はじめに

フリーダは、オド・フィオラヴァンティが設計し、イタリアのペドラリが2008年から生産しているダイニングチェアである。オーク無垢材で組んだフレームに薄い成形合板シェルを重ね、重量を2.7kgに収めている。

このページでは、購入を検討するときに確認しておきたい点を扱う。価格情報の公表状況、購入経路、設置に必要な寸法、手入れの方法、そして同じ用途で候補に挙がる他の椅子との違いである。

正規品の基本情報

正式名称 フリーダ 752 / Frida 752
型番 752(アームなしのチェア1型のみ。アーム付きやスツールの設定はない)
フレーム オークの無垢材。10個の削り出し部材を数値制御の加工機で成形し、組み立てたのちシェルと接着する
座と背 厚さ3.5mmの三次元成形の突板シェル。座面の張り地や座クッションの設定はない
仕上げ オーク材への着色と塗装で複数展開。木目が見える着色仕上げと、木目を覆う不透明な塗装仕上げの双方がある。現行の色番はメーカー製品ページで確認できる
参考価格 メーカー希望小売価格の公表なし(2026年8月時点)。取扱店への見積もり依頼が必要
標準梱包 取扱各社の表示では2脚単位。1脚単位での注文可否は取扱店により異なる
耐久試験 イタリアの家具試験機関CATASの試験を受けている
スタッキング 対応の公表なし
耐荷重 公表なし
保証 メーカーは公式サイトで保証年数を公表していない。国内での保証内容は取扱店により異なる
使用環境 屋内用

ペドラリは製品ページに価格を掲載せず、問い合わせフォームと登録者向けの専用ページを通じて情報を提供している。したがって「定価いくら」という形の比較ができない。取扱店から見積もりを取り、仕上げ・数量・輸送方法まで含めた条件で比べることになる。

類似する椅子との違い

フリーダを検討する読者が同時に候補に挙げやすいのは、薄い面で座と背をつくる椅子と、木の断面を細くして軽さを得た椅子である。ここでは3点と並べ、何が違うのかを整理する。優劣ではなく、選択の前提が異なる。

比較項目 フリーダ(ペドラリ) セブンチェア 3107(フリッツ・ハンセン) スーペルレッジェーラ 699(カッシーナ) CH24 ウィッシュボーンチェア(カール・ハンセン&サン)
構成 オーク無垢材のフレーム+成形合板シェル 成形合板のシェル+スチールパイプ トネリコ材のフレーム+籐編みの座 ビーチ材等のフレーム+ペーパーコード編みの座
重量 2.7kg 公表なし 1.7kg 公表なし
座面高 450mm 460mm 460mm 450mm
幅×奥行 45×530mm 50×520mm 41×450mm 55×510mm
スタッキング 公表なし 可(積み重ね可能) 公表なし 不可
座面の手入れ 拭き取りのみ 拭き取りのみ 編み目の埃を払う必要がある 編み目の埃を払う必要がある。編み直しの対応あり
発表年 2008年 1955年 1957年 1949年

床から座面までの高さはいずれも45〜460mmで、同じ高さの天板に合わせられる。違いが出るのは幅と奥行、そして座面の手入れである。編んだ座を持つ椅子は編み目に埃がたまるため掃除の手間が増えるが、通気性がある。フリーダとセブンチェアは面で座を受けるため拭き取りだけで済む。

収納の条件が優先されるならスタッキングに対応するセブンチェアが有利になる。設置面積を小さく抑えたい場合は幅410mmのスーペルレッジェーラが最も小さい。フリーダはその中間で、木のフレームの見え方を保ちながら座の手入れを簡単にしたい場合に選択肢になる。

各製品の詳細は セブンチェア 3107 / スーペルレッジェーラ 699 / CH24 ウィッシュボーンチェア の各ページで扱っている。

使用感と設置条件

テーブルとの高さの相性

座面高は450mmで、日本国内で流通するダイニングテーブルの一般的な高さ70〜720mmと組み合わせると、天板と座面の差は25〜270mmになる。食事の姿勢として無理のない範囲に収まる。天板が720mmを超える場合や、幕板の厚いテーブルの場合は、腿と幕板の間隔が狭くなるため実測を勧める。

アームがないため天板の下に収まる。座の奥行は530mmで、背をシェルの角度に預けたときに腰の位置が決まる。長時間の作業用ではなく、食事と会話の時間を想定した座り方に向く。

設置に必要な余白

椅子を引いて立ち座りするには、テーブルの端から背面方向に600mm程度の余白が必要になる。後ろを人が通る場合は、さらに30〜400mmを見込む。壁付けのテーブルで椅子を横から出し入れするなら、椅子の幅450mmに手が入る余裕を加えて考える。

4人掛けの場合、1人あたりの幅を600mm前後で計算すると、幅450mmのフリーダなら肘が当たりにくい。天板の幅が1200mmなら2脚、1500mmなら3脚が目安になる。

搬入

完成品で届くため組み立ては不要で、そのぶん分解しての搬入もできない。外形は幅450mm・奥行530mm・高さ795mmで、一般的な住宅の玄関やエレベーターで問題になる寸法ではない。重量が2.7kgと軽いため、階段を使う搬入でも負担が小さい。

取扱各社の表示では標準梱包が2脚単位となっている。1脚だけ追加したい場合は、注文単位を事前に確認しておく。

経年変化と手入れ

木部は使用にともなって色が変化する。木目が見える着色仕上げでは、光が当たる面と当たらない面で色の差が出る。窓際に置く場合、天板の下に入っている脚元と、日の当たる背の上部で差が生じやすい。不透明な塗装仕上げではこの変化が目立ちにくい。

座と背のシェルは厚さ3.5mmで、縁の部分は薄い。強い衝撃で欠けることがあるため、テーブルの脚や壁に打ち当てないよう置き方に注意する。床を引きずると脚の先端が摩耗するため、持ち上げて動かすか、フェルトなどの保護材を貼る。

日常の手入れは、ぬるま湯で湿らせたマイクロファイバークロスで拭き、そのあと乾拭きする。メーカーは、洗剤、変性アルコール、アンモニア、溶剤、酸性やアルカリ性の洗浄剤を使わないよう案内している。液体をこぼしたときは、染みになる前に拭き取る。

床暖房の上や、暖房機の吹き出し口の正面は避ける。木材は乾燥と湿潤を繰り返すと接合部に負担がかかる。屋外での使用も想定されていない。

部材の供給や修理の可否はメーカーが公式に公表していない。破損時の対応については、購入前に取扱店へ確認しておくとよい。

どこで買うか

ペドラリは国内の正規取扱店一覧を公式サイトで公開していない。公式サイトには居住国を選んで送信する問い合わせフォームが用意されており、そこから取扱先の案内を受けられる。日本国内ではペドラリを扱う輸入業者や、コントラクト向けの販売会社が複数ある。住宅向けと業務用で窓口が分かれている場合があるため、用途を伝えて問い合わせる。

公式のオンラインストアはない。海外の販売店から取り寄せる場合、並行輸入にあたることがあり、国内での保証や修理の窓口が異なりうる点は事前に確認しておく。

2008年の発表から日が浅く、中古市場は形成の途上にある。流通量が少ないため、状態と仕上げの組み合わせで条件が大きく変わる。

なお、フリーダは意匠権の保護期間内にある比較的新しい製品で、リプロダクトとして流通している事例は確認できていない。

購入前チェックリスト

  • ダイニングテーブルの天板高さの実測(座面高450mmとの差が25〜270mmに収まるか)
  • 幕板の厚みと、腿が当たらないかの確認
  • 椅子を引くための余白(テーブル端から背面方向に600mm程度)
  • 1人あたりの着座幅(幅450mm+余裕。天板幅から必要脚数を逆算)
  • 仕上げの実物確認(床材・天板と並べたときの色の見え方)
  • 注文単位の確認(2脚単位か1脚から可能か)
  • 在庫品か取り寄せかと、納期の目安
  • 保証の範囲と、破損時の修理・部材供給の窓口

コーディネート

フレームが細く、背から座への面が連続しているため、正面よりも斜めから見たときに輪郭が読み取れる。壁に寄せた配置よりも、テーブルの四方に置いて背面が見える配置のほうが造形が分かる。

木目の見える着色仕上げは、無垢材の天板や板張りの床と素材感が揃う。不透明な塗装仕上げは、天板が石材やリノリウムのテーブルと組み合わせると、木のフレームであることが形の輪郭としてだけ残る。

同じイタリアの軽量な木製チェアと並べる場合は スーペルレッジェーラ 699 が、成形合板の面で座を受ける椅子と並べる場合は セブンチェア 3107 が近い方向にある。座面高が揃っているため、1つのテーブルに複数種を混在させても高さの不揃いは生じにくい。

よくある質問

正規品の価格はどのくらいですか?
ペドラリは公式サイトで希望小売価格を公表しておらず、製品ページにも価格の記載がありません(2026年8月時点)。購入価格は取扱店への見積もり依頼で確認する形になります。価格を左右する要素は仕上げの選択、発注数量、輸送費と輸入経費で、日本国内では為替の影響も受けます。
どこで購入できますか?
メーカーは国内の正規取扱店一覧を公開していないため、ペドラリ公式サイトの問い合わせフォームから居住国を選んで送信し、取扱先の案内を受けるのが確実です。国内ではペドラリを扱う輸入業者やコントラクト向けの販売会社が複数あり、住宅向けとオフィス・店舗向けで窓口が分かれている場合があります。
実物を確認する方法はありますか?
ペドラリを扱う国内のショールームで座り比べるのが最も確実です。取扱店によっては仕上げのサンプルを貸し出しています。オーク材の着色仕上げは写真と実物で印象が変わりやすいため、床材や天板と並べて確認することをおすすめします。
納期はどのくらいですか?
在庫品か受注生産かで大きく変わります。国内の在庫がある仕上げなら比較的短期間で入手できますが、指定の仕上げをイタリアから取り寄せる場合は生産と海上輸送の期間が加わります。見積もり時に在庫の有無と輸送方法をあわせて確認してください。
日常の手入れはどうすればよいですか?
メーカーは、ぬるま湯で湿らせたマイクロファイバークロスで拭き、そのあと必ず乾拭きすることを案内しています。洗剤、変性アルコール、アンモニア、溶剤、酸性やアルカリ性の洗浄剤は使用しません。液体や汚れが付いたときは、染み込んで残る前にすぐ拭き取ります。
屋外で使えますか?
屋内用の椅子として設計されているため、屋外での常用は想定されていません。オークの無垢材と成形合板で構成されており、雨や直射日光にさらすと含水率の変化による寸法の狂いや、塗装面の劣化が起きます。屋外で使う場合はペドラリの屋外向けコレクションから選ぶことになります。
積み重ねて収納できますか?
メーカーはスタッキング対応を公表していません。フレームの上にシェルを重ねる構成のため、脚を内側に傾けて積み重ねる形にはなっていません。ただし重量は2.7kgで、片手でも動かせる範囲に収まります。一時的に片づける必要がある場合は、積み上げではなく並べて寄せる前提で設置場所を考えてください。
他に検討すべき製品はありますか?
薄いシェルで座と背をつくるという点では、成形合板のシェルをスチール脚に載せたセブンチェア 3107 が近い考え方です。木の断面を細くして軽さを得るという点では、同じイタリアのスーペルレッジェーラ 699 が比較の対象になります。無垢材のダイニングチェアとしての座り心地を基準にするなら CH24 ウィッシュボーンチェア も候補に入ります。

Reference