概要
トロメオ メガは、ミケーレ・デ・ルッキとジャンカルロ・ファッシーナによるトロメオのアーム機構をそのまま用い、大型のシェードを組み合わせた系列である。テーブルランプと同じバランスアームに、パーチメントまたはファブリックのシェードを載せることで、手元を照らす明かりから室内全体に広がる明かりへと性格を変えている。フロア、ウォール、テーブルクランプ、サスペンションの各型がある。製造はアルテミデ。
特徴・コンセプト
アームの機構
アームは押し出し成形のアルミニウムでつくられ、関節部とテンション調整ノブはダイキャストのポリッシュドアルミニウム、内部を通すケーブルはステンレス鋼である。可動部の保持は、ばねの反力とケーブルの張力の釣り合いで得ている。関節を締め付けて固定するのではないため、片手で位置を変えても、手を離した位置でとどまる。
大型のシェードは軽い部材ではない。同じアーム機構で重いシェードを保持できるのは、釣り合いによる保持がシェード側の重量を織り込んで調整できるためである。
シェードが変えるもの
トロメオのアルミニウム製リフレクターは、光を一方向へ絞って手元に落とす。メガのシェードは、金属枠にパーチメントペーパー、ポリカーボネート繊維を混ぜたグレーサテン、またはブラックのファブリックを張った構造で、素材そのものが光を透かす。下方へ落ちる光に加えて、シェードの面全体が発光し、周囲へ回り込む光が生まれる。読書灯として使いながら、部屋の明るさの底上げにも働く。
シェードはアームの角度によらず垂直を保つ。アームを動かして照らす位置を変えても、光の落ち方そのものは変わらない。
フロア型の支持
フロア型は、直径約33cmの円形ベースにステムを立て、そこにアームを取り付ける。ベースの直径に対してアームの張り出しは長く、支柱の位置とシェードの位置は大きく離れる。ベース側に重量を置くことで、この張り出しを成立させている。コード上のスイッチで調光ができる。
エピソード
元となったトロメオは、1987年にデ・ルッキとファッシーナがアルテミデのために設計した。工場や製図室で使われていたバランスアーム式のランプを出発点に、押し出し成形のアルミニウムとステンレスケーブルによる張力制御へ機構を置き換えている。1989年にADIコンパッソ・ドーロを受賞した。なお「トロメオ」は、天文学者プトレマイオスのイタリア語名にあたる。
トロメオ メガは、このアーム機構を共有しながらシェードを差し替えることで、シリーズ内に別系統をつくった例である。シリーズ全体の構成については トロメオ シリーズ にまとめている。
評価と影響
トロメオは、住宅からオフィス、ホテル、美術館まで幅広く用いられているアルテミデの代表的な系列である。メガは、同じ機構のまま光の性格を変えられることを示した展開として、天井の高い住宅やホスピタリティ施設で使われている。
設計者それぞれの思想や経歴について詳しくはミケーレ・デ・ルッキ、ジャンカルロ・ファッシーナの各プロフィールページをご覧ください。
アルテミデの歴史や他の製品について詳しくはアルテミデブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | トロメオ メガ / Tolomeo Mega |
|---|---|
| デザイナー | ミケーレ・デ・ルッキ、ジャンカルロ・ファッシーナ |
| ブランド | アルテミデ(Artemide) |
| 発表年 | 1987年(トロメオ) |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | フロアランプ/ウォールランプ/テーブルクランプ/サスペンション |
| 主要素材 | 押し出し成形アルミニウム、ダイキャストアルミニウム、ステンレスケーブル、パーチメントペーパーまたはファブリックのシェード |
| シェード径 | 約32cm / 約36cm / 約42cm |
| 仕上げ | アルミニウム(ポリッシュ)/マットブラック |
| 受賞 | 1989年 ADIコンパッソ・ドーロ(トロメオ) |
Reference
- Tolomeo Mega Floor | Artemide North America
- https://www.artemide.net/en/product/?family=tolomeo-mega-floor