レアレ テーブルが長く愛される理由
1946年、イタリアの異才カルロ・モッリーノが保険会社レアレ・ムトゥアのトリノ本社のためにデザインしたレアレ テーブルは、誕生から80年近くを経た現在もなお、ザノッタによって製造が続けられている。航空機の翼の構造に着想を得た有機的なオーク材フレームと透明なガラス天板の組み合わせは、構造そのものを装飾として見せるというモッリーノの設計思想をよく表している。
このページでは、レアレ テーブルの正規品仕様・サイズ展開から、類似する名作テーブルとの比較、日常の使用感やメンテナンス方法、信頼できる購入先の情報まで、購入を検討されている方が必要とするすべての情報を網羅している。
カルロ・モッリーノの設計思想や経歴について詳しくはカルロ・モッリーノ プロフィールページをご覧ください。
レアレ テーブルのデザインストーリーについて詳しくはレアレ テーブル紹介ページをご覧ください。
正規品の基本情報:仕様・サイズ・素材
ザノッタが製造するレアレ テーブルは、モッリーノのオリジナル設計に基づき、イタリア国内で製造される正規品である。標準サイズに加え、2020年には全長を伸ばした大型仕様も追加された。
| 正式名称 | レアレ テーブル / Reale Table(品番:2320) |
|---|---|
| デザイナー | カルロ・モッリーノ(Carlo Mollino / イタリア / 1905–1973) |
| デザイン年 | 1946年 |
| 製造ブランド・製造国 | Zanotta(ザノッタ) / イタリア |
| リエディション開始年 | 1990年 |
| フレーム素材 | 無垢オーク材(ナチュラル / オレンジ塗装 / ブラック塗装 / カナレットウォールナット染色)。ワックス仕上げ塗装 |
| 天板素材 | エクストラクリアガラス(厚さ15mm、ベベルエッジ有/無)/ 大理石(厚さ20mm、カラーラ・マルキーナ・エンペラドール等、耐汚染性マット仕上げ) |
| 接合部 | カスタムメイド金属ジョイント(真鍮) |
| サイズ | W160×D80×H72 cm / W180×D90×H72 cm / W200×D90×H72 cm(2020年より全長を伸ばした大型仕様も展開) |
| カラーバリエーション | フレーム:ナチュラルオーク / オレンジ塗装オーク / ブラック塗装オーク / カナレットウォールナット染色オーク。天板:クリアガラス / 大理石(カラーラ・マルキーナ・エンペラドール等) |
| 参考価格帯(税込目安) | 約100万〜200万円前後(サイズ・仕様により異なる。正規販売店にて要見積) |
| 知的財産権 | イタリア国家所有(民法第586条)。ザノッタが国有財産庁より独占ライセンスを取得し製造 |
類似商品・競合との比較
レアレ テーブルは、ガラス天板と彫刻的な木製フレームを組み合わせたテーブルのなかでも、独自の造形をもつ一脚である。ここでは、同じくイタリアデザインの系譜に連なり、構造美とガラスの透明性を特徴とする名作テーブルを比較対象として取り上げる。
フランコ・アルビニ「ヴェリエーロ」(カッシーナ)
モッリーノと同時代に活動したフランコ・アルビニによるヴェリエーロ(Veliero, 1940年)は、ガラス棚板と極限まで細くされた木製支柱で構成されたブックシェルフであるが、構造の軽量化と透明性の追求という点でレアレ テーブルと設計思想を共有する。テーブルとしてはアルビニの「TL2」が比較対象となり得るが、レアレの方がより有機的で彫刻的な造形を持つ。
カルロ・モッリーノ「アラベスク テーブル」(ザノッタ)
モッリーノ自身が1949年にデザインしたアラベスク テーブル(Arabesco)は、成形合板のフレームにガラス天板を載せたコーヒーテーブルである。レアレが直線的な部材の精緻な組み合わせで構成されるのに対し、アラベスクは曲面の連続によって有機的な形態を実現している。ダイニングテーブルとしての用途にはレアレが適するが、リビングのアクセントとしてアラベスクを組み合わせるのも効果的である。
イサム・ノグチ「ノグチ テーブル」(ハーマンミラー / ヴィトラ)
イサム・ノグチが1948年にデザインしたノグチ テーブル(IN-50)は、二つの有機的な木製脚部とガラス天板で構成されるコーヒーテーブルであり、彫刻的なフォルムとガラスの透明性という共通項を持つ。ただしノグチ テーブルはローテーブルであり、ダイニング用途には不向きである。有機的造形とガラスの組み合わせに惹かれる方で、リビング用のテーブルをお探しの場合は有力な選択肢となる。
| 比較項目 | レアレ テーブル(ザノッタ) | アラベスク テーブル(ザノッタ) | ノグチ テーブル(ヴィトラ) |
|---|---|---|---|
| デザイナー | カルロ・モッリーノ | カルロ・モッリーノ | イサム・ノグチ |
| デザイン年 | 1946年 | 1949年 | 1948年 |
| 用途 | ダイニング / デスク | コーヒーテーブル | コーヒーテーブル |
| フレーム素材 | 無垢オーク材 | 成形合板(オーク突板) | 無垢ウォールナット / メープル |
| 天板 | ガラス / 大理石 | ガラス(上下2枚) | ガラス |
| 構造の特徴 | 航空工学的な直線構造 | 曲面の有機的造形 | 彫刻的な二脚構造 |
| 参考価格帯 | 約100〜200万円 | 約60〜100万円 | 約30〜50万円 |
構造美と透明性を兼ね備えたダイニングテーブルを求めるならばレアレが最適である。リビング用のコーヒーテーブルとしてモッリーノの世界観に触れたい方にはアラベスクが、より手頃な価格で彫刻的なガラステーブルを取り入れたい方にはノグチ テーブルが適している。
使用感と暮らしへの取り入れ方
ダイニングテーブルとしての使用感
レアレ テーブルは、最小サイズ(W160×D80 cm)で2〜4名、W180〜200 cmで4〜6名、大型仕様では8名程度の食事に対応する。高さ72cm前後は標準的なダイニングチェアとの相性がよく、座面高42〜45cm程度の椅子を合わせるのが一般的である。
ガラス天板の場合、透明ゆえにフレーム構造が常に目に入り、食事の場にも芸術的な雰囲気をもたらす。一方、テーブルクロスを使用しない環境では、食器を置いた際の音が気になる場合があるため、プレースマットの使用が推奨される。大理石天板は適度な重量感と冷たい質感があり、より格式高い食空間を演出する。耐汚染性の保護加工が施されているとはいえ、酸性の食品や液体にはなるべく速やかに対処したい。
最小サイズ(W160×D80 cm)はデスクとしての使用にも適しており、書斎やホームオフィスでは、作業台としても空間のオブジェとしても使える。
空間別のコーディネート提案
ナチュラルオーク仕上げは温かみのあるカジュアルな空間に馴染みやすく、北欧モダンやナチュラルインテリアとの相性が良い。ブラック塗装仕上げはより洗練された印象を与え、モダンオフィスやフォーマルなダイニングルームに最適である。カナレットウォールナット仕上げは伝統的なインテリアにも調和し、クラシックとモダンの橋渡しとなる。
リビングダイニングに配置する場合、ガラス天板を選べば空間を視覚的に圧迫しないため、限られた面積でも開放感を保つことができる。大理石天板は独立したダイニングルームでの使用が特に映え、テーブル自体が空間の主役として機能する。
生活スタイル別の提案
デザイン愛好家の二人暮らしには最小サイズのレアレ(W160 cm)をデスク兼ダイニングテーブルとして導入するのが合理的である。家族での使用には W200 cm以上のサイズが適しているが、小さな子どものいる家庭ではガラス天板の取り扱いに注意が必要である。デザインオフィスやアトリエのミーティングテーブルとしては、大型仕様が空間の中心として映える。
経年変化とメンテナンス
オーク材フレームの経年変化
ナチュラルオーク仕上げのフレームは、年月とともに蜂蜜色が深まり、豊かな飴色へと変化していく。ワックス仕上げの表面は使い込むほどに滑らかな光沢を帯び、オーク材特有の木目がより鮮明に浮かび上がる。この経年変化は自然素材ならではの魅力であり、使い込むほどに味わいが増していく。
日常メンテナンス
- オーク材フレーム
- 乾いた柔らかい布で定期的に拭き取り、ほこりを除去する。半年〜1年に一度、家具用ワックスを薄く塗布して表面を保護する。直射日光の長時間照射は色褪せの原因となるため、配置場所に配慮する。
- ガラス天板
- ガラス用クリーナーまたは水を含ませた柔らかい布で拭き取る。研磨剤入りのクリーナーは使用しない。ベベルエッジ部分にはほこりが溜まりやすいため、定期的に清掃する。
- 大理石天板
- 中性洗剤を薄めた水で拭いた後、乾拭きする。酸性の液体(ワイン、柑橘果汁、酢など)がこぼれた場合は速やかに拭き取る。耐汚染性の保護加工が施されているが、過信せず日常的な注意を心がける。年に1〜2回の専門的なシーリング処理が推奨される。
パーツ交換・修理
正規品であれば、ザノッタの正規販売店を通じてパーツの相談や修理対応が可能である。ガラス天板の破損については、同一仕様のガラスの交換が可能な場合がある。オーク材フレームの補修は、木材の専門知識を要するため、必ず正規ルートでの対応が望ましい。
どこで買うか:正規販売店と購入方法
国内正規販売ルート
日本国内においてザノッタ製品を取り扱う正規ディーラーは限られている。東京デザインセンター内のイル デザイン(IL DESIGN)をはじめ、主要都市のハイエンドインテリアショップが正規販売店として機能している。ザノッタ公式ウェブサイトの「Stores」セクションから、最寄りの正規取扱店を検索することも可能である。
レアレ テーブルは受注生産品であるため、注文から納品まで通常数か月を要する。サイズ、フレーム仕上げ、天板素材の組み合わせにより価格が異なるため、正規販売店での見積もりが必須となる。
実物確認とショールーム
レアレ テーブルのような高額なデザイナーズ家具は、可能な限り実物を確認してから購入されることを推奨する。国内正規取扱店のショールームのほか、ザノッタの本社があるイタリア・ノーヴァ・ミラネーゼのショールームでもフルラインナップを確認できる。ミラノサローネ(ミラノ国際家具見本市)の時期には、ザノッタの新作とあわせて既存コレクションも展示されることが多い。
中古・ヴィンテージ市場
1990年代初期のザノッタ製リエディションは、中古市場やヴィンテージ家具専門店で取引されることがある。1stDibsやPamonoといった国際的なデザイン家具プラットフォームでの取扱実績もある。中古購入の際は、製造時期の確認、フレームの状態(特に金属ジョイント部分の劣化や緩み)、ガラス天板のベベルエッジの欠け、ザノッタの焼印やラベルの有無を慎重に確認されたい。
購入時チェックリスト
- 正規品であることの確認(ザノッタの焼印またはラベル、品番2320の確認)
- サイズの確認(設置場所の実測、特に天板サイズとチェアのクリアランス)
- 搬入経路の確認(ドア幅、廊下幅、エレベーターサイズの計測。天板と脚部は分離搬入可能か販売店に確認)
- フレーム仕上げと天板素材の組み合わせの最終確認
- 保証内容の確認(ザノッタの正規品保証)
- 納期の確認(受注生産のため、通常2〜4か月程度)
- 配送・設置サービスの内容と費用の確認
- ガラス天板の場合、搬入・設置時の破損リスクに対する保険の有無
配送・設置に関する注意事項
レアレ テーブルはフレームと天板が別体であるため、設置時にはフレームの組み立てとガラスまたは大理石天板の慎重な据え付けが必要となる。特に大理石天板は重量があるため、専門の配送・設置サービスの利用が強く推奨される。ガラス天板仕様の場合も、15mmの厚みを持つエクストラクリアガラスは相応の重量があり、個人での取り扱いには十分な注意が必要である。
コーディネート事例
モダンミニマル ─ ガラス天板×ナチュラルオーク
白を基調としたミニマルな空間に、ナチュラルオーク仕上げのレアレ テーブルを配置し、クリアガラスの天板を通して木製フレームの構造美を引き立てる。チェアにはトーネット「214」やカール・ハンセン「CH24 Yチェア」など、同じく木の温もりを感じる名作を合わせることで、北欧とイタリアの美学が融合した洗練された食空間が生まれる。
コンテンポラリーラグジュアリー ─ 大理石天板×ブラックオーク
ダークトーンのフローリングや壁面に、ブラック塗装オークフレームとエンペラドール大理石天板の組み合わせを据える。チェアにはザノッタ「トニエッタ」やカッシーナ「キャブ」を合わせると、イタリアンデザインの系譜を感じられるダイニングとなる。間接照明でフレームの影を壁に映し出せば、テーブルの彫刻的な存在感がさらに際立つ。
クリエイティブスタジオ ─ ガラス天板×ウォールナット
大型仕様をアトリエやデザインオフィスのワークテーブルとして使用する。カナレットウォールナット仕上げの深みのある色調が知的な雰囲気を醸し出し、大判の図面やサンプルを広げるのに十分な天板面積を確保できる。同じモッリーノの「カヴール デスク」やザノッタの「シャンガイ コートスタンド」を組み合わせれば、デザインの歴史に囲まれた創造的な空間が完成する。
よくある質問
- レアレ テーブルの正規品の価格はどのくらいですか?
- サイズ、フレーム仕上げ、天板素材の組み合わせにより異なりますが、参考価格帯としておおむね100万〜200万円前後(税込目安)です。受注生産品のため、正規販売店での見積もりをお勧めします。
- どこで購入できますか?
- 国内ではザノッタ正規取扱店(東京デザインセンター イル デザインなど)で購入可能です。ザノッタ公式サイトの「Stores」セクションから最寄りの正規販売店を検索できます。海外の正規オンラインディーラーからの個人輸入も選択肢の一つです。
- 実物を確認できる場所はありますか?
- 国内正規取扱店のショールームで実物またはサンプルを確認できる場合があります。展示状況は店舗により異なりますので、事前にお問い合わせください。ミラノサローネの時期にはザノッタのブースでもご覧いただけます。
- 注文してからどのくらいで届きますか?
- 受注生産品のため、注文確定後おおむね2〜4か月程度の納期を要します。時期や仕様によって変動しますので、正規販売店にてご確認ください。
- ガラス天板と大理石天板、どちらがお勧めですか?
- ガラス天板はフレームの構造美をそのまま鑑賞でき、空間を軽やかに見せる効果があります。大理石天板はモッリーノのオリジナル設計に近い仕様で、より重厚で格式高い印象を与えます。用途と空間の雰囲気に合わせてお選びください。
- 日常のメンテナンスは大変ですか?
- 基本的なメンテナンスは、オーク材フレームの乾拭きとガラスまたは大理石天板のクリーニングです。特別な手入れを日常的に必要とするわけではありませんが、オーク材は半年〜1年に一度のワックス塗布、大理石天板は年1〜2回のシーリング処理が推奨されます。
- レアレ テーブルにリプロダクト(複製品)はありますか?
- レアレ テーブルはモッリーノの知的財産権がイタリア国家に帰属し、ザノッタが独占ライセンスで製造しているため、正規のリプロダクト品は存在しません。類似のデザインを謳う製品が流通している場合は非正規品の可能性がありますのでご注意ください。
- 他に検討すべき名作テーブルはありますか?
- 同じモッリーノの作品であるアラベスク テーブル(ザノッタ)はリビング用として、ノグチ テーブル(ヴィトラ / ハーマンミラー)は彫刻的ガラステーブルの代表格として比較されることが多い作品です。ダイニングテーブルの名作としては、チューリップ テーブル(ノル)やLC6テーブル(カッシーナ)も広く愛されています。