トーゴ(Togo)は、フランスのデザイナー、ミシェル・デュカロワが1973年に発表したソファである。フランスの家具ブランド、リーン・ロゼから発売され、木や金属のフレームを用いず、全体をフォームで構成した点が大きな特徴である。地面に近い低い座面と、うねるような曲線を描く柔らかなフォルムが特徴で、発表から半世紀を経た現在も広く親しまれるロングセラーとなっている。
特徴・コンセプト
オールフォーム構造
トーゴの大きな特徴は、木製や金属製のフレームを一切使わず、全体をポリウレタンフォームで構成した「オールフォーム構造」にある。すべてをフォームで作った座面として世界で初めて登場したとされ、密度の異なる複数のフォームを組み合わせることで、適度な弾力と身体を包み込む柔らかさを両立させている。どこに触れても硬い部分や尖った箇所がなく、独特の座り心地を生み出している。
フォルムとデザインの由来
デュカロワは、洗面台の上で折れ曲がった歯磨き粉のチューブを眺めていたときに、このフォルムの着想を得たと語っている。両端が閉じて自らを折り返したような形状が、座面から背もたれ、肘掛けまで一体となった流麗なシルエットへとつながった。キルティングによる皺のようなテクスチャーは「しわの寄った新生児のよう」「シャーペイ犬の皺のよう」とも形容され、直線的で構築的な従来のソファとは異なる、彫刻のような有機的な外観をもつ。
地面に近い低い座面は、くつろぎながら自由な姿勢をとることを可能にし、1970年代の形式にとらわれない生活様式とも重なり合った。
軽量性とモジュラー性
オールフォーム構造は、軽量性という利点ももたらす。1人掛けで約10kg、3人掛けでも約19kg程度と軽く、模様替えや掃除の際にも動かしやすい。1人掛け、2人掛け、3人掛けのほか、両肘付き、コーナー、パフ(オットマン)、シェーズロング、2007年に加わったキッズ用のミニサイズまで幅広く用意され、これらを組み合わせて空間に合わせた構成をつくることができる。
製造
トーゴは発表以来、フランス・アン県ブリオールにあるリーン・ロゼの工場で製造されている。張り込み作業は熟練した職人の手作業で行われ、ファブリック張りでおよそ4時間、レザー張りでおよそ6時間を要する。生地・カラーのバリエーションは豊富で、使用後も張り替えやフォームの補充といったメンテナンスに対応しており、長く使い続けられる。
基本情報
| 名称 | トーゴ(Togo) |
|---|---|
| デザイナー | ミシェル・デュカロワ(Michel Ducaroy, 1925-2009) |
| 発表年 | 1973年 |
| メーカー | リーン・ロゼ(Ligne Roset) |
| 製造国 | フランス |
| 素材 | ポリウレタンフォーム(3種類の異なる密度)、ポリエステル綿、キルト式カバー |
| サイズ(3人掛け) | W174 × D102 × H70 cm(座面高38cm) |
| サイズ(2人掛け) | W131 × D102 × H70 cm(座面高38cm) |
| サイズ(1人掛け) | W87 × D102 × H70 cm(座面高38cm) |
| バリエーション | 1人掛け、2人掛け、3人掛け、両肘付き、コーナー、パフ、シェーズロング、ミニ(キッズ用) |
| 受賞 | ルネ・ガブリエル賞(1973年) |