ガウディ チェアは、ヴィコ・マジストレッティが1970年にアルテミデのために設計したアームチェアである。成形プラスチックによる一体成形で、座面から肘掛け、背もたれまでが連続した面をなす。
名称はアントニ・ガウディに由来する。有機的な曲面と、構造がそのまま形になっている点に、その参照が示されている。
特徴・コンセプト
この椅子には接合部がない。座も脚も肘掛けも一つの型から出てくる。プラスチックの成形技術が到達した水準を、そのまま造形の前提に置いた設計である。
肘掛けは背もたれから流れるように前方へ伸び、そのまま前脚へ落ちる。荷重の経路が連続した曲面として現れており、どこが構造でどこが装飾かという区別が成り立たない。
寸法は幅約600mm、奥行約670mm、高さ約680mm、座面高約390mm。座面が低く、奥行があるため、姿勢を預ける座り方になる。屋外でも使える。
1970年前後のイタリアでは、プラスチックによる家具が相次いで発表された。ウニヴェルサーレ チェア 4867やパントンチェアなどが同時期にあたる。ガウディはそのなかで、アームチェアという類型を一体成形で解いた例に位置づけられる。
背景
マジストレッティは建築家として訓練を受け、家具、照明、日用品を手がけた。アルテミデとは長期の協働関係を持つ。
アルテミデとの仕事では、照明のエクリッセ テーブルランプ(1965年)とともに、プラスチック家具のセレーネチェア、ヴィカリオ アームチェア、そしてガウディ チェアが知られる。素材の可能性を試しながら、造形を単純に保つという姿勢が共通する。
アルテミデは照明メーカーとして知られるが、1960年代から70年代にかけては家具も手がけていた。プラスチック成形の技術を照明と家具の双方に応用した時期にあたる。
評価
実務では、屋内外を問わず使える点が利点になる。一体成形で継ぎ目がないため、水がかかっても内部に浸入しない。テラスと室内で同じ椅子を使い、空間を連続させる運用ができる。
一方、座面が低く奥行があるため、食卓用には向かない。姿勢を保つ用途ではなく、くつろぐための椅子である。同じマジストレッティのセレーネチェアは、より背筋の立つダイニング向けの構成をとる。
ヴィコ・マジストレッティの設計思想や経歴について詳しくはヴィコ・マジストレッティプロフィールページをご覧ください。
アルテミデの歴史や他の製品について詳しくはアルテミデブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | ヴィコ・マジストレッティ / Vico Magistretti |
|---|---|
| 発表年 | 1970年 |
| ブランド | アルテミデ / Artemide |
| カテゴリー | アームチェア |
| 素材 | 成形プラスチック(一体成形) |
| サイズ | 幅 約600mm × 奥行 約670mm × 高さ 約680mm |
| 座面高 | 約390mm |
| 使用環境 | 屋内・屋外 |
| 名称の由来 | アントニ・ガウディ |