概要
コンポニビリは、アンナ・カステッリ・フェリエーリが1967年にカルテルのために設計したモジュール式の収納である。同年のミラノ・サローネで公開された。ABS樹脂の射出成形による一体成形で、ネジや接着剤を使わずに各段を積み重ねられる。名称はイタリア語で「組み合わせられる」を意味する語に由来する。
特徴・コンセプト
取手を穴にする
扉を開閉するための取手は、本体に開けられた円形の穴が兼ねる。突起する部品を持たないため、円筒の輪郭が途切れない。取手を別部品として付ければ、成形後の組み立て工程が増え、突起がぶつかる原因にもなる。穴にすることで、成形の一工程でまかなえる。
積むだけで固定される
各段は、上下が舌状の溝で噛み合う。垂直に積み重ねるだけで嵌合するため、接着剤やネジを必要としない。2段、3段、4段と段数を変えられ、後から足すこともできる。オプションのキャスターを付ければ可動式になる。
ABS樹脂と一体成形
素材にはABS樹脂が用いられる。耐衝撃性と加工性に優れ、複雑な形状の一体成形に適している。扉のスライド機構や円形の取手穴を含めた全体を、射出成形で製造できる。スライド式の扉は、舌状の溝構造によって開閉する。
展開
当初は円形のモデルとして発表され、その後より大型のモデルや正方形の仕様が加えられた。色は光沢仕上げの定番色に加え、時期に応じてさまざまな色が用意されてきた。2019年には、農業副産物の発酵により得られる素材を使ったComponibili Bioが加わっている。
エピソード
発表当時、プラスチックは家庭用の家具の素材として一般的ではなかった。カルテルはプラスチック成形の技術を早くから蓄えており、コンポニビリはその技術を背景に生まれている。
1972年にニューヨーク近代美術館で開かれた展覧会「Italy: The New Domestic Landscape」に出品された。同じ展覧会にはピピストレロも展示されている。
評価と影響
1967年の発売から現在まで生産が続いている。同じカルテルではルールーゴーストなど、樹脂の一体成形による製品が展開されている。
美術館コレクション
ニューヨーク近代美術館は、カステッリ・フェリエーリが1988年に設計したアームチェア(model 4814)を収蔵番号336.2025で登録している(製造元からの寄贈)。コンポニビリ自体はパリのポンピドゥー・センター国立近代美術館が所蔵している。
アンナ・カステッリ・フェリエーリの設計思想や経歴について詳しくはアンナ・カステッリ・フェリエーリプロフィールページをご覧ください。
カルテルの歴史や他の製品について詳しくはカルテルブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | コンポニビリ / Componibili |
|---|---|
| デザイナー | アンナ・カステッリ・フェリエーリ(Anna Castelli Ferrieri) |
| ブランド | カルテル(Kartell) |
| 発表年 | 1967年(ミラノ・サローネ) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | 収納家具(モジュール式) |
| 主要素材 | ABS樹脂(Componibili Bio は農業副産物由来の素材) |
| 構造 | 舌状溝による嵌合。積み重ねるだけで固定され、ネジ・接着剤が不要 |
| 取手 | 本体に開けた円形の穴が兼ねる |
| 展開 | 円形(標準・大型)、正方形。段数は2段・3段ほか。キャスターはオプション |
| 展示歴 | 「Italy: The New Domestic Landscape」展(1972年、ニューヨーク近代美術館) |
Reference
- Componibili | Kartell
- https://www.kartell.com/us/en/componibili/