溶かした金属を金型へ高速・高圧で充填して鋳造する方法。寸法精度が高く、複雑な形状を一体で量産できる。

ダイカスト

ダイカストとは、溶かした金属を精密な金型へ高速で充填し、圧力をかけたまま凝固させる鋳造方法のこと。英語では die casting と表記する。日本語ではダイキャストとも書く。

解説

砂型鋳造や重力鋳造が、型に溶けた金属を注ぎ込んで自重で満たすのに対し、ダイカストでは高い圧力で押し込む。この差が仕上がりに現れる。金型の隅々まで金属が行き渡るため薄い部分や細い部分を成立させやすく、表面は鋳肌が滑らかで、寸法のばらつきも小さい。冷却も速く、一つの型から短い周期で製品が出てくる。

用いられるのは、アルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金、銅合金といった比較的融点の低い金属である。鉄やステンレスは融点が高く、金型が耐えられないため対象にならない。アルミニウム合金では、金型への焼き付きを防ぐ目的で、通常の鋳物では不純物とされる元素をあえて加えることもある。

家具や照明では、脚の接地部やベース、支柱の受け、キャスターの本体、ヒンジ、照明器具のソケットまわりといった部位に用いられる。いずれも複雑な形状でありながら強度が要り、なおかつ同じものを大量に必要とする部品である。切削で削り出せば加工に時間がかかり、板金では成立しない形が、一体の部品として得られる点が採用の理由になる。エンツォ・マーリのトニエッタはフレームにこの工法を用いており、コンスタンチン・グルチッチのチェアワン パブリック シーティングシステムでは座面全体が一つの部材として成形されている。後者のように面そのものをダイカストで得る例は多くない。

制約は金型と鋳造欠陥にある。高温高圧の溶湯に繰り返しさらされるため金型には耐熱性の高い工具鋼が必要で、製作費も高い。したがって少量生産では引き合わず、生産数が増えるほど有利になる。また、充填時に巻き込まれた気体が内部に空隙として残ることがあり、肉厚の部分ほど生じやすい。この気体が残るために熱処理や溶接が難しいという性質もある。射出成形と同じく、肉厚を均一に近づける設計が求められる。

Reference

アルミダイキャストとは(キヨタ)
https://www.kiyota-and.co.jp/column_metal/die-casting/archives/28023
ダイカスト金型とは(フジイ金型)
https://www.fujii-k.co.jp/recruit/die-casting-mold/
ダイカストの技術動向(日本ダイカスト協会技術部・日本金属学会会報)
https://www.jim.or.jp/journal/m/pdf3/53/12/589.pdf

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