概要
VP Globeは、ヴェルナー・パントンが1969年に設計したペンダントライトである。透明なアクリルの球体のなかに、5枚のアルミニウム製リフレクターを吊る。光源は球の内部に収まり、外からは見えない。当初はルイスポールセンが製造し、2003年からヴァーパンが引き継いでいる。
特徴・コンセプト
球のなかに光源を隠す
透明な球をそのまま使えば、光源が直接目に入る。VP Globeは、球の内部に5枚のリフレクターを配することで、どの角度から見ても光源とのあいだに金属面が入るようにしている。光はリフレクターで反射してから球の壁を通り、拡散して外へ出る。透明な素材を使いながら眩しさを抑えるという条件が、内部に浮かぶ円盤という構成を導いた。
リフレクターは3本のスチールのチェーンで吊られる。支柱で固定しないため、外から見ると円盤が球のなかに浮かんでいるように見える。
反射面の色
リフレクターは研磨仕上げで、一部に赤と青が配される。反射面に色を持たせると、そこで跳ね返った光が色みを帯びる。パントンは色が空間に与える印象を設計の要素として扱っており、この配色も光の質を決めるために置かれている。消灯時にも、透明な球を通して内部の色が見える。
サイズと仕上げ
アクリル版は直径28cm、40cm、50cmの3種がある。仕上げは、クロームのリフレクターに赤と青を加えた標準仕様のほか、ブラッシュドアルミニウム、真鍮、カラーガラスを用いた仕様がある。組み立てはデンマークで手作業により行われる。
エピソード
パントンは1950年代後半からルイスポールセンと協働しており、VP Globeもその関係のなかで生まれた。ヴェネツィアで見た古い街灯の柔らかな光が着想に影響したと伝えられている。1998年のパントンの没後、2003年にヴァーパンが遺族および財団との協力のもとで製造を引き継いだ。ルイスポールセン製の初期の個体は中古市場で取引されている。
評価と影響
1960年代末のスペースエイジ期を代表する照明のひとつとして扱われる。点灯していないときも造形が残るため、単独で吊るす使い方に加えて、廊下や吹き抜けに複数を並べる置き方もされる。
美術館コレクション
ニューヨーク近代美術館は、アクリルとアルミニウムによる1970年のVP Globeランプを収蔵番号118.2003で登録している(2003年取得、ドロシー・カルマン購入基金。直径55.9cm)。
ヴェルナー・パントンの設計思想や経歴について詳しくはヴェルナー・パントンプロフィールページをご覧ください。
ヴァーパンの歴史や他の製品について詳しくはヴァーパンブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | VPグローブ / VP Globe |
|---|---|
| デザイナー | ヴェルナー・パントン(Verner Panton) |
| ブランド | ヴァーパン(Verpan/2003年〜)/ルイスポールセン(当初) |
| 発表年 | 1969年 |
| デザインの成立国 | デンマーク |
| 分類 | ペンダントライト |
| 構成 | 透明アクリルの球体+5枚のアルミニウム製リフレクター(3本のスチールチェーンで吊る) |
| サイズ | 直径28cm / 40cm / 50cm(アクリル版) |
| 仕上げ | クローム+赤・青のアクセント、ブラッシュドアルミニウム、真鍮、カラーガラス ほか |
| 収蔵 | ニューヨーク近代美術館(118.2003) |
Reference
- VP Globe Lamp | MoMA
- https://www.moma.org/collection/works/87281