バウハウス テーブルランプ WG24は、ドイツ・ヴァイマールのバウハウス金属工房で、ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルトとカール・ヤコブ・ユッカーによって1923年から1924年にかけて設計されたテーブルランプである。「バウハウスランプ」あるいは「ヴァーゲンフェルト・ランプ」の名でも呼ばれる。

円盤状のベース、円筒形の支柱、半球状のシェード。円を基調とした三つの要素を垂直に積み上げただけの構成で、装飾と呼べる部分は一つもない。ニューヨーク近代美術館(MoMA)は、この照明を「形態は機能に従う」というバウハウスの主張を示す作例として収蔵している。

特徴・コンセプト

ガラスの支柱と、その内側

ベースと支柱には透明ガラスが使われる。支柱の内側にはニッケルメッキの金属管が通り、その中に黒い布巻きのケーブルが収められている。ガラス越しに見えるのは金属管であり、配線そのものは視界から消える。透明な素材を使いながら、見せるものと隠すものを明確に切り分けたこの処理が、外形の簡素さを支えている。

光を拡散させるシェード

シェードは口吹きのオパールガラス製で、光源の輪郭を消し、全方向に均一な光を放つ。下方への直接光は抑えられ、天井や壁への反射光が室内を穏やかに照らす。読書灯というより、部屋の空気をつくる照明である。点灯操作は、ニッケルメッキの玉が付いた引き紐で行う。

二つの型

このランプは当初から、ガラス製の脚を持つ型と、金属製の脚を持つ型の二種類がつくられた。ヴァーゲンフェルトによれば先に生まれたのは金属脚の型で、彼が1923年に金属工房へ加わった直後に制作されている。現行の復刻品では、ガラス脚の型がWG24、金属脚の型がWA24として区別されている。

製造の経緯

最初のランプは1924年春に制作された。バウハウスの記録によれば、同年秋までに金属脚が少なくとも80台、ガラス脚が45台つくられている。生産はデッサウ移転後も続き、1928年からはベルリンのシュヴィンツァー&グラーフ社が両型をライセンス生産した。1930年にはフランクフルトのブンター&レメラー社が変形モデルを、1931年にはヴァーゲンフェルト自身が改訂した型をドレスデンの会社が製造している。

工業生産による普及を目指した設計でありながら、実際には手作業に頼る工程が多く残り、価格は高くならざるを得なかった。ヴァーゲンフェルトは後年、量産を意図した設計が結果として少量生産にとどまった経緯を語っている。

1980年、ドイツ・ブレーメンのテクノルーメン社が、ヴァーゲンフェルト本人の認可を得て復刻生産を開始した。オリジナルの寸法と素材に沿って製造され、ベース底面には通し番号とバウハウスおよびテクノルーメンのロゴが刻まれる。テクノルーメンは現在、このランプを4つの型で展開している。

評価と収蔵

WG24は、20世紀の工業デザインを論じるうえで繰り返し参照されてきた。工業生産、機能主義、幾何学的な形態、素材の率直な使用といった原則が、一つの照明器具のなかで同時に成立しているためである。

ニューヨーク近代美術館(MoMA)が収蔵するほか、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館は金属脚の型(MT8)を所蔵している。テクノルーメンの復刻品は1986年からMoMAのミュージアムショップで扱われている。

一方で、このランプはデザイン史上もっとも多く模倣されてきた製品の一つでもある。外形が単純であるがゆえに模倣が容易であり、正規品と模倣品の差は素材とディテールの精度に現れる。

基本情報

正式名称 テーブルランプ WG24 / Table Lamp WG 24
通称 バウハウスランプ、ヴァーゲンフェルト・ランプ
デザイナー ヴィルヘルム・ヴァーゲンフェルト、カール・ヤコブ・ユッカー
デザイン年 1923–1924年
デザイン地 バウハウス・ヴァイマール 金属工房(ドイツ)
現行メーカー テクノルーメン(Tecnolumen)/1980年より復刻生産
素材 透明ガラス(ベース・支柱)、口吹きオパールガラス(シェード)、ニッケルメッキ金属
寸法 高さ 約36cm、シェード直径 約18cm、ベース直径 約15.2cm
光源 E27口金 × 1(欧州仕様)
スイッチ 引き紐式(ニッケルメッキの玉付き)
真正証明 ベース底面の通し番号と TECNOLUMEN/BAUHAUS ロゴ