Louis Poulsen(ルイスポールセン)

Louis Poulsenは、デンマーク・コペンハーゲンに本社を置く照明メーカーである。1874年にワインの輸入会社として始まり、電化の進展にともなって電気器具の販売へ、さらに照明器具の製造へと事業を移した。1924年に始まったPoul Henningsenとの協働で、光源を複数のシェードで覆って直接光を遮る構成を確立し、これが以後の製品の基本となっている。生産はデンマーク国内で行われる。2018年からイタリア資本の持株会社の傘下にある。

事業と製造の実体

本社はコペンハーゲンにあり、生産はユトランド半島のVejenの工場が担う。製品は住宅向けの装飾照明、業務用・公共空間向けの照明、屋外照明に分かれる。

製造技術の中心にあるのは金属板の加工である。多層シェードの製品では、円盤状または曲面状の反射板を複数枚重ねて配置し、それぞれの角度と間隔によって光の届く範囲を決める。PH アーティチョークでは72枚の板を12段に配置し、どの角度から見ても光源が直接見えない構成を採る。板の素材には銅、真鍮ステンレス鋼アルミニウムが用いられ、内面の塗装が反射光の色に影響するため、仕上げも光学的な条件の一部として扱われる。

樹脂の成形も並行して用いられる。パンテラの半球形シェードはアクリル樹脂の成形によるもので、シェードと台座の双方を反射面として使う構成を採る。

光源の転換に対する対応も製造の課題として続いている。多層シェードの製品は特定の電球の形状と発光位置を前提に設計されているため、LEDへの置き換えにあたっては光源部と配光の再設計を要する。同社は既存製品についてこの作業を継続している。

沿革

ワイン商から電気器具へ

1874年、Ludvig R. Poulsenがコペンハーゲンでワインの輸入会社を設立した。市内の電化が進んだ1892年には工具と電気器具を扱う店を開く。1896年に甥のLouis Poulsenが店員として加わり、1906年のLudvigの死後に事業を引き継いだ。その後Sophus Kaastrup-Olsenが共同経営者となり、社名はLouis Poulsen & Co.となる。電気照明の普及にともなって、同社の事業の軸は照明器具へ移っていった。

Poul Henningsenとの協働

1924年、建築家で照明の設計者でもあったPoul Henningsenが同社を訪れ、パリ万国装飾美術・産業美術博覧会への出展を提案した。光源を三重のシェードで覆う構成の器具は、1925年の同博覧会で金賞を受けている。1926年にはコペンハーゲンのForumの照明をHenningsenとともに手がけ、最初のPHペンダントが設置された。同社が照明のカタログを発行するのはこの時期からである。

1958年、Henningsenは2つの製品を発表した。コペンハーゲンのLangelinie Pavillonenのために設計されたPH アーティチョークと、PH 5(ピーエイチ・ファイブ)である。後者は当時規格が定まっていなかった電球の違いを吸収し、光源が変わっても配光が保たれるよう設計されたもので、名称は直径50センチメートルに由来する。

建築の設計者との協働

1960年に完成したコペンハーゲンのSASロイヤルホテルでは、Arne Jacobsenが建築から内装、家具、照明までを通して設計した。この建物のために作られた照明の製造をLouis Poulsenが担い、AJ フロアランプをはじめとするAJの一群が生まれている。個別の建築のために設計された器具が、後に定番の製品として残る経路は、同社の製品開発でくり返し現れる。

1959年からはVerner Pantonとの協働が始まり、1971年にパンテラが発表された。1938年にVilhelm Lauritzenがデンマーク放送協会の建物のために設計したVL38 テーブルランプも、同じ経路で製品化されたものにあたる。

資本構成の変化

2018年、Louis PoulsenはFlosやB&B Italiaとともに、InvestindustrialとThe Carlyle Groupが設立した持株会社Design Holding(現Flos B&B Italia Group)の傘下に入った。2026年6月、同グループはLouis Poulsenをデンマークの財団系投資会社Chr. Augustinus Fabrikkerへ売却することで合意している。取引は競争当局の承認を条件とし、2026年後半の完了が見込まれている。

2024年に創業150年を迎えた。

デザイナーとの協働

Louis Poulsenの製品開発は、外部の設計者との協働によって進む。器具の造形よりも光の届き方を先に決める手順が取られ、設計者の構想を配光の条件へ翻訳する作業を自社が担う。建築の設計者が自身の建物のために起こした器具を製品化する経路も、創業初期から続いている。

20世紀の協働相手はPoul Henningsen、Arne Jacobsen、Verner Panton、Vilhelm Lauritzenが中心となる。現行世代ではØivind Slaatto、GamFratesi、Clara von Zweigbergk、佐藤オオキ、Foster + Partnersらとの協働がある。

主な製品群

Poul Henningsenの設計によるPH ランプ シリーズが製品の基幹をなす。多層のシェードで光源を覆う共通の構成のもとで、PH 5(ピーエイチ・ファイブ)PH アーティチョークPH 3/2 テーブルランプPH 3½-3 ペンダントPH 3½-2½ フロア、球形のPH スノーボールが展開される。

Arne Jacobsenの設計では、円錐形のシェードと円筒形の支柱を組み合わせるAJの一群があり、AJ フロアランプAJ テーブルランプAJ ウォールランプが含まれる。Verner Pantonの設計ではパンテラパンテラ フロアパンテラ ミニ、球形のVPグローブ ペンダントライトムーンランプを扱う。

現行世代の製品ではØivind Slaattoのパテラがある。このほか屋外照明と、業務用・公共空間向けの製品群を扱う。

基本情報

ブランド名 Louis Poulsen(ルイスポールセン)
創業 1874年
創業者 Ludvig R. Poulsen
本社所在地 デンマーク・コペンハーゲン
生産拠点 デンマーク・Vejen
資本関係 2018年よりFlos B&B Italia Group(旧Design Holding)傘下。2026年6月にChr. Augustinus Fabrikkerへの売却で合意
事業内容 照明器具の設計、製造および販売
公式サイト https://www.louispoulsen.com

Reference