概要
バウハウス テーブルランプ WG24は、ドイツ・ヴァイマールのバウハウス金属工房で、ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトとカール・ヤコブ・ユッカーによって1923年から1924年にかけて設計されたテーブルランプである。円盤状のベース、円筒形の支柱、半球状のシェードという三つの要素を垂直に積み上げる。1980年からテクノルーメンが復刻生産している。
特徴・コンセプト
透明な支柱の内側
ベースと支柱には透明ガラスが使われる。支柱の内側にはニッケルメッキの金属管が通り、その中に黒い布巻きのケーブルが収められている。ガラス越しに見えるのは金属管であり、配線そのものは視界から消える。透明な素材を使いながら、見せるものと隠すものを切り分けている。
光を拡散させるシェード
シェードは口吹きのオパールガラス製で、光源の輪郭を消し、全方向に均一な光を放つ。下方への直接光は抑えられ、天井や壁への反射光が室内を照らす。点灯操作は、ニッケルメッキの玉が付いた引き紐で行う。
二つの型
このランプは当初から、ガラス製の脚を持つ型と、金属製の脚を持つ型の二種類がつくられた。ヴァーゲンフェルトによれば先に生まれたのは金属脚の型で、彼が1923年に金属工房へ加わった直後に制作されている。現行の復刻品では、ガラス脚の型がWG24、金属脚の型がWA24として区別されている。
エピソード
最初のランプは1924年春に制作された。バウハウスの記録によれば、同年秋までに金属脚が少なくとも80台、ガラス脚が45台つくられている。生産はデッサウ移転後も続き、1928年からはベルリンのシュヴィンツァー&グラーフ社が両型をライセンス生産した。
工業生産による普及を目指した設計でありながら、実際には手作業に頼る工程が多く残り、価格は高くならざるを得なかった。ヴァーゲンフェルトは後年、量産を意図した設計が結果として少量生産にとどまった経緯を語っている。
1980年、ドイツ・ブレーメンのテクノルーメン社が、ヴァーゲンフェルト本人の認可を得て復刻生産を開始した。オリジナルの寸法と素材に沿って製造され、ベース底面には通し番号とバウハウスおよびテクノルーメンのロゴが刻まれる。
評価と影響
外形が単純であるがゆえに模倣が容易であり、正規品と模倣品の差は素材とディテールの精度に現れる。同じバウハウスの金属工房からは、カンデム テーブルランプなど複数の照明が生まれている。
美術館コレクション
ニューヨーク近代美術館は、クロームメッキ金属とガラスによる1923〜24年のテーブルランプを収蔵番号490.1953で登録している(フィリップ・ジョンソンからの寄贈。カール・ヤコブ・ユッカーとヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトの共同名義。高さ45.7cm、シェード径20.3cm、ベース径14cm)。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館は、金属脚の型(MT8)を収蔵番号M.28&A-1989で登録している。
ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトの設計思想や経歴について詳しくはヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトプロフィールページをご覧ください。
テクノルーメンの歴史や他の製品について詳しくはテクノルーメンブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | テーブルランプ WG24 / Table Lamp WG 24 |
|---|---|
| 通称 | バウハウスランプ、ヴァーゲンフェルト・ランプ |
| デザイナー | ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルト、カール・ヤコブ・ユッカー |
| ブランド | テクノルーメン(Tecnolumen/1980年より復刻) |
| 発表年 | 1923〜1924年 |
| デザインの成立国 | ドイツ(バウハウス・ヴァイマール金属工房) |
| 分類 | テーブルランプ |
| 主要素材 | 透明ガラス(ベース・支柱)、口吹きオパールガラス(シェード)、ニッケルメッキ金属 |
| 構造 | 支柱の内側に金属管を通し、配線を隠す |
| スイッチ | 引き紐式(ニッケルメッキの玉付き) |
| 関連モデル | WA24(金属脚の型) |
| 収蔵 | ニューヨーク近代美術館(490.1953)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(M.28&A-1989) |
Reference
- Table lamp | MoMA
- https://www.moma.org/collection/works/4056
- MT8 | Victoria and Albert Museum
- https://api.vam.ac.uk/v2/objects/search?q=M.28-1989