概要

ツェッテルツ 5は、インゴ・マウラーが1997年に発表したペンダントライトである。ステンレス鋼の骨組みから伸びるワイヤーに、A5判の和紙80枚をクリップで留める。紙の配置は使う人が決める。上下二つの光源を持つ。

特徴・コンセプト

紙を面光源にする

中心のサテンガラスから出た光が和紙を透過する。薄い紙は光を通しながら拡散させるため、一枚ずつが小さな面光源として働く。シェードで囲って一つの面から光を出すのではなく、80枚に分けた面が空中に散らばる構成になる。

紙を密に重ねれば厚みのある光の塊に、疎らに配せば軽い印象になる。同じ製品でも、配置によって形が定まらない。

上下で役割を分ける

上部の光源は和紙を透過した光を空間へ拡散させ、下部の光源はテーブル面などへ直接光を落とす。拡散光だけでは手元の明るさが足りないが、下向きの光源を加えれば読み書きにも対応できる。

白紙を含めて出荷する

付属する80枚のうち、31枚にはあらかじめ言葉や図柄が印刷され、49枚は白紙である。白紙には書き込める。買った時点では紙が留められていないため、使う人が配置して初めて形が決まる。交換用の白紙セットが別売で用意される。

エピソード

「ツェッテル」はドイツ語で紙片を指す。1990年代後半は電子メールの普及によって手書きのやり取りが減りつつある時期にあたり、マウラーは手書きという行為を主題に据えた。

評価と影響

より小型のツェッテルツ 6も展開されており、A6判の和紙を用い、下向きの補助光を持たない。同じマウラーのルチェリーノは、光源そのものを一つだけ残す構成をとる。

特別な印刷を施した限定の仕様も制作されている。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。設計者本人からの寄贈にあたる。

  • MoMA ツェッテルツ ハンギングランプ(1997年) 収蔵番号 302.1999

基本情報

名称 ツェッテルツ 5 / Zettel'z 5
デザイナー インゴ・マウラー(Ingo Maurer)
ブランド インゴ・マウラー(Ingo Maurer GmbH)
発表年 1997年
デザインの成立国 ドイツ
分類 ペンダントライト
主要素材 ステンレス鋼、耐熱サテンガラス、和紙
構造 ワイヤーに和紙80枚を留め、一枚ずつを面光源として働かせる。上下二つの光源
付属の紙 A5判80枚(印刷済み31枚、白紙49枚)。交換用セットは別売
サイズ 全体径 約120cm(和紙の配置により変化)
関連製品 ツェッテルツ 6(A6判・単一光源の小型版)
収蔵 MoMA(302.1999)

Reference