研削材を圧縮空気で高速に吹き付け、当たった面を削って清浄化・粗面化する加工。ガラスのつや消しや、塗装・溶射の前の下地づくりに用いる。

サンドブラスト

サンドブラストとは、研削材を圧縮空気で高速に吹き付け、当たった面を削って清浄化・粗面化する加工のこと。英語では sandblasting。

解説

粒子が面に衝突するたびに微小な破壊が起こり、表面が一様に細かく荒れる。塗膜や酸化被膜のように後から付いたものは剥がれ、下地そのものが露出する。工程はJIS Z 0310「素地調整用ブラスト処理方法通則」に定めがあり、研削材は金属系がJIS Z 0311、非金属系がJIS Z 0312で規定されている。鋼材の下地処理では、仕上がりの程度をISO 8501-1の写真と照合して除せい度Sa 2 1/2、Sa 3 のように判定する。

削るだけでなく、面を荒らすこと自体が目的になる場合がある。塗装や溶射では、平滑な面より微細な凹凸のある面のほうが被膜が食い付く。ポール・エヴァンスのスカルプテッド・ブロンズ・フロント・キャビネットでは、成形した樹脂の表面をこの方法で整えてから溶融したブロンズを霧状に吹き付けており、金属の被膜を定着させる下ごしらえとして働いている。

ガラスでは光の扱いが変わる。透明なガラスは光をそのまま通すため、内部の光源が点として見える。ブラストで曇らせた面は、当たった光を細かい凹凸が散らすため、面そのものが光って見える。ルイスポールセンのPHシリーズは吹きガラスのシェードの片面だけをつや消しにして、直接光と拡散光を作り分けている。ハッリ・コスキネンのブロックランプでは、ガラスの内側に設けた電球形の窪みだけを曇らせ、透明な塊の中に光る形が浮かぶようにしている。マスキングによって曇らせる範囲を絵柄として区切ることもできる。

作業では粉じんが生じる。JIS Z 0310 は、水を霧状に加えて粒子の飛散を抑えるモイスチュアブラストや、研削材を吸引回収しながら処理するバキュームブラストといった方式を併せて規定しており、処理する対象と作業環境に応じて選ばれる。

ショットブラストとの違い

両者を分けるのは研削材の形である。角のある研削材は面を削り取るように働き、球状の研削材は打ち付けるように働くため、同じ装置を使っても仕上がりの性格が変わる。

サンドブラスト
角ばった研削材を用いる。削る力が強く、被膜の除去、つや消し、塗装や溶射の前の粗面づくりに向く。
ショットブラスト
球状の研削材を用いる。削り取る量が少なく、丸みのある凹凸が残る。金属の表面に圧縮の力を残す目的で行う加工はショットピーニングと呼び、目的が異なる。

なお「サンドブラスト」は本来、砂を研削材とする方式を指す語だが、日本語では研削材の種類を問わず、圧縮空気による吹き付け加工全般の呼び名として使われる。装置の名としては「エアーブラスト」と併記されることが多い。

Reference

JIS Z 0310:2016 素地調整用ブラスト処理方法通則 | 日本規格協会
https://webdesk.jsa.or.jp/books/W11M0090/index/?bunsyo_id=JIS+Z+0310%3A2016
ブラスト加工(ブラスト処理)とは | ブラストの基礎知識 | 不二製作所
https://www.fujimfg.co.jp/service/knowledge/about_blast/
ブラスト研磨材の種類と選び方 | ブラストの基礎知識 | 不二製作所
https://www.fujimfg.co.jp/service/knowledge/select_kenmazai/
エアーブラスト(サンドブラスト)装置 | 不二製作所
https://www.fujimfg.co.jp/blast/

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