Ligne Roset(リーン・ロゼ)
Ligne Roset(リーン・ロゼ)は、1860年の創業以来、フランスの伝統的職人技術と革新的なデザインを融合させ、コンテンポラリーなライフスタイルをトータルに提案するフランス有数のインテリアブランドです。創業者アントニー・ロゼの名を冠したこのブランドは、「Ligne(コレクション)」と「Roset(ロゼ)」を組み合わせた"ロゼコレクション"という意味を持ち、世界約150名のデザイナーとのコラボレーションにより、常に時代の先端を行く家具を生み出し続けています。リヨン郊外ブリオードの小さな木工所から始まった企業は、今日では世界約50カ国、700店舗以上を展開する国際的ブランドへと発展を遂げました。
ブランドヒストリー
創業から戦後復興期へ(1860年~1950年代)
1860年、フランス・リヨン郊外のブリオードにおいて、創業者アントニー・ロゼによりロゼ社が誕生しました。ローヌ川の支流ブリバス川の近くに位置するこの地は、豊富なブナ材に恵まれており、当初は傘とステッキを製作する従業員30名程度の小さな木工所としてその歴史をスタートさせました。高度な木工技術を培いながら、やがて伝統的な家具製造へと事業を拡大していきます。
第二次世界大戦後、ロゼ社は戦後復興期における家具需要の急増に対応し、主に椅子を中心とした家具を病院や学校などの公共施設へ供給することで、フランス社会の再建に大きく貢献しました。この時期に培われた確かな製造技術と品質管理体制が、後の飛躍への礎となります。
モダン家具への転換期(1950年代~1960年代)
1950年代に入ると、ロゼ社は大きな転換期を迎えます。徹底的に装飾を排したシンプルでモダンな家具の製造を開始し、従来の伝統的スタイルから脱却を図りました。この革新的なアプローチは、戦後の新しいライフスタイルを求める人々に歓びと感動をもって受け入れられ、センセーショナルなデビューを飾ることとなります。
1963年には、家具業界に革命をもたらす画期的な製品が誕生します。総ウレタンフォーム構造のソファの開発に成功したのです。フレームや木枠を一切使用せず、高密度ポリウレタンフォームのみで構成されたこの斬新な構造は、世界中の家具マーケットに大きな衝撃を与え、ロゼ社の名を国際的に知らしめることとなりました。
ブランド確立と国際的飛躍(1970年代~1980年代)
1973年は、リーン・ロゼの歴史において最も重要な年となりました。この年、正式に「ligne roset(リーン・ロゼ)」ブランドが設立され、同年にパリにロゼショップ1号店が出店されます。そして同じく1973年、フランス人デザイナー、ミッシェル・デュカロワがデザインした伝説的なソファ「TOGO(トーゴ)」がパリ国際家具見本市で発表されました。
力強い蜂の腹部をモチーフとした独創的なフォルムと、革新的なオールウレタン構造が融合したTOGOは、従来のソファの概念を覆す衝撃的な作品として、瞬く間に世界中のデザイン界に多大な影響を与えました。この成功により、リーン・ロゼは一躍、コンテンポラリー家具の代表的ブランドとしての地位を確立します。以降、「コンテンポラリーなライフスタイルをトータルに提案する」というコンセプトのもと、世界のトップデザイナーとの協働により創り出される作品は、ケルン、ミラノなど国際家具見本市で数多くの賞を受け続けています。
グローバル展開と現在(1990年代~現在)
1990年代以降、リーン・ロゼは真のグローバルブランドへと成長を遂げます。現在、リーン・ロゼに携わるデザイナーは約150名に及び、ソファ、キャビネット家具のほか、ダイニング、照明、ラグ、アクセサリー、カーテン、テーブルウェアに至るまで、トータルなライフスタイルを提案しています。
フランス・リヨンの東部に位置する巨大な6つの工場では、1500名を超える従業員が、伝統的な職人技と最新技術を融合させながら、世界約50カ国、700店舗以上の販売拠点へ向けて製品を供給しています。日本においても、東京、山梨、愛知、大阪、福岡に複数のオンリーショップを展開し、フランスのエレガンスと革新性を日本の顧客へ届け続けています。
ブランドの特徴とコンセプト
フレンチ・タッチの精神
リーン・ロゼの根底に流れるのは、世界的に有名な「フレンチ・タッチ」の精神です。フランスの文化とテイストから生まれたこのブランドは、他の高級ブランドと同様、伝統と歴史を尊重しながらも常に新しいことを追求し続けています。パリの洗練された美意識と、革新を恐れない進取の気性が見事に融合した製品群は、コンテンポラリーデザインと製品クオリティに特別敏感な世界中の顧客から高い評価を受けています。
世界のトップデザイナーとのコラボレーション
リーン・ロゼの最大の特徴は、世界各国の約150名に及ぶデザイナーとの継続的なコラボレーションにあります。フランス、ドイツ、イギリス、日本など、国籍も世代も多様なデザイナーたちとの協働により、その多様性とオリジナリティを通じて、現代社会の様々な生活スタイルを表現し続けています。各デザイナーの個性を最大限に尊重しながらも、リーン・ロゼならではの洗練された美意識と高品質を保ち続ける姿勢は、真のコラボレーションの理想形といえるでしょう。
革新的な素材へのアプローチ
1963年の総ウレタンソファの開発に象徴されるように、リーン・ロゼは常に新しい素材と技術に果敢に挑戦してきました。1960年代にヨーロッパの家具市場に登場した発泡ポリウレタンや積層プラスチックなどの斬新な素材をいち早く採用し、従来の木材や金属といった伝統的素材と組み合わせることで、それまでにない家具の可能性を切り拓いてきました。革新的でありながら快適性と耐久性を両立させる、この姿勢こそがリーン・ロゼの真骨頂です。
トータルライフスタイルの提案
リーン・ロゼが提案するのは、単なる個々の家具ではなく、空間全体を統一されたコンセプトで包み込むトータルなライフスタイルです。ソファやチェアといったシーティング家具から、ダイニングテーブル、キャビネット、照明器具、ラグ、カーテン、さらにはテーブルウェアやアクセサリーまで、インテリアを構成するあらゆる要素を網羅しています。毎年発表される豊富なラインナップと、多彩な生地・カラーバリエーションにより、個々の空間に最適な組み合わせを実現することができます。
代表的なコレクションとその特徴
TOGO(トーゴ)- 不朽のアイコン
1973年にミッシェル・デュカロワによってデザインされたTOGOは、リーン・ロゼを象徴する永遠のマスターピースです。力強い蜂の腹部をモチーフとした独創的なフォルムは、木枠を一切使用せず、4種類の異なる比重のウレタンフォームを緻密に組み合わせることで実現されています。キルティングされた表面は、単なる装飾ではなく、身体の形状に追従して最適なサポートを提供するための機能的デザインです。
発表から半世紀以上が経過した現在も、その斬新さと魅力は全く色褪せることなく、世界中で愛され続けています。超軽量で移動も容易でありながら、極上の座り心地を実現するこのソファは、リビング、プライベートスペース、オフィスラウンジなど、あらゆる空間において、リラックスした現代的なライフスタイルを提案し続けています。豊富なカラーバリエーションと、様々なサイズ展開により、空間に合わせた自由な組み合わせが可能です。
PRADO(プラド)- 自由なライフスタイルの提案
2014年、ドイツ人デザイナー、クリスチャン・ウェルネールによってデザインされたPRADOは、「座ることへの可能性」を徹底的に追求したセパレート構造のソファです。従来のソファデザインが形態の美しさを重視する傾向にあったのに対し、PRADOは人々の生活様式や行動パターンの研究から出発し、真に自由で快適な座り方を実現することを目指しました。
背クッションと本体(座面)が完全にセパレートされた設計により、使用者は自由に背クッションを配置することができます。背クッションの底面には滑り止め加工が施されており、座面に置いても床に置いても、安定した背もたれとして機能します。本体座面はシングルサイズのベッドとしても使用可能で、来客時のゲストベッドとしても活用できます。ドイツの権威ある「German Design Award 2015」のホーム&デザイン部門において金賞を受賞したこの革新的なデザインは、現代の多様な生活スタイルに柔軟に対応する家具の新たな可能性を示しています。
PUMPKIN(パンプキン)- 巨匠ポランの復刻
2008年、リーン・ロゼは1960〜70年代のフランスデザイン界を牽引した巨匠ピエール・ポランとのコラボレーションにより、歴史的な復刻プロジェクトを実現しました。かつてフランスのポンピドー大統領が愛用したというこのソファを現代に蘇らせたPUMPKINは、その名が示す通り、カボチャを思わせる有機的で彫刻的なフォルムが特徴です。
パリ国際家具見本市において「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を獲得したこの作品は、ポランの卓越したデザイン哲学と、リーン・ロゼの高度な製造技術が見事に融合した逸品といえます。ポランは生涯を通じて、パリのゴブラン美術館での「デザインと権力展」や、ベルギーのグラン・オルニュ現代美術館での個展「ピエール・ポラン スーパーモダンデザイナー」など、数多くの美術展を開催し、フランスデザイン界の一時代を築いた伝説的デザイナーです。
主要デザイナー
Michel Ducaroy(ミッシェル・デュカロワ)
1925年、フランス・リヨン出身。名高い装飾家の家系Cheley ssin家の子孫として誕生し、生まれながらにデザイナーの道を進むよう運命づけられた人物です。幼少期から家族の経営するインテリアデザイン会社の現場でデザインと技術を学び、さらにリヨン国立美術学校で正統な美術教育を受けました。
1952年に独立し、1954年からリーン・ロゼとのコラボレーションを開始。ウレタンフォームという当時としては革新的な素材を用いたソファの新世代を確立し、1973年の「TOGO」によってその名を不動のものとしました。デュカロワの活動は、美と機能の調和の探求という生涯のテーマを一貫して追求するものであり、リーン・ロゼのデザイン部門において研究、開発、デザインの中心的役割を担い、技術的・機能的限界を押し広げる上で重要な貢献を果たした、20世紀を代表するフランス人デザイナーです。
Pierre Paulin(ピエール・ポラン)
1927年、フランス・パリ出身。1970年の大阪万博においてフランスパビリオンにソファ「Amphys(アンフィス)」を展示するなど、国際的な舞台で活躍しました。1987年には国際インダストリアルデザイン賞を受賞し、60〜70年代のフランスを代表する世界的デザイナーとして確固たる地位を築きました。
2008年、リーン・ロゼとのコラボレーションで、かつてポンピドー大統領が愛用したというソファを復刻した「PUMPKIN」を発表。パリ国際家具見本市において「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」を獲得しました。彫刻的で有機的なフォルムと鮮やかな色彩使いが特徴的な彼の作品は、フランスモダンデザインの黄金期を象徴するものとして、今日でも高く評価されています。
Christian Werner(クリスチャン・ウェルネール)
1959年、ドイツ・ベルリン出身。ベルリンとハンブルクで工業デザインの訓練を受け、1987年からハンブルクのインダストリアルデザイン会社にデザイナーとして勤務。1992年に独立し、ハンブルクにデザインスタジオを設立して以来、数多くの製品とインテリアデザインを生み出してきました。
独創性に満ちた彼の作品は、レッドドット賞をはじめ世界各国で数々の賞を受賞しています。リーン・ロゼとのコラボレーションでは、2014年の「PRADO」が代表作となり、人々のライフスタイルと行動パターンの深い研究に基づいた革新的なセパレート構造により、German Design Award 2015で金賞を獲得しました。日本の石庭からインスピレーションを得た「TERREN(テレン)」など、東洋と西洋の美意識を融合させた作品も手掛けています。
Ronan & Erwan Bouroullec(ロナン&エルワン・ブルレック)
1971年(兄Ronan)と1976年(弟Erwan)、フランス・ブルターニュ地方出身。兄弟で活躍するデザイナーユニットは世界でも珍しく、1997年にパリの「Salon du meuble」に出展した「崩壊したキッチン」というタイトルの作品で注目を集めました。1999年以降、兄弟の活動が本格化し、現代において最も注目を集める若手デザイナーユニットの一人となっています。
リーン・ロゼとのコラボレーションは2001年から始まり、これまで数多くのデザイン賞を獲得してきました。2005年の美しいシェイプが特徴の「FACETT(ファセット)」、2009年のユニークなインテリアオブジェ「CLOUDS(クラウズ)」、そして2011年にフルーツをイメージさせる独特のフォルムで国際家具見本市においてレッドドットデザイン賞を獲得した「PLOUM(プルム)」など、リーン・ロゼのヒット作品を数多く生み出しています。
Marie Christine Dorner(マリー・クリスティーヌ・ドルネル)
デザイナー兼インテリア建築家である彼女は、パリのエコール・カモンド校を卒業後、東京で1年間を過ごし、初の家具コレクションをデザインしました。その後パリで最初のオフィスを開き、数々の著名プロジェクトを手がけています。代表作には、サンジェルマン・デ・プレのラ・ヴィラ、コメディ・フランセーズ・レストラン、シャンゼリゼ通りの頂上にある大統領特別観覧席、およびニーム市の家具デザインなどがあります。
ロンドンに10年以上在住し、フランス外務省大使公邸の設計と内装を手がけるなど、国際的な活動を展開。リーン・ロゼ、モンティス、ベルナルド、バカラなど名だたるメーカーのデザインも行っています。2004年にパリ、東京、京都で展示された彼女のコレクション「Une Forme, One Shape」は、フランスと日本の最高の職人による木、金、磁器、竹、セラミック、複合材料を用いた作品群として高い評価を受け、1995年にはパリ市デザイングランプリを受賞しました。
Philippe Nigro(フィリップ・ニグロ)
フランス・パリ出身のデザイナーで、ルーブル美術館のPierre Beives指導のもと「Ateler des moins de 15ans」で学び、美術職業・応用美術学校で専門教育を受けました。リーン・ロゼとのコラボレーションにより、洗練されたコンテンポラリーデザインを数多く発表しています。
基本情報
| ブランド名 | Ligne Roset(リーン・ロゼ) |
|---|---|
| 創業 | 1860年 |
| 創業者 | アントニー・ロゼ(Antoine Roset) |
| 創業地 | フランス・リヨン郊外ブリオード |
| ブランド設立 | 1973年 |
| 本社所在地 | フランス・リヨン |
| 現社長 | ミッシェル・ロゼ |
| 取り扱い製品 | ソファ、チェア、テーブル、キャビネット家具、照明、ラグ、カーテン、アクセサリー、テーブルウェア |
| 協働デザイナー数 | 約150名 |
| 展開国・地域 | 世界約50カ国 |
| 店舗数 | 700店舗以上 |
| 従業員数 | 1,500名以上 |
| 日本オンリーショップ | 東京(六本木・銀座・新宿)、山梨(甲府)、愛知(名古屋)、大阪(心斎橋)、福岡(博多) |
| 日本ライセンス契約 | ドリームベッド株式会社 |
| 公式サイト | https://www.ligne-roset.jp/ |
リーン・ロゼが提案する価値
リーン・ロゼは、160年以上にわたる歴史の中で、常に時代の先端を走り続けてきました。フランスの伝統的な職人技術を基盤としながらも、革新的な素材と技術への果敢な挑戦を続け、世界各国の才能あるデザイナーとのコラボレーションにより、真にコンテンポラリーな家具を創造し続けています。
リーン・ロゼの製品は、単なる機能的な家具ではありません。それは、空間に洗練された美意識をもたらし、そこに暮らす人々のライフスタイルそのものを豊かにする存在です。TOGOに代表される革新的なデザインは、発表から半世紀を経た今も色褪せることなく、むしろ時代を超えた普遍的な美しさを放ち続けています。
フランスの文化とエレガンス、革新への情熱、そして確かな品質。これらすべてが融合したリーン・ロゼの家具は、世界中の洗練された空間において、かけがえのない存在として愛され続けています。コンテンポラリーデザインと製品クオリティに敏感な日本の顧客の皆様にも、リーン・ロゼのクリエイティビティを高く評価し、愛用していただけることを心より願っております。