概要
265は、パオロ・リッツァットが1973年に設計したウォールランプである。壁面のブラケットから細い鋼のアームが伸び、先端に反射傘が付く。反対側には鋳鉄の錘が下がり、アームの重量を相殺する。アーム長は約2mに達する。フロスが製造している。
特徴・コンセプト
錘で釣り合わせる
長いアームの先に傘を付けると、支点にかかる曲げの力が大きくなる。関節を固く締めて位置を保つ方法もあるが、動かすたびに力が要る。265は反対側に鋳鉄の錘を下げ、支点をはさんで重量を釣り合わせた。
釣り合っているため、指一本で位置を変えられ、動かした位置でそのまま留まる。錘はテーパーが付いており、機構がそのまま外形として現れる。
壁の一点から光を持ち出す
天井の中央に照明を据えると、光の位置は建築の側で決まる。265は壁面のブラケット一箇所から2m先まで光を運べるため、家具の配置が決まっていない部屋でも対応できる。ヘッドは360度回転し、アームとブラケットもそれぞれ動く。
素材と仕様
本体は塗装鋼、錘は鋳鉄、反射傘の支持部にはクロムめっきの真鍮を用いる。重量は約6kgで、取り付ける壁面には相応の下地が要る。ソケットはE27。
リッツァットは当初、各部の機能に色を割り当てる構想を持っていた。傘は赤、錘は黄、接続アームは青という配分である。この考え方は後年、Chromaticaの名を加えた仕様として製品化された。
エピソード
265が構想された1973年は、住まいの使われ方が単一の用途から複合的なものへ移りつつあった時期にあたる。天井中央に照明を据えるのではなく、必要な場所へ光を動かすという解答は、部屋の使い方が固定されない状況を前提としている。
リッツァットは1965年にミラノ工科大学で建築を修めた。ルーチェプランの創業者の一人でもある。
評価と影響
リッツァットはコンパッソ・ドーロを5度受けている。動線上にアームが張り出す配置では接触に注意が要る。
4館の公開データでは、265の収蔵は確認できていない。
パオロ・リッツァットの設計思想や経歴について詳しくはパオロ・リッツァットプロフィールページをご覧ください。
フロスの歴史や他の製品について詳しくはフロスブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | 265 ウォールランプ / 265 Wall Lamp |
|---|---|
| デザイナー | パオロ・リッツァット(Paolo Rizzatto) |
| ブランド | フロス(Flos) |
| 発表年 | 1973年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | ウォールランプ |
| 構造 | 支点をはさんで鋳鉄の錘がアームの重量を相殺する |
| 主要素材 | 塗装鋼(本体・アーム)、鋳鉄(錘)、クロムめっき真鍮(反射傘支持部) |
| サイズ | アーム長約2,050mm、ブラケット奥行約850mm、高さ約350mm |
| 重量 | 約6kg |
| 可動 | ヘッド360度回転。アーム・ブラケットとも角度調整可 |
Reference
- 265 | Flos
- https://flos.com/en/products/265/