概要
チェアワン パブリックは、コンスタンチン・グルチッチによるチェアワンの座面を、複数連結して公共空間で使えるようにしたシーティングシステムである。ダイキャストアルミニウムの座面シェルを、コネクターバーとベースで連ねる。マジスが製造している。
特徴・コンセプト
三角形の面で強度を配分する
座面シェルは、三角形の平たい部材を辺で接合した立体で構成される。荷重の集まる箇所では三角形を密に、力のかからない箇所では粗く配置する。素材を一様に厚くする代わりに、必要な場所にだけ材料を置く方法である。結果として、隙間の多い格子状の面になる。
この形は、溶けたアルミニウムを金型に流し込むダイカストの工程から導かれている。ダイカスト自体は家具でも使われてきたが、座面全体を一つの部材として成形した例は少ない。
連結して構成する
座面はコネクターバーで連結され、3席、4席、5席の構成が選べる。ベースには2種類あり、コンクリート製のものは重量で自立し、ダイキャストアルミニウム製のものは床面に固定する。コンクリート製またはHPL製のミニテーブルを間に挟むこともできる。
屋外での耐候
座面シェルにはフッ素化チタンのスパッタリング処理を施したうえで、ポリエステルパウダーによる塗装が行われる。二重の表面処理により、屋外に置いたままでも腐食が進みにくい。コネクターバーには陽極酸化処理(アルマイト)を施したアルミニウムが用いられる。難燃性を備え、公共空間の安全基準に対応する。
エピソード
グルチッチは、チェアワンの座面が短時間の着座を前提に設計されていると述べている。空港の待合や美術館のロビーのように、長く座り続けない場所に向く。パブリック版はその前提をそのまま引き継いでいる。
評価と影響
線材を並べて座面をつくるベルトイア ダイヤモンドチェアやイームズ ワイヤーチェア アウトドアが金網によって面を構成したのに対し、こちらは鋳造した平板の三角形を接合する。同じく隙間の多い面でありながら、成り立ちが異なる。空港、駅、美術館、商業施設などで用いられる。
コンスタンチン・グルチッチの設計思想や経歴について詳しくはコンスタンチン・グルチッチプロフィールページをご覧ください。
マジスの歴史や他の製品について詳しくはマジスブランドページをご覧ください。
シリーズ全体について詳しくはチェアワン シリーズをご覧ください。
基本情報
| 名称 | チェアワン パブリック シーティングシステム / Chair_One Public Seating System |
|---|---|
| デザイナー | コンスタンチン・グルチッチ(Konstantin Grcic) |
| ブランド | マジス(Magis) |
| 発表年 | チェアワンは2003年設計・2004年発表。パブリック版はその後の展開 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | パブリックシーティングシステム |
| 座面 | ダイキャストアルミニウム(フッ素化チタン・スパッタリング処理+ポリエステルパウダー塗装) |
| コネクターバー | 陽極酸化処理アルミニウム |
| ベース | System 1:コンクリート/System 2:ダイキャストアルミニウム(いずれも床面固定に対応) |
| 構成 | 3席/4席/5席(ミニテーブルを追加可) |
| 屋外使用 | 可 |
| その他 | 難燃仕様 |
Reference
- Chair_One Public | Magis
- https://www.magisdesign.com/product/chair_one-public/