概要
FJ パネルシステムは、フィン・ユールが1953年に設計した壁掛け式のシェルビングである。壁面に木製パネルを取り付け、そこに棚板と引き戸付きキャビネットを任意の位置で掛けていく。オリジナルはデンマークの家具メーカー、ボヴィルケが型番BO71として製造した。現在はハウス・オブ・フィン・ユールが2014年から生産している。
特徴・コンセプト
パネルを連ねて規模を決める
パネルは高さ200cm、幅78cmから80cm、厚み4cm。スタートパネルとランニングパネルを横に連ねることで、一枚から壁一面まで規模を決められる。壁そのものを収納の一部に組み込む構成であり、床に接する部材を持たない。パネルの背面素材にはテキスタイルやレザーも選べる。
棚とキャビネットを掛ける
棚板は奥行22cm、28cm、45cmの3種類。最も深い45cmの棚板は小さなデスクとしても使える。引き戸付きキャビネットは幅157cm、奥行45cm、高さ30.7cm。棚もキャビネットも独立して位置を変えられるため、蔵書が増えたり用途が変わったりしても、壁ごと組み替えずに対応できる。
樹種と色を混ぜて構成することもできる。パネルと棚板はチーク、ウォールナット、オーク、アッシュ、オレゴンパインの突板または塗装仕上げ。引き戸はホワイトとイエロー、ホワイトとライトブルーの組み合わせ、あるいは突板から選ぶ。
棚受け
現行品の棚受けには焼き入れスチールが使われる。市場に出るヴィンテージの個体には真鍮の棚受けを持つものがあり、年代を見分ける手がかりのひとつになる。
エピソード
フィン・ユールは室内の設計にあたって、家具と空間を一つのまとまりとして扱った。壁そのものを収納の一部に組み込むこの構成は、その考え方を建築の側から支える部材にあたる。
ボヴィルケがフィン・ユールの設計に与えた型番はBOで始まる。このパネルシステムはBO71にあたり、ヴィンテージ市場でもこの型番で取引される。1950年代から1960年代にかけて製造された個体が流通している。現行品はハウス・オブ・フィン・ユールが「FJ パネルシステム」の名称で販売しており、型番は付されていない。日本語圏では「モデル142」という型番で紹介されることがあるが、製造元の資料でも流通する個体でも、この番号の裏づけは確認できない。
評価と影響
ハウス・オブ・フィン・ユールがこのパネルシステムを現行品として発売したのは2014年で、設計から60年を経ての復刻にあたる。壁に依存せず自立するインフィニートやストリングシステムとは異なり、壁面そのものを構成要素として使う方式をとっている。住宅のリビングや書斎のほか、ホテルやオフィスの内装にも用いられている。
フィン・ユールの設計思想や経歴について詳しくはフィン・ユールプロフィールページをご覧ください。
House of Finn Juhlの歴史や他の製品について詳しくはHouse of Finn Juhlブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | FJ パネルシステム / FJ Panel System |
|---|---|
| デザイナー | フィン・ユール(Finn Juhl) |
| ブランド | House of Finn Juhl(2014年より現行品) |
| オリジナル製造 | ボヴィルケ(型番 BO71) |
| 発表年 | 1953年 |
| デザインの成立国 | デンマーク |
| 分類 | シェルフ/壁面収納システム |
| 主要素材 | パネル・棚板:チーク、ウォールナット、オーク、アッシュ、オレゴンパインの突板または塗装仕上げ/棚受け:焼き入れスチール |
| 寸法(パネル) | 幅78〜80cm × 奥行4cm × 高さ200cm |
| 寸法(棚板) | 幅78cm × 奥行22/28/45cm |
| 寸法(キャビネット) | 幅157cm × 奥行45cm × 高さ30.7cm |
Reference
- FJ Panel System | House of Finn Juhl
- https://finnjuhl.com/products/fj-panel-system