概要
モデル2097は、ジーノ・サルファッティが1958年に設計したシャンデリアである。中央の支柱から放射状に細いアームが伸び、その先に電球が灯る。電球へ向かうコードを隠さず、支柱から垂らしたまま見せる構成をとる。サルファッティ自身が設立したアルテルーチェから発表され、現在はフロスが製造している。
特徴・コンセプト
配線を隠さない
通常の照明では、電球へ至る配線はアームの内部を通して隠される。管の中に線を収めるには、アームを太くするか中空に加工する必要がある。モデル2097はコードを外に出したまま垂らすことで、アームを細い棒のままにできた。
垂れ下がったコードは重力に従って弧を描く。ガラスの装飾で曲線をつくっていた従来のシャンデリアに対し、ここでは配線そのものが曲線を担っている。隠す部材を省いた結果として、装飾の役割が配線に移っている。
光源を露出させる
アームの先端には、シェードを介さず電球が直接取り付けられる。光源が拡散されずに点として並ぶため、複数の光点が空間に散る構成になる。ヴェネツィアのシャンデリアが持っていた多灯の配置を、装飾を外したまま残した形にあたる。
素材とサイズ
本体はスチール、放射状のアームは真鍮で構成される。灯数の異なる3つのサイズが展開され、仕上げはクロムめっき、真鍮、マットブラック、マットホワイトから選べる。光源は調光に対応する。
エピソード
サルファッティは1939年にアルテルーチェを設立し、自社で設計と製造を手がけた。モデル2097は同社での設計にあたる。1973年、サルファッティはアルテルーチェをフロスに売却した。フロスはカタログを引き継ぎ、モデル2097を含む照明の生産を続けている。
評価と影響
サルファッティは1954年と1955年にコンパッソ・ドーロを受けている。2012年にはミラノ・トリエンナーレのデザイン美術館で、生誕100年を記念する回顧展が開かれた。
部材を減らして光源そのものを見せるという方向は、同じフロスが製造するルミナトールにも見られる。住宅のほか、ホテルや飲食店の内装でも用いられる。
ジーノ・サルファッティの設計思想や経歴について詳しくはジーノ・サルファッティプロフィールページをご覧ください。
フロスの歴史や他の製品について詳しくはフロスブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | モデル2097 / Model 2097 |
|---|---|
| デザイナー | ジーノ・サルファッティ(Gino Sarfatti) |
| ブランド | フロス(Flos/1973年〜)/アルテルーチェ(当初) |
| 発表年 | 1958年 |
| デザインの成立国 | イタリア |
| 分類 | シャンデリア/ペンダントライト |
| 主要素材 | スチール(本体)、真鍮(アーム) |
| 構造 | コードを支柱から垂らしたまま見せる。アームは細い棒のまま |
| サイズ展開 | 2097/18、2097/30、2097/50(灯数違い) |
| 仕上げ | クロムめっき、真鍮、マットブラック、マットホワイト |
Reference
- 2097 | Flos
- https://flos.com/en/products/2097/