VP Globeは、デンマークのデザイナー、ヴェルナー・パントンが1969年に設計したペンダントライトである。透明なアクリルの球体の中に5枚のアルミニウム製リフレクターが浮かぶ構造を持ち、惑星や宇宙船を思わせる造形が特徴である。スペースエイジ期を代表する照明の一つとして知られている。
デザインの着想
VP Globeの着想には、パントンがヴェネツィアで見た古い街灯の、薔薇色がかった柔らかな光が影響しているとされる。その温かく拡散する光の質感を照明として再現することが、開発の出発点になったと伝えられている。パントンは照明器具を単なる光源ではなく、空間の雰囲気を形づくる存在として捉えており、VP Globeにもその姿勢が表れている。
構造と特徴
VP Globeは、透明なアクリル製の球体の内部に5枚のアルミニウム製リフレクターを配する。これらのリフレクターは3本のスチール製チェーンで吊られ、球体の中に浮かんでいるように見える。リフレクターは研磨仕上げで、一部に赤と青のアクセントカラーが配される。点灯時には温かみのある拡散光が広がり、消灯時にも造形そのものが空間のオブジェとして存在感を持つ。
パントンは色彩を重視したデザイナーであり、色が空間に与える温度感や雰囲気を意識して作品をつくった。VP Globeのリフレクターに配された色も、こうした考え方に沿ったものである。
製造の歴史
VP Globeは当初、デンマークの照明メーカー、ルイスポールセン社によって製造された。パントンは1950年代後半からルイスポールセンと協働しており、VP Globeもその関係のなかで生まれた照明である。
パントンの没後(1998年)、2003年にヴァーパン(Verpan)社がパントンの遺族・財団との協力のもと製造を引き継いだ。現在のVP Globeはデンマークで手作業により組み立てられている。ルイスポールセン社製の初期のヴィンテージ品は希少性が高く、中古市場でも取引されている。
サイズとバリエーション
VP Globe(アクリル版)は、直径28cm、40cm、50cmの3サイズで展開されている。28cmは小ぶりな空間に、40cmはダイニングや居間に、50cmは吹き抜けや広い空間に適する。仕上げにも、クロームのリフレクターに赤・青のアクセントを加えた標準仕様のほか、ブラッシュドアルミニウム、真鍮、カラーガラスを用いたバージョンなどがある。
空間への取り入れ方
VP Globeは、単独で吊るしても、複数をまとめて配置しても空間の焦点となるよう意図された照明である。長い廊下や玄関ホールでの連続配置、ダイニングテーブル上での使用、部屋のコーナーに単独で吊るしてオブジェとして見せる使い方など、設置の自由度が高い。点灯・消灯を問わず、その造形が空間に表情を与える。
基本情報
| 製品名 | VP Globe(VPグローブ) |
|---|---|
| デザイナー | ヴェルナー・パントン(Verner Panton) |
| デザイン年 | 1969年 |
| オリジナル製造元 | ルイスポールセン(Louis Poulsen) |
| 現行製造元 | ヴァーパン(Verpan / 2003年〜) |
| 生産国 | デンマーク |
| 分類 | ペンダントライト |
| サイズ展開 | 直径28cm / 40cm / 50cm(アクリル版) |
| 主要素材 | アクリル(球体)、アルミニウム(リフレクター)、スチール(チェーン) |
| カラー・仕上げ | クローム+赤・青アクセント、ブラッシュドアルミニウム、真鍮、カラーガラス 他 |
| 組立 | デンマークにて手作業による組立 |