西欧
コロナード Coronado
1966年、アフラ&トビア・スカルパがB&B Italiaのために設計した「コロナード」。鉄骨フレームと低温発泡ポリウレタンを融合し、伝統と近代を架橋する端正なフォルムで、半世紀以上にわたり生産が続くイタリアンモダンの原点。
925 チェア 925 Chair
アフラ&トビア・スカルパが1966年に設計した椅子。4本の脚と貫が直線で組まれ外形は立方体に近く、そこへ座面と背もたれの曲面が入る。背もたれは下端を支持しないため成形合板の弾性で撓む。着想はトビアの父カルロ・スカルパが1943年に描いた素描にあり、立方体に花弁を組み合わせるという構想による。
モデル600P Model 600P
ジーノ・サルファッティが1966年にアルテルーチェのために設計した小型の卓上灯。鉛の粒を詰めた革の袋を台座とし、その上に塗装した金属の灯体が載る。袋は置いた面に沿って形を変え、粒の重さで傾けた姿勢を保つ。固い台座と支柱の関節に代えて、台座そのものが角度を決める構成である。
バルブ Bulb
インゴ・マウラーが1966年に設計した卓上灯。白熱電球の形を拡大した吹きガラスの覆いの中に、実物の電球を収める。覆いは光源を隠さず、電球の輪郭を大小二重に見せる。覆いの最初の試作はムラーノ島のガラス工房でつくられた。マウラーが手がけた最初の照明で、ニューヨーク近代美術館が収蔵している。
スヌーピー テーブルランプ Snoopy Table Lamp
カスティリオーニ兄弟が1967年にデザインした、遊び心溢れる名作照明。カラーラ大理石のベースと光沢のあるメタルシェードが絶妙なバランスを保ち、まるでスヌーピーの横顔のような愛らしいシルエットが空間に温かみと個性をもたらす。
コンポニビリ Componibili
1967年にアンナ・カステッリ・フェリエーリが設計したKartellのモジュラー収納。円筒形のミニマルなフォルムと舌状溝による積み重ね構造が特徴で、ABS樹脂の一体成形による収納として半世紀以上にわたり生産が続く。
ネッソ Nesso
1965年設計、1967年生産開始。ジャンカルロ・マッティオーリとチッタ・ヌオーヴァ建築家グループがアルテミデのために設計したテーブルランプ。電球を傘の内側に隠し、半透明の樹脂越しに光を拡散させる。MoMA収蔵。
プリアチェア Plia Chair
1967年にジャンカルロ・ピレッティがデザインした折りたたみチェアの代表作。独自の三枚ディスクヒンジ機構により厚さ約50mmに折りたたみ可能。透明な座面とクロームフレームの美しい造形はMoMA永久収蔵品にも選定されている。
タンチェア (F577) Tongue Chair (F577)
1967年、ピエール・ポーランがアーティフォートのために設計した彫刻的ラウンジチェア。脚を持たない大胆なフォルムとストレッチファブリックの革新的製法で、スペースエイジ・デザインの象徴となった。MoMA永久収蔵。
ウニヴェルサーレ チェア 4867 Universale Chair 4867
細部の一つ一つが多用途という要求から導かれている。背もたれ中央の穴は握り手であり、空気の通り道であり、屋外での水抜きでもある。脚は取り外せ、長さを変えて座面高を調整できる。側面のスリットは他の椅子の後脚を差し込むためのもの。
ボボ Bobo
チニ・ボエリが1967年にアルフレックスのために設計した座具。内部フレームを持たず、異密度のポリウレタンフォームを一体成形してつくられる。セルペントーネへ続く単一素材の実験の出発点にあたる。
チプレア Ciprea Armchair
アフラ&トビア・スカルパが1967年に設計した肘掛け椅子。張り地の家具は通常、枠が形と強度を担い詰め物は触れる面としてだけ働くが、チプレアはこの分業をやめている。型に注入して成形したフォームがそのまま外形を決め荷重も受ける。外側の張り地が全体を締めることで輪郭が保たれる。
レ・ザルク チェア Les Arcs Chair
シャルロット・ペリアンが1960年代後半、アルプスのスキーリゾート「レ・ザルク」のために選定した椅子。管状クロームスチールとコニャックレザーの組み合わせが美しい。スタッキング可能な機能性とモダニズムの造形を併せ持つ一脚。
セレーネチェア Selene Chair
ヴィコ・マジストレッティが1968年に発表したスタッキングチェア。3mm厚のガラス繊維強化樹脂を一体成形し、独創的なS字断面の脚部により優美なシルエットと強度を両立。MoMA収蔵品として20世紀イタリアンデザインを代表する名作に数えられる。
ブレッシング フリップクロック Blessing Flip Clock
1970年代に西ドイツのブレッシング社が製造したスプリットフラップ式卓上時計。スペースエイジの造形美と手巻き機械式ムーブメントが融合した、時代を象徴するヴィンテージクロック。
ABCD ソファ ABCD Sofa
ピエール・ポランが1968年にアーティフォートのために設計したモジュラーソファ。卵パックの有機的起伏に着想を得た波状フォルムを持ち、1960年代後半のスペースエイジ期を代表するソファとして半世紀を超えて評価されている。
可動供給装置 Mobile Supply System
据え付けるものだった台所や浴室を、車輪の上に載せて動かせるようにする。梅田正徳が1968年にミラノでまとめたこの提案は、ドイツで創設された第1回ブラウン賞を受けた。実物大では作られず、図面と模型が香港のM+に残る。
ウーテンシロ Uten.Silo
1969年に誕生したウォールオーガナイザー。ドロテ・ベッカーによる遊び心あるデザインは、さまざまな形状のコンパートメントとフックで日用品を整理できる。現在はVitraが製造し、再生プラスチックを用いたリサイクル仕様(RE)も展開している。
UP5_6 アームチェア&オットマン UP5_6 Armchair and Ottoman
ペッシェが1969年に設計したアームチェアとオットマンの組。内部に骨組みを持たず、発泡ポリウレタンをストレッチ素材で覆っただけで形が保たれる。球形のオットマンが鎖でつながれる。
ソリアナ Soriana
1969年発表のソリアナは、アフラ&トビア・スカルパがカッシーナ社のために設計したソファ。内部構造を持たずクロームスチールのクランプで形状を保つ独創的な構造により、1970年コンパッソ・ドーロ賞を受賞した。
チューブチェア Tube Chair
ジョエ・コロンボが1969年に発表した脱構築的なチェア。4本のポリプロピレン製チューブを自在に組み替え、シェーズロングにもカナペにも変化する。MoMA、メトロポリタン美術館の永久コレクションに収蔵されるイタリアンデザインの名作。
ヴァレンタイン Valentine
エットレ・ソットサスがペリー・A・キングらとともに設計し、オリベッティが1969年に発表した携帯用タイプライター。赤いABS樹脂の本体が、同じ素材のケースにそのまま収まる。事務機器は無彩色という前提を外し、机に据えるのではなく持ち出して使う道具として売り出された。
ボビーワゴン Boby Trolley
ジョエ・コロンボが1970年にデザインした可動式の収納ユニット。回転式トレイと縦型のモジュラー構造により、デスクやキッチン、アトリエなど多様な空間で使える。MoMA永久コレクション収蔵、1971年SMAU賞受賞。
ウルトラフラゴラ Ultrafragola Mirror
エットレ・ソットサスが1970年にデザインした革新的なミラー兼ライトオブジェ。波打つ女性の髪を想起させる流麗な曲線美と、ピンク色に光るネオンライトが幻想的な空間を演出する。ポストモダンデザインを象徴する名作。
カマレオンダ Camaleonda
マリオ・ベリーニが1970年にデザインしたB&B Italiaの伝説的モジュラーソファ。カメレオンのように変幻自在な構成が可能。1972年MoMA展で成功を収め、永久コレクションに収蔵。2020年にサステナブル仕様で復刻。
オプティック クロック Optic Clock
イタリアの鬼才ジョー・コロンボが1970年にデザインした目覚まし時計。カメラのファインダーを彷彿とさせる遮光フードと幾何学的な立方体フォルムが特徴。MoMAに収蔵される、宇宙時代を象徴するプロダクトデザインの代表作。
ガウディ チェア Gaudi Chair
接合部を持たない椅子。座も脚も肘掛けも一つの型から出てくる。肘掛けは背もたれから前方へ伸びてそのまま前脚へ落ち、荷重の経路が連続した曲面として現れる。屋外でも使える。寸法は幅約600mm、高さ約680mm、座面高約390mm。
マレンコ Marenco
マリオ・マレンコが1970年にアルフレックスのために設計したソファ。座・背・肘のクッションが個別に仕上げられ、支持フレームごとベースへ差し込まれる。発表から半世紀を経て今も主力製品である。
プロナ Plona
1970年、ジャンカルロ・ピレッティは肘掛けのある折りたたみ椅子をつくった。座面から背、肘の立ち上がりまでを一枚のシェルにまとめ、側面の一点で畳む。プロナは発表の2年後にニューヨーク近代美術館へ収蔵され、現在も生産が続いている。
パレンテシ Parentesi
天井から床まで張ったスチールケーブルに沿って照明ヘッドが自由に上下する照明。湾曲したチューブとケーブルの摩擦で任意の高さに固定でき、ねじを使わずに位置を保持する。1979年コンパッソ・ドーロ賞受賞。
パンプキンチェア Pumpkin Chair
1971年、ポンピドゥー大統領のエリゼ宮殿のためにピエール・ポランがデザイン。カボチャを思わせる豊かな曲線と包容力のある座り心地を併せ持つ、フランスデザイン史に輝くリーン・ロゼの名作ラウンジチェア。
エロス ダイニングテーブル Eros Dining Table
イタリアの建築家アンジェロ・マンジャロッティが1971年に設計したエロス ダイニングテーブル。接着剤もボルトも用いず、重力だけで天板と脚部を結合させる革新的構造が、大理石の彫刻的な美しさを極限まで引き出した名作テーブルです。
セルペントーネ Serpentone
ソファを完成した家具として売らないという判断が、この製品の要にある。メートル単位で販売され、必要な長さだけ買って直線にも曲線にも並べる。部屋の形が先にあり、家具がそれに従う。板を連ねた構成のため、うねりながら伸びる形になる。
ソフ・ソフ Sof-Sof Chair
エンツォ・マーリが1971年に設計した椅子。9本の鋼線がそれぞれ閉じた輪をなし、並べて溶接することで座面の高さと背もたれの傾きが同時に決まる。脚や座枠を別部材として組めば接合部を確保する断面が要るが、この構成では線が交わる位置がそのまま接合部になるため部材を細く保てる。座布団は構造には関わらない。
プラトーネ Platone
ジャンカルロ・ピレッティが1971年に設計した折りたたみのデスク。折りたたみ椅子で先に成立した3枚のディスクによる軸を天板のある家具へ移し、開けば脚が前後に分かれ、畳めば脚枠が天板に重なって板状に収まる。
ティツィオ Tizio
1972年、リチャード・サッパーがArtemideのためにデザインしたデスクランプ。配線を完全に排除し、カウンターウェイトによる自在な可動性を実現。コンパッソ・ドーロ賞受賞、MoMA永久コレクションに選定された現代照明デザインの代表作。
KF 20 アロマスター KF 20 Aromaster
KF 20 Aromasterは、1972年にフロリアン・ザイフェルトがデザインしBraunが製造したドリップ式コーヒーメーカー。ディーター・ラムス率いるBraunデザインの方針に沿った、円筒形の純白ボディと機能美を極めたミニマリズムで、工業デザイン史に残る名作として知られている。
ル・バンボーレ Le Bambole
972年、マリオ・ベリーニがB&Bイタリアのためにデザインしたシーティングコレクション。巨大なクッションのような有機的フォルムが支持構造の存在を消去し、ソファの概念を一新。1979年コンパッソ・ドーロ受賞、MoMA永久収蔵の名作。
ストリップス Strips
チニ・ボエリとラウラ・グリツィオッティがアルフレックスのために設計したモジュラーシーティング。ファスナーで着脱するキルティングカバーが構成の中心にあり、1979年にコンパッソ・ドーロを受賞した。
ピエール・シャポー S34チェア Pierre Chapo S34 Chair
1973年にピエール・シャポーによってデザインされたS34チェアは、収束する四本の脚と七の字型の背もたれが特徴的なダイニングチェア。非対称ながら釣り合いの取れたフォルムは、建築的な精密さと素朴な造形を結びつけたシャポーの考え方をよく示している。
トーゴ Togo
1973年にミシェル・デュカロワがデザインした、リーン・ロゼを象徴するソファ。木や金属のフレームを用いないオールフォーム構造と有機的なフォルムが特徴で、発売から50年を超えて世界中で使われ続けている。
マラルンガ Maralunga
1973年にヴィコ・マジストレッティがデザインしたイタリアンデザインの名作ソファ。自転車チェーンを応用した可動式背もたれ機構を世界で初めて搭載。1979年コンパッソ・ドーロ受賞、MoMA永久収蔵作品。カッシーナのベストセラーとして半世紀以上生産が続く。
265 ウォールランプ 265 Wall Lamp
テーパーの付いた鋳鉄の錘がアームの重量を相殺するため、2mを超える長さでありながら指一本で位置を変えられる。壁に固定された照明でありながら、ダイニングテーブルの上やソファの脇まで光が届く。リッツァットは各部の機能に色を割り当てる構想も持っていた。
セディア 1(アウトプロゲッタツィオーネ) Sedia 1 (Autoprogettazione)
イタリアのデザイナー、エンツォ・マーリが1974年に発表したDIYチェアの代表作。パイン材と釘のみで構成されるシンプルな構造ながら、人間工学的快適性と構造美を実現。デザインの民主化を目指した教育的プロジェクトAutoprogettazioneの象徴的作品として、現代のメイカームーブメントにも影響を与え続けている。
パシャ ラウンジチェア Pacha Lounge Chair
ピエール・ポーランによる1975年のデザイン。雲のような有機的フォルムと脚を排したローレベル構造が特徴。戦後の禁欲的デザインから脱却し、快適性と彫刻性を融合させた1970年代モダニズムの象徴的作品。
ヴァーテブラ Vertebra
背中を預ければ背もたれが倒れ、同じ動きで座面が前へ滑り出す。1976年に発表されたヴァーテブラは、調節の幅を広げるかわりに、操作する機構そのものを減らした事務用椅子である。機構の特許を持つオランダの会社が地域ごとに生産を許諾し、イタリア、アメリカ、日本でそれぞれの市場向けに作られた。
アトーロ Atollo
円柱、円錐、半球という純粋な幾何学形態を組み合わせたアトーロは、1977年にヴィコ・マジストレッティがデザインした名作テーブルランプ。1979年コンパッソ・ドーロ賞受賞。イタリアンデザインを代表する照明。
キャブ 412 Cab 412 Chair
ベリーニがカッシーナのために設計したアームレスのチェア。裁断した革を縫い合わせたカバーが自立して外形を保ち、スチールパイプのフレームは内側に隠れる。カバーは脚の内側のジッパーで留める。
キャブ 413 Cab 413 Armchair
ベリーニによるキャブのアームレスト付きモデル。アームレストは別部材ではなく、背もたれから続く革の面として立ち上がる。幅620mm、座面高450mmで、アームレスのない412と座面の高さをそろえている。
ナタリー Nathalie
1978年発表のナタリーは、ヴィコ・マジストレッティがFlou社のためにデザインした現代テキスタイルベッドの祖。ヘッドボードの愛らしいリボンと着脱可能なカバーが特徴で、2020年コンパッソ・ドーロ生涯功労賞を受賞した名作です。