうかで判別できるという説明を見かけるが、これは正確ではない。SUS304も曲げや絞りといった加工を受けた部分は磁性を帯びることがある。磁石が付いたからといって品質が低いとは限らない。

錆びない金属ではない点にも注意が要る。海水や塩素にさらされて不動態皮膜が破壊される環境では腐食が進む。また、鉄の粉が表面に付着したまま放置されると、その鉄が錆びて跡が残る。もらい錆と呼ばれるこの現象は、ステンレス自体が錆びたわけではないため、早い段階で洗い落とせば除去できる。日常の手入れは、水分と汚れを残さないことが基本になる。

Reference

ステンレス鋼(SUS)とは?種類や特徴と注意点(ミスミ meviy)
https://jp.meviy.misumi-ec.com/info/ja/howto/15166/
ステンレス種類一覧(ミスミ Cナビ)
https://cp.misumi.jp/article/article9.html
ステンレス鋼SUS304とSUS430の異常組織(新潟県工業技術総合研究所)
http://www.iri.pref.niigata.jp/topics/H29/29kin20.html

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