Verpan(ヴァーパン)
Verpanは、デンマークの設計者Verner Panton(1926年〜1998年)の照明と家具を許諾のもとで生産するブランドである。2003年、生産が途絶えていたPantonの照明を再び市場へ出す試みとして始まった。名称はVerner Pantonを縮めたものにあたる。権利を管理するVerner Panton Design AGおよび遺族との協働により、当時の図面や試作をもとに製品を現行の仕様へ整え直す作業を事業の中心としている。本社はユトランド半島東部のホーセンスにある。
事業と製造の実体
Verpanが扱うのは、Pantonが1960年から1980年ごろにかけて手がけた設計である。新規の設計を委嘱するのではなく、資料にもとづいて製品化する構成が採られている。素材と色の選定は権利継承者との協議を経て決められる。
再生産にあたっての課題は、当時の加工方法が現在の生産条件に合わない場合が多い点にある。ムーンランプは10枚の環状の羽根を扇状に配する構造で、羽根の角度を変えて光の広がりを調整できる。羽根が光源を隠すため、角度と間隔の精度が光の出方を左右する。金属板の打ち抜きと曲げの精度が製品の性能に直結する構成にあたる。
ファン 1DMでは、真珠母貝から切り出した円盤を細い環でつなぎ、金属の枠に層状に吊す。貝は天然の材であるため厚みと色が一枚ごとに異なり、選別と穴あけを手作業で行う必要がある。空気の動きで貝が触れ合い、光の揺らぎと音が生じる構成は、この素材を用いることで初めて成立する。
このほか、透明なアクリルの球体の内部に反射板を吊すペンダントや、螺旋状に成形した金属の帯を束ねる照明など、素材ごとに異なる工程を要する製品を扱う。
沿革
出発点は、廃番となっていたPantonの照明を再び市場へ出す構想だった。デンマークの照明メーカーFrandsenが製造を引き受け、2003年に球体のペンダントの生産が始まる。まもなくVerpanはFrandsenのグループに加わり、照明のブランドとして事業を本格化させた。
その後、Panton家との協働のもとで対象は広がり、ムーンランプ、ファン 1DM、螺旋状の照明などが順次加えられた。2010年には家具の部門を立ち上げ、ベルギー・コルトレイクの家具見本市で最初の家具を発表している。以後は住宅向けと業務用の双方へ供給する構成を採る。
現在のVerpanは、デンマークのNine Unitedのデザイン部門に属し、&TraditionおよびFrandsenと並ぶブランドとして運営されている。本社と展示場はホーセンスにあり、2017年にはオーフス市街に店舗を開いた。
デザイナーとの協働
VerpanはVerner Panton一人の設計を対象とする点で、通常の照明・家具メーカーと構成が異なる。権利を管理するVerner Panton Design AGの許諾を受けた立場から、遺族との協議を経て対象となる設計を選び、製造の条件へ落とし込む作業を担う。
Pantonの設計は製品ごとに権利の帰属が分かれており、椅子はVitra、卓上の照明はLouis Poulsen、花形の照明は&Traditionが扱う。Verpanが担当するのは球体のペンダント、貝を用いた照明、家具の系列などにあたる。
Verner Pantonの設計思想や経歴について詳しくはVerner Pantonプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
照明が製品の中核をなす。1960年設計のムーンランプは、環状の羽根を扇状に配して光源を隠す構成を採り、羽根の角度で光の広がりを変えられる。1964年設計のファン 1DMは、真珠母貝の円盤を層状に吊した照明で、床置き、卓上、壁付け、吊り下げの各形式がある。
このほか、透明なアクリルの球体を用いたペンダント、螺旋状の金属の帯による照明、釣鐘型の小型照明を扱う。2010年以降は家具も製品群に含まれる。
基本情報
| ブランド名 | Verpan(ヴァーパン) |
|---|---|
| 設立 | 2003年 |
| 設計者 | Verner Panton(1926年〜1998年) |
| 本社所在地 | デンマーク・ホーセンス |
| 資本関係 | Nine Unitedのデザイン部門に属する |
| 事業内容 | 照明・家具の企画および販売(Verner Panton Design AGの許諾にもとづく) |
| 公式サイト | https://verpan.com |
Reference
- Verpan - 公式サイト
- https://verpan.com