概要

アンナ・カステッリ・フェリエーリ(1918-2006)は、イタリアの建築家・デザイナーである。1966年から1987年までカルテルのアートディレクターを務めた。1967年のコンポニビリは、円筒の単位を積み重ねる収納で、樹脂の回転成形による。同社の製品構成を20年以上にわたって決めた立場にあたる。

バイオグラフィー

1918年8月6日、ミラノに生まれた。ミラノ工科大学で建築を学び、1943年に修了している。

1946年から雑誌『Casabella』の編集に関わった。建築の設計も行っている。

夫のジュリオ・カステッリは1949年にカルテルを設立した。1966年からアートディレクターを務めている。

1987年に同社を離れた。ミラノ工科大学とドムス・アカデミーで教えている。2006年に没した。

デザインの思想と方法

カルテルは樹脂を扱うメーカーである。カステッリ・フェリエーリが担ったのは、この材料で何が作れるかを製品の体系として組み立てることだった。工法が決まれば、作れる形の範囲も決まる。

回転成形で中空をつくる

回転成形では、型を回しながら樹脂を内側に付着させる。中空で肉厚が均一な立体が作れ、継ぎ目が生じない。円筒はこの工法に適した形にあたる。

単位を積み重ねる

コンポニビリは、同じ円筒の単位を積み重ねて高さを決める。単位の数だけを変えれば、卓上から床置きまで対応できる。型は一つで済む。

扉を円弧で滑らせる

円筒の側面に沿って扉が回る。開いても前方の空間を要さないため、狭い場所に置ける。円筒という形から導かれる開閉の方式にあたる。

製品群を体系として組む

アートディレクターとして、素材、色、寸法の体系を定めた。個々の製品ではなく、樹脂で作れる製品群全体を扱う立場になる。

代表作にみる方法

コンポニビリ(1967年、カルテル)

同じ円筒の単位を積み重ねる収納である。回転成形により中空で肉厚が均一、継ぎ目も生じない。単位の数だけを変えれば卓上から床置きまで対応でき、型は一つで済む。扉が円筒の側面に沿って回るため、開いても前方の空間を要さない。→コンポニビリ

4870 チェア(1985年)

樹脂の射出成形による椅子である。積み重ねられる。

4814 アームチェア(1988年)

肘掛け椅子である。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号336.2025)。

アートディレクション(1966-1987年)

カルテルの製品構成を21年にわたり決めた。素材、色、寸法の体系を定める立場にあたる。

教育(1980-90年代)

ミラノ工科大学とドムス・アカデミーで教えた。設計の実務と並行している。

評価と影響

カステッリ・フェリエーリは、樹脂で作れる製品群を体系として組み立てた設計者と評価されている。1966年から1987年までカルテルのアートディレクターを務めた。

コンポニビリは1967年の設計で、現在も生産が続いている。単位を積み重ねるという構成と、円弧を描く扉の開閉方式が変わっていない。

1979年と1987年にコンパッソ・ドーロ賞を受けた。ミラノ工科大学とドムス・アカデミーで教えている。

受賞・収蔵

受賞

  • 1979年、1987年 コンパッソ・ドーロ賞

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。

  • MoMA アームチェア(モデル4814、1988年) 収蔵番号 336.2025

V&A、Met、AIC では該当する収蔵は確認できなかった。イタリア国内の館については照合手段がない。

作品一覧

区分 作品名 ブランド
1966-1987年 ディレクション カルテル アートディレクター Kartell
1967年 収納 コンポニビリ Kartell
1985年 椅子 4870 チェア Kartell
1988年 椅子 4814 アームチェア Kartell
1940-60年代 建築 建築の設計 ミラノ、イタリア
1980-90年代 教育 ミラノ工科大学、ドムス・アカデミー ミラノ、イタリア

プロフィール

生没年 1918年8月6日〜2006年
出身地 イタリア・ミラノ
国籍 イタリア
活動拠点 ミラノ
分野 収納、家具、建築、教育
主な協働ブランド Kartell

Reference

Kartell
https://www.kartell.com/
The Museum of Modern Art Collection
https://www.moma.org/collection/works/2325