アノニマ・カステッリ

アノニマ・カステッリ(Anonima Castelli)は、1877年にイタリア・ボローニャで創業した家具メーカーである。木工房から出発し、20世紀を通じてオフィス家具と公共空間の分野で存在感を高め、プラスチックや金属といった新素材を用いた量産家具でイタリアン・デザインの一角を担ってきた。折りたたみ椅子プリア(Plia)の製造元として広く知られている。

ブランドの特徴

アノニマ・カステッリの製品づくりは、優れたデザインを工業生産の工程へ落とし込む姿勢に貫かれている。職人の手仕事に由来する精度を保ちながら、機構部品の規格化と効率的な製造によって、量産と品質を両立させてきた。椅子やモジュール家具を中心に、住空間とオフィス空間の双方へ向けた製品を展開している。

ブランドヒストリー

創業は1877年、エットレ・カステッリがボローニャに開いた木工房「エバニステリア・カステッリ」に始まる。20世紀初頭にはイタリアの公共機関への納入を手がけ、家具製造の基盤を固めた。1930年代末に社名をアノニマ・カステッリとし、伝統的な木工から近代的なオフィス家具の工業生産へと軸足を移した。

1960年代、デザイナーのジャンカルロ・ピレッティが入社すると、椅子の研究開発を専門とする部門が設けられ、同社の製品は住空間へと広がった。1967年にミラノの見本市で発表されたプリアは、透明樹脂の座面とクロームメッキ・スチールのフレームを組み合わせた折りたたみ椅子として反響を呼び、同社の名を国際的に知らしめた。

1990年代にはアメリカのハーワース・グループの傘下に入り、国際市場での展開を進めた。2015年にはパヴァン家の経営下でアノニマ・カステッリ社として再編され、過去の代表作の再生産に取り組んでいる。現在の生産拠点はイタリア北部のフィウメ・ヴェネトに置かれている。

主な製品とデザイナー

同社を代表する製品は、ジャンカルロ・ピレッティによるプリア(1967年)とその関連シリーズである。三枚の金属ディスクによる回転機構を用いたピレッティの一連の折りたたみ家具は、同社の技術的な性格をよく示している。

ピレッティのほかにも、エミリオ・アンバース、リチャード・サッパー、チャールズ・ポロック、フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ、アンナ・カステッリ・フェリエーリら、多くのデザイナーが同社の製品を手がけた。アンバースとピレッティによる着座機構ヴェルテブラをはじめ、複数の製品がコンパッソ・ドーロ賞を受けている。

正式名称アノニマ・カステッリ(Anonima Castelli)
創業年1877年
創業者エットレ・カステッリ
イタリア
拠点イタリア・フィウメ・ヴェネト
公式サイトhttps://www.anonimacastelli.com