概要

プラトーネは、ジャンカルロ・ピレッティが1971年に設計した折りたたみ式のデスクである。天板と2組の脚枠を1本の軸にまとめる構成をとり、開いた状態で幅830mm、奥行650mm、高さ730mm。畳むと脚枠が天板に重なり、高さ960mmの板状に収まる。同じ軸の考え方は、製造元アノニマ・カステッリの折りたたみ椅子で先に成立したもので、それを天板のある家具へ移した製品にあたる。現在も同社のカタログに残っている。

特徴・コンセプト

3枚のディスクで1点に集めた回転軸

この机は、天板の縁を巻く金属の枠と、床まで下りて折り返す2組の脚枠、合わせて3つの部材からできている。3つの端部は天板の一辺の1か所に集められ、重ねた3枚のディスクを介して同じ中心のまわりを別々に回る。折りたたみ家具は部材ごとに蝶番を置くのが通例で、その数だけ厚みと金物が増える。回転の中心を1点にまとめたことで、畳んだときの厚みは天板と脚枠を重ねた分に収まり、外から見える金物は天板の端にある円盤だけになった。

片持ちで張り出す天板

2組の脚枠は軸から前後に開き、前方の接地部は天板の先端より内側にとどまる。天板はそこから片持ちで張り出し、使う側の手前には脚が出ない。支持する部材が一辺に集まるぶん、天板に載る荷重は軸より外側に掛かり、天板は軸を中心に回ろうとする。製造元は、構成部材の配置を定めることで使用中に天板が返らないようにしたと説明している。回転軸を1点に集約する方式を椅子から机へ移すにあたり、解く必要があったのがこの点である。

時期によって異なる素材

ニューヨーク近代美術館が収蔵する個体(420.1972)は、クロームめっきのスチールパイプとABS樹脂による構成で登録されている。現行品では構造材に磨いたアルミニウム、天板に塗装した硬質ポリウレタンが用いられ、天板の色は6色から選べる。いずれの時期も天板は金属の枠で縁を巻かれ、その枠の端部が軸を受ける。面材そのものに軸を留めない構成である。

エピソード

製造元は、1960年代から1970年代にかけて手がけた一連の折りたたみ家具をひとつの家族にたとえ、プラトーネを兄、椅子のプリアチェアとアームチェアのプローナを姉妹、プラフを弟として紹介している。3枚のディスクによる軸は椅子で先に成立した仕組みで、同社はプラトーネをそのなかで最も大胆な適用と位置づけている。

アノニマ・カステッリは2019年から過去の製品の復刻に取り組んでおり、プラトーネもその対象に含まれる。現行品の素材と仕上げが発表当時のものと異なるのは、この経緯による。

美術館コレクション

ニューヨーク近代美術館は、1971年設計のプラトーネを収蔵番号420.1972で登録している(製造元からの寄贈。クロームめっきのスチールパイプとABS樹脂、71.1×83.5×64.8cm、建築・デザイン部門)。同館は1972年に、製造元からの寄贈でピレッティが設計した3点をまとめて登録しており、残る2点はプローナ(418.1972.1-2)とプリア(419.1972.1-2)である。

基本情報

名称 プラトーネ / Platone
デザイナー ジャンカルロ・ピレッティ(Giancarlo Piretti)
ブランド アノニマ・カステッリ(Anonima Castelli)
発表年 1971年(製造元の現行カタログは設計年を1970年と記載)
デザインの成立国 イタリア
分類 デスク(折りたたみ)
主要素材 現行品はアルミニウム(構造材)と塗装した硬質ポリウレタン(天板)。初期のものはクロームめっきのスチールパイプとABS樹脂
サイズ 幅830mm × 奥行650mm × 高さ730mm(現行品)
天板の厚さ 44mm(現行品)
折りたたみ時の高さ 960mm(現行品)
天板の色 6色(現行品)
収蔵 ニューヨーク近代美術館(420.1972)

Reference

Platone di Giancarlo Piretti | Anonima Castelli
https://www.anonimacastelli.com/products/platone
Anonima Castelli Catalogue(製品解説・寸法図)
https://totimodesign.com/cdn/shop/files/Anonima_Castelli_Catalogue_6985cf6e-4105-44dd-b635-528766cb1784.pdf
Giancarlo Piretti. Platone Folding Desk. 1971 | MoMA
https://www.moma.org/collection/works/3532